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第314話『うん』byクォン

サブタイが手抜き?

誕生日編の大幅修正やってたらこの様だよ。

少し期待もあったがこちらの世界も白と黒で塗りつぶされていた。現状と言えば多少混乱している市民が騒いでいるぐらいだ。原因などわからない。

影流、いや国王側としては即急に――嘘でも良いので――この現状を説明せねばならない。


「さて、どうする?」


国の重鎮が集まる中俺が居る光景は物凄く異様だが俺と影流の関係はここにいる全員が知っているので口出しは勿論しない。


「これは……魔法か何かで起こっている事態なのか?」

「たぶん違うな。世界を跨いで作用する魔法なんて聞いたことが無い、師匠にも後で聞いてみるが……」

「じゃあ何が起こってるんだ……」


沈黙する。

そこで武官の一人が叫ぶ。


『まさか、また魔王が!』

「無いっ! 俺が断言するぞ」

『何故! 魔王なら――』

「一度は共闘した相手だろう? 何故信じれないんだ」


さすがにその武官も黙る。当然だ、一度共闘した過去があるのだ、それを掘り返されたら反論できないだろう。

それがわかっていて言ったのだから。


まあ俺の予想は一つ。それも可能性は低いのだが……世界が自我でも持ち始めたんじゃないだろうか? ってことだ。

だとしたら世界の支配者って職種は廃業だ。一般市民へとランクダウンしてしまう。いや、神と同等の力は保有できるかも知れないが。


師匠に会いに行った後にクォンに会いに行くか。まだ一日も経ってないんだけどなぁ。

会議の途中だったが断りをいれて外へ出る。影流には通じてると思うが俺は俺なりにこの状況を解決する術を見つけていくしかない。

と、行っても世界から色が消えて白黒になったところで困るのは芸術家の一部だけだろうが……。


「後は適当にそれに乗っかる馬鹿どもだけだろうな」


そんな呟きをしつつ師匠の元へと向かう。きっと師匠のことだ、天国よりも天国らしい場所でお茶でもすすっているに違いない。


という訳で城の城壁へと向かう。城壁の上は日差しが強いわけだがパラソルのような物を刺して日を避けつつ冷たい飲み物を飲んでいる師匠を発見する。


「師匠、一つ聞きたい」

「魔法じゃない、これが答え。はい終わり」


……早くて助かるが……どうも腑に落ちない。


「自分から解決しようと思わないのか?」

「無理よ。もてる技術はすでに試したわ、十分もあれば全部試し終われるしね。で、ダメだったの」

「もっと魔力が必要とか……」

「何処に放出すれば良いわけ? その魔力はさ」


……なるほど、目標が無いから除去しようが無いって事か。


「一応あんた、影流に付いててくれないか?」

「頼みごとねぇ。貸しになるけど」

「別に良いさ。どんな願いだって叶えることの出来る力を持っているんだから」


俺の一つの予想が正しければもう使えなくなってるはずだが……、今は考えるのはよそう。

今から支配者権限が残っているのか試すのも良いが使えたら使えたで始末書が溜まるので控えておくことにする。


「んふ、サイコーの弟子を持ってわねー。さすが私っ! んじゃエルフの天才魔法使いことディティさんが弟子の頼みで国王様を守りに……長いわ」


そこまで言ってやめるのかよ!!


普段突っ込みなれてないせいか妙に疲れるな。師匠相手だからか?

いらない師匠補正だな。


「それじゃあ俺はもう一つ行ってくるか。師匠頼んだよ」

「任せとけい。ヤバくならない限りは守りきってみせるわよ」


ヤバくなったら逃げるのか。心配だなおい。


一度背を向けるがもう一度師匠に目をやる。

……それでも、この人は信用出来る部類に入る人だろう。


視線を前に戻し転移の準備をする。それほど時間の掛からないものなのですぐに準備は終了し、転移する。

目的地は昨日クォンとわかれた場所だ。




荒れ果てていた。もう信じられないぐらいに。

見回りをしていただろう黒機なんてバラバラに砕けていた。人為的なことは明らかだが何処か信じられない。


「……それよりもっ」


今はクォンを見つけなければいけない。幸いにしてもここからクォンの居る場所へは遮る物は何も無い。

一直線に走り扉の前まで来るとその扉を蹴り開ける。


「とうっ!」


バキィッ、という音と共に木っ端微塵になった気がしたが気のせいだろう。粉塵が待っているのは掃除してなかったせいだきっと。

……昨日クォンが雑務をこなすとか言ってた気がするな。掃除を最優先にやらないといけないだろー、あははー。


「……扉どうしよ」


ボンドじゃ無理だよなぁ。ここまで粉々だし。

だとしたら『鏡』で……それも無理だ。床に散らばっている木屑だけじゃあ元通りの扉は作れない。


……いや、そうじゃないだろ。


急いで視線を前に向ける。


生憎と何やら危なげな展開のようだった。

ここからは距離があるので良くは見えないがクォンと何者かが対峙しているように見えた。黒い服の……何ていうか威圧的な何かを放った男だ。

その真っ黒の男はクォンに向かい黒く染まった炎を投げつける。それを難なく無力化すると相手へ向かい走るクォン。何だか死亡フラグと取れるぞその動きは。


「クォンっ!!」


危ないので俺が止める。ようやくその声に気づき俺のほうを向く二人。

さっきの爆音ぐらい耳に届いていたはずだろうに。


「緊張の糸が切れましたよ。はぁ、馬鹿海弟、いや、馬海弟(ばかいで)

「繋げるなっ! にしても、お前は誰だよ」


すっ、とクォンの前に立ち自然とさっきの男と対峙するような形で話しかける。


「知らぬと言うか。世界の支配者ともあろう男が……」

「会ったのこと……あるのか?」

「無いな。だが我が領地に来たことはある。だろう?」


……我が領地?

ダメだ、思い出せない。雰囲気的には人間に見えるが……違うんだろうか?

いや、ただの人間のはずが無いのだ。ここまで来ることが出来る人間なんて居ない。


「名前は?」

「まずはお前から名乗るべきだ。と、言っても下の名前はわかるぞ海弟」

「呼び捨てにされるほどフレンドリーな仲でも無いだろ? 上は風詠だ」

「風詠海弟、なるほど。オレの名は三日月(みかづき)荒野(こうや)、裏の世界の支配者だ」


……意味がわかんないぞ、おい。


「ふ、世界の支配者じゃ無いでしょ。裏と表、その二つを統べるのが世界の支配者なんだから」

「今からなるのだ。問題無い」


そう言って腰に付けている剣を手に取る荒野。

俺も背中に手を伸ばすが……無い。無いぞ!!


「……預けたんだった」


いやしかし、折れたのだから持っていても意味の無いことは確かだ。

こうなったら素手で戦うか? そうするしかないだろう。


体を極限まで強化すると体勢を低くし相手に突っ込む。

相手の間合いを崩すことで剣はただの鉄の塊になる。


「雷よっ!!」


俺の手のひらから放たれる数本の(いかずち)


「水よ」


それに対抗し放たれる水。そんなもので防げるはずが無いだろうが!


「包み込め!」


ぎゅるっ、と動きを変え雷を包み込む荒野が放った水。行き場の無くなった雷が四方八方に力を拡散し水を四散させる。


「……中々やるな」


降りかかる水を浴びながら相手を睨みつけ言う。


「当然、けど二対一じゃあ卑怯だ」


いきなり後ろへと助走も付けずに大回転ジャンプする荒野。次に現れたのはクォンだった。

いつの間にか後ろに居たはずのクォンは相手に迫っていたらしい。


「今日は帰らせてもらう、また会おう」

「……しょうがねぇなぁ。ま、舞台が整ったらな」

「惜しそうな顔もせず良く言う」

「そういうお前も二対一でも辛そうじゃないだろ」


お互いに憎まれ口を叩くと苦笑いする。悪い奴じゃあなさそうだが……敵は敵だ。

という訳で後で覚えてろよ。


空気に溶け込むように消えていく荒野を睨みつつ、消えた後も空間を睨み続ける。ようやく残っていたにおい、というか気配も消えたところで目を放す。


「クォン、移動するぞ」

「……うん」


少し元気のなさげなクォンだった。


えーと、前書きにもでてきましたが海弟の誕生日編ですねー。

大幅修正はいっちゃいましたー。せっかくなんで修正入れようか、って思ってやったらわかりにくいところだらけで噛み砕いて噛み砕いて、展開まで変わってきちゃいましたよ。


……まあエンドは同じにしてやりますが。

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