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第311話特に意味無く

伏線なんて斬って捨てるのが自分です。

もう強いからコイツ等敵わないだろ、と思って適当に済ましたんじゃありません。

俺が拳を振りかぶる、と同時に何かが俺の頭の横を通過する。避ける暇も無かった。


ぐぇっ、と苦しそうな声が聞こえてくる。それと同時に俺の目の前に現れる一人の女。残念ながら知り合いではないし今後も知り合いたくないのだが……まあ敵の数が増えたところでどうでも良いのだ。


「援軍に来ましたー、って言いたかったけどさすがに相手が悪いから、見逃してくれないかな?」

「何を言ってるんだお前? 脳が死んでるのか?」


一瞬だけムッ、とした表情になった女だが、さすがに俺の実力がわかるのか反論はしてこない。

媚びるような笑顔がムカつくぞ。


「そこを何とか!」

「お前っ! おれはまだ戦える」

「そうか? なら続きをやろう」

「ちょっと! あんたが何しても勝手なんだけどさぁ、この行動は困るわけだよ。わかる?」

「知らないね。おれはおれの決めた事をやるだけだ」


カッコいい台詞だな。

ならその決めた事が死ぬ事だったってことを気づかせてやる。

後戻りなんてさせないぜ。


「ホントにやばいんだって! ああ、殴るよ!」

「気の済むまで殴れば良い。お前、少し待っていてくれないか」

「おう、俺はいつまでも待つぞ。殴られろ」

「何この二人!? う、気絶するまで殴るからっ!!」

「だとしても逃がさんぞ」


かなり迷った表情の女。優柔不断な奴ならともかく俺は一度決めた事をやめないぞ。それだけの力があるからな。

不敵な笑みで相手を見つつ向こうがどんな判断をしてくるか待ち望む。


「じゃああたし達に付いてくれば良いのよ!」

「馬鹿だろお前」

「じゃあ良い案あるっての? え?」

「そうだな。降参しろ、俺が埋めてやる」


勿論能力と筋力、今まで積み重ねてきたものをすべて捨ててもらうがな。

面白いなコレ。始末書増えるけど。


「二人で反抗する道を選びましょう……」

「答えになってない気もするな」


死んでも生き返る俺と二人しか居ないお前等。勝つのはどっちだろうな。

不敵な笑みをやめ魔力を練り始める。最近戦いを欲している部分があるからこうなる事を望んでいたのかもしれないな。


「行くぞっ!!」


それと同時に魔力を拡散させる。フラッシュ代わりに相手の目を晦ます作戦だ。

同時に地を蹴り自分の間合いをはかり攻撃を開始する。魔力によって強化された体を最大限に使い二人を隣にある木まで吹き飛ばす。


「ぐ……」


呻いているが……情けはしないぜ。

現在もっとも面白い状況を作り上げるため女の方に近づく。


簡単に拘束し男の方が立ち上がるのを待つ。


「二択だ。お前にプライドがあるか無いかのな」

「あるに決まっているだろう」

「だったらお前は死ぬぞ、俺がここで殺さなくてもな」


さて俺が出す二択はとても簡単なものでありとても悩むものである。


「お前の理想とこいつの命、(はかり)にかけたらどっちの方が重い?」


まるで悪役。ただこの二択。どっちを選んだって一緒の答えになるんだなぁ、これが。

まあ俺の気持ちは変わるという点を無視すれば、だがな。


拘束というだけあってこっちの女は声を出せないようにしてある。


向こうの男も顔には悩んでいる表情を出してないがここで襲い掛かったら間違えなく一撃で倒せるだろう。

隙だらけなのだよ。


「おれは――」

「うん、言わなくて良い。俺は心を読む力なんて無いけどわかるからな」


女を解放する。

ホントはどっちに決めたのかなんてわかんないんだが、この後の状況にお任せだ。


「さてこの後、どういう行動をする?」


相手も頭が冷えたはずだ。俺の予想としてはここで逃げる。

プライドを捨てればどちらの方が生きていれる確立が高いかわかるはずだ。

俺も何がしたいかわからなくなってきたが、これで懲りてくれれば良いや、ぐらいに考えているだけだ。たぶん。


無言で俺を睨みつける相手。それも空気に四散して消える。転移したってよりは空間ごと移動した、ってのが近いか。

これを利用すれば三次元の壁だって越えることができるはず! 嘘ですけど。


「うん、良い判断だ。この後も死なぬ事を祈っておるぞ。はっはっは、さてじゃあ俺も帰るか」


鏡に触れ移動する。勿論来る場所は一つだ。





「海弟、良い判断ですグッジョブ」

「だろ? 俺って良い判断するだろ? だからその始末書はやめて欲しい」


…………。

だからって無言もやめて欲しい。


「わかった。書けば良いんだろ、睡眠時間を削って」


羽ペンを使う男子高生なんて少ないだろうな。それで始末書書いてる男子高生はもっと少ないだろうな。

ただこの始末書は世界を無闇に変えた世界の支配者様当ての始末書だけど。


「何か面白いことあったクォンさんや」

「爺臭い、えーと全異世界で総合計して二千ほどの戦争が終結しましたかねー」

「じゃあ新たに五千ぐらい戦争始めなきゃな」

「すでに始まってますけど」


なら良いんだ。戦争の無益さは見ていて面白い。

呆れなど一時の感情に過ぎぬよ、嫌いなヤツ同士が潰しあうなんて素敵じゃないか。


「あー、そういや一つ思い出しました」


一つって、何か重要な事は一つでも忘れてちゃダメだろうが。って言うか手伝え馬鹿野郎。


「何だ?」

「海弟が席を空けている最中に三人ぐらい人間が神の世界に突入してきましたかね。そんなことするの人間だけでしょうけど」

「突入って何だよ。何かあったのか?」

「いやいや、その世界の魔族に(たぶら)かされでもしたんでしょう。神ほど善意の無い正義を見せる存在は居ないでしょうに」

「善意が無かったらそりゃあ悪だろ、なぁ?」

「力の弱い神なんて自我すらないですから」


なるほど、やりたくてやってる事じゃないのか。後で自我でも芽生えさせてやるか、その瞬間世界が崩れまくって面白い事になりそうだ。


「ちなみに世界の力、忘れたわけじゃあないですよね?」

「……嫌なこと思い出させるなよ」


アレは敵に回したくない力だ。

それほど純粋な力の塊なのだよ、この塊が一気に敵に回ると思うと面白い所か恐ろしいぞ。


「一世界の勇者でもやって満足でもしてれば良いんですよ所詮」

「なるほど、次は勇者でもやってみるかなぁ。まあ乗り物作りという予定が入っているけども」

「力で作っちゃったらどうです?」

「俺に苦しめといいたいのか?」


始末書書くごとに自分の名前とか書くスピードが早くなってるんだぞ。

もう一枚で良いじゃないか。


「っていうか一回使っただけなのに溜まりすぎなんだよまったく」

「乱用するでしょ?」

「勿論。だからこそ一枚にすべき」


無くても良いな。


「そういや久しぶりに面白いのみたなぁ」

「あの悪魔かな?」

「うん、そうだ一つ面白い事をしてみようじゃないか」


始末書を早く書き終えないとな。


その後も着々と早くなっていく書くペースですべてクリアする、合計時間は一日ちょいだ。眠い。


「全世界に新たなシステム追加しましょーか」

「このクソ眠いときに元気ですねー。あははー、でなんです?」


壊れてやがるぜコイツ。って言うか俺は今無敵状態なんだよ。


「すべての世界の技術力を統一する! 十年に一度にだな、えーと時間軸はここのを使おう」

「ここの使ったらここの技術も同じになりますけど」

「関係ないぜ!」

「メチャクチャあります。ここの技術が一でも下がったらまとまっている力が逆流してすべての世界がボカーン、と」

「十年後は世界中花火か」

「お花畑な脳ですね」


いやわかってるよ。

ダメかー、うーん……。


「よし、無駄に戦闘力を高くしてみるか。誰か一人の」

「その一人が可哀想な気も……」

「名づけて『ステータス999』でどうだ!」


いや、『パラメーター999』でも良いな。ちなみに読み方は『パラメータースリーナイン』だ。


「で、この『パラメーター999』だが」

「名前変わってません?」

「説明はすでに俺の中で終えたはずだ。予習しろ」

「いや、読心術なんて使えませんし」


あれ? 使えなかったっけ? しかし無気力だなお前。


「じゃあランダムに決めようか」

「今からやるんですか? これ以上今始末書増やすと死にますよ、特にこの場にいる特定の人物が」

「お前のことだなそれ、付き合ってないで良いんだぞ?」

「逃げるでしょうが」


………………。


「さーて、誰にしようかなー」

「冷や汗掻いてるじゃないですか」


気にするな。

えーと、確かここだな。


全異世界中に存在するすべての生物の名前記録。読めないのもあるが翻訳機能もついてる優れものだこれは。

形状は本ってよりデジタル機器に近い。


「ランダム検索機能がついてないなんて残念だ」

「普通付けないでしょう」

「そうか?」


しょうがないなぁ、まったく。


「後で付けといてくれ」

「もう一度同じことをやるつもりですか?」

「コレ終わったら残り三人だ。四天王を作ってやるぜ」


俺の中のだけどな。


「どうやって使うんだこれ? スタートの仕方すらわかんないぞ」


説明書きにも書いてなかったし。

チラリと横を見る。


「教えてください」


無意味な新展開っ!!

さて敵役も集まって無いんですがここで暖めていた自分オリジナル、というか複製な敵を出演させましょうか。もう後書き伏線みたいなものになってますけど。



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