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第310話『復活? ははっ、魔王かよ』by海弟

柿の種さんの活動報告(気になる人は小説を読もうで検索してそこから見てみて)見て思ったのだけれどもこの小説の総合計文字数は692,833文字だそうです。

これ更新したらまた増えるわけですよね。

……奥深い小説だなぁ。

「いやぁ、見つかって良かった」

「逆だろ? 見つけてくださってありがとう、と言え」

「え、いや……」

「冗談だ」


そりゃあ戸惑うだろうな。その顔が見たかった。


「同じって何? ねぇねぇ同じって何!!」


さてこの台詞を何回聞いたことだろうか。長老から視線を外し隣に居るフィルに目を向ける。

必然的に見下すような形になるのだがフィルなら気にしないだろう。


「自分で考えろ」

「……考えた結果聞いてます」

「馬鹿は馬鹿のまま生きていけ。そして馬鹿のまま死ね」

「ひどっ!!」


ただ一つ。周りに迷惑をかけるなよ。


うるさいフィルから視線を戻し長老を見る。


「ま、もう一泊頼む」

「部屋を手配させましょう。最高級のおもてなし――」

「毒入り料理、いや食材なんて食えないぞ。こっちはこっちで用意してやる」

「はぁ、すいません」


申し訳無さそうに言う長老。そうだ、お前の責任だ。


心の中で悪態を付き終わると会話を切り上げ部屋の手配が終わるまでこの村長の部屋で待っている事にする。

妖精っぽさ、というべきだろうか。そんな家具を中心にして剣やら防具やらも飾ってありごった返しているのがこの部屋だ。

ただ住むには困らないだけのスペースはあるので安心して暮らす事が出来る。


フィルがまだ質問を繰り返しているが無視して空を見る。

青く澄み渡っているその空は、何だか俺の心を刺激した。うーん、酔いがあるから空を飛ぶのは控えたいのに何故だろう。


「自問自答するのも馬鹿馬鹿しいな。さてフィル、下に下りるぞ」

「あれ? 私の質問は?」

「お前はそればっかりだな。良く考えろ馬鹿」

「わ、私は馬鹿じゃないもんっ!!」


とりあえず窓からフィルを蹴り落とし俺は階段を使い下に下りていく。

長老と言っても一人暮らしらしくこの家は酷く不便に思える。


一番下に着いたときにちょうど長老と鉢合わせ部屋まで案内してもらう。

途中で勿論フィルは回収済みだ。


「二人で一部屋か?」

「ダメだったでしょうか?」

「出来るだけ別にして欲しいな」

「今更な気がするっちゃしない?」


別の理由があるんだよ。まず元の世界に帰るだろ、そして元の世界に帰るだろ、最後に元の世界に帰る。この三つ、いや一つの目的を達成するためにも別々の方が良いのだ。

頼み込んで二部屋用意してもらい玄関に近いほうの部屋を俺が取る。

少し狭く感じるが、暮らすわけでも泊まるわけでもないので気にしない事にしよう。


ベッドの上に倒れこみ夜に備え寝る事にする。

エルフを探すのに魔力を半分近く使ったので回復させておきたい。


「誰も居ないけどおやすみー」





脱出成功したわけだが。


きょろきょろと右左と確認、よし誰も居ない。つまりは俺の逃げる環境が整った!!

さあ今こそ魂のそこから叫ぶのだ!


「特殊魔法『鏡』」(ボソリ


叫んだら見つかるからな。うん。


さてこれに入ったらこの世界ともおさらばだ。一応フィルの部屋の前に置手紙を置いて来たからそれを読めば事情がわかるだろう。

馬鹿とか言ってきたがあいつは賢い、姫様の下へとすぐさま帰ることだろう。


人影が少ないっぽい村の入り口付近での転移。我ながら作戦は完璧だ。

外から入ってくる奴なんていないから絶対に見つかる事は無い。


パキッ


……誰だ?

木の枝が折れた音だ。動物の発した音とは思えない。


「ふっ、居るのはわかってるんだぞ? 出てこないと特大のメテオ拡散ボム(改)を打ち込んでやるからな。ほら、いーち――」


人影が俺の前に現れる。昼間の少年か。あの時よりも重そうな剣を背負っていた。よく身に付けられたものである。


「そこを退け」

「理由は?」

「……あの娘、悪魔だったろう」

「だからどうした。悪魔だからといって俺が退く義理も義務も必要性もまったく無いな」

「……おれの目的には悪魔はどうしても必要」

「お前自身を使えよ馬鹿野郎」

「失敗したら、それっきりになるじゃないか」

「知った事か。天国でも地獄でも好きなほうを選べ。今ならそこに飛ばしてやる」


そう言って腰の剣に手を伸ばす。

……刃こぼれイェイ!


使えないぞこの剣!!


森に向かって剣を投げる。いきなりの行動に身構えた傭兵だったが目標が自分じゃないとわかり気を緩ませる。ここで攻撃しても良いが、まだが話すことがある。


「死者を生き返らせるのはちょいと世界の支配者として見過ごせないのでね、お前の敵になるだろうが倒させてもらうぞ」


何も言わずに突っ込んでくる相手。リアクションが欲しいものだがフィル相手に最近ずっと話してたせいだろう。


「第二『林脱』」


相手の剣が俺の腕を斬り、吹き飛ばす……が効かない。斬れているのだが痛みを感じない。

これが『林脱』の効果だからだ。


「弱いぞっ!!」


そのまま片手で風の塊を打ち込む。この至近距離だ、鼻をめがけて打つのは簡単。

気道を殺せば後は自然に死んでくれるって寸法だ。腕は……治癒魔法とかでくっつくだろう、たぶん。


風が相手の顔目掛けて発射される。その間コンマ一秒あったかどうか、だが避けられる。


「何!?」

「驚いた。幻術でも使ったかと思ったのに」

「生身だよ」


腕を拾い上げ無駄に高くなった回復技術による治癒魔法で回復する。

菌とか心配だがそこは俺だ。何とかなるだろう。


「化け物か君は」

「ちょっとだけ、って設定だ。俺の中だけだけどなっ!」


言い切ると同時に相手へ向かって走る。俺は武器を持っていないのでその分不利だ。特殊魔法をうまく使って倒すしかない。


「『鏡』」


魔力を付属した鏡を目の前に何個が出現させる。


「炎よ!!」


近距離より複数の鏡から発射される炎。これは当たったはず。

それでも避けようとしたのか足元を焼けどした相手が煙から脱出するところが見える。


「ちっ、完全に捕らえきれてない。速すぎるぞ!」

「こちらも生憎と化け物なのでね」


きゅっ、と胸が締め付けられるような感覚が俺を襲う。見れば胸を貫かれていた。たぶん心臓は無事。


「へっ、死なないぞ」

「……君は生物かい?」

「一応な」


刺さったまま体を半身分回転させる。それと同じように回転する相手。剣を持つ手が緩んだところで蹴りを放つ。


「ぐ……」


思わず漏れただろう声。たぶんコイツには魔法攻撃より打撃の方が有効だ。剣でもあれば良いんだが。

さっきまで剣が突き刺さっていた胸を見る。一応治癒しておくが俺の魔力が残っているうちにこれは意味無い行動だろう。死から逃れる魔法、それが『林脱』なのだから。

うん、着々とパワーアップしてってるね。


「さて、トドメの一撃といこうじゃないか!」


拳を振りかぶる。打撃が有効となると体を強化してそのまま殴りかかったほうが良い。

そりゃあ首を切られて死ぬ可能性もあるが……まあその時はその時だ。死んだら痛い。


俺は振りかぶった拳を相手に向け走り出した。

バトル開始! しょっぱなから腕が斬られてますが気にせず!

これが海弟のバトルスタイル的な何かです!

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