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第308話やる気の出し方

ちょっと意味不明な仕上がりとなりました。

さあどうする?

まさか即死、いや臨死毒だとは思わなかった。しかも何このエルフの特殊体質は……。向こうの世界では師匠に対抗するため色々情報収集してるつもりだったがさすがは異世界だ。

常識が通用しないぜ。いや、エルフって存在だって常識から外れているけれども。


「解毒剤を混ぜよう!」

「数年は掛かりますぞ」


なるほど無理だな。救うのは無理。


「いやぁ、良かったな。人間を殺せて。はっはっは」

「でも、殺したのは我々に被害を出さない人げ――」

「問題はそこ何だよ。まだ死んでいないってところだ」

「この人恐ろしいなっ!!」


うむ、どうせ戻れない道だ。この調子で行こうじゃないか。


「どうにか助けられませんかね? 張本人に言ってもあれなのですが……」

「長老」

「……はい」

「正直、面倒だと思っている俺がここに居るんだよ」

「助ける方法……あるんですか?」


勿論さ!!

あらゆる能力の頂点にある能力、それを俺は持っている!! 世界の支配者の特権、それがこの能力だ!!

と、まあ代償が俺の中では高い方にあるわけでして……溜まってるからこれ以上溜めたく無いんだよなぁ。それに俺の手で誰かを殺そうと実感できない限り『楽しい』とか『悲しい』って感情は表れないわけだよ。


「あるけどなぁ。面倒だしなぁ」

「あ、あなたはっ!! 心があるんですか!!」

「あるよ」


何を言ってるんだこいつは。

だって人間なんだもの。漠然とした事実だけ言われたって感動も悲しみもできやしない。妙に胡散臭い解説やら脚色が無ければ真実だと思えないんだよ。

まあ嘘は嘘なんだけれども。


「俺だって説明できないけど、やる気が起きないんだよねぇ」


むしろ喜ばしいことだ。敵国が動けなくなれば姫様達の負担も減る。


「ふ、ふざけてるっ!!」


そうなんだよな。ふざけてる。


黒く染まった空を見る。


……なるほどな。


「面白みが足りないんだよっ!!」

「は、はぁ!?」

「やっぱり万能の力なんてあてにするものじゃねぇな!」


もう一つの可能性を忘れてたぜ。いやぁ、これだからこそ面白いんだ。

やる気出てきた。


あたふたしている長老を見据えとりあえず説明しておく。


「チート使ったゲームなんて面白くないって事だよ。いやはや、借り物の力ばかりで成長してきた俺も変わる時が来たのかもな」


まあこの力は強大だ。つまり手放すわけにはいかないのだよ。

他人にやるぐらいなら自分で管理してたほうがマシなのだ。


支配者権限の能力を使用しようか。


「太陽よ!! 俺の叫びを聞けぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


心の中で昼夜逆転を願う。勿論それはすぐに叶えられる願いだ。

紫色に染まっている川の水があらわになる。

俺はずっと下流の方を眺めて言う。


「ふむ、これぐらいの水の流れなら一時間もあれば追いつきそうだ」

「た、太陽がっ!!」

「うるさいっ! 騒ぐな、珍しくも無い」


これなら地球滅亡を望めばすぐに地球を破壊できそうだな。それも面白そうだ。

しかし、今やるべきことは一つ。


鏡に手を当て一本の剣を取り出す。


「この剣に誓おう。人々を救ってやろうじゃないか!!」


体に強化をかける。そして『風軽』をかけ下流に向かい走る。

これは……馬よりちょっと早いぐらいのスピードか。鳥には劣るがかなりのスピードが出せている。


エルフの長老とその他愉快な仲間達を置き去りにする。

もっと魔力をつぎ込めば三十分でいけるだろうがギリギリって素晴らしいじゃないか。なぁ?





ここまで村や町が無くてよかった。


毒々しい川を眺めながら思う。

もしこの水を飲んでしまった人がいたのならばそれは不幸だ。俺の知ったことではない。

俺の目的はこの水を王都に行き渡らせないようにするだけだ。


王都の周囲に囲まれた城壁を眺めつつそこまで思考するとやっと毒々しい川の先端を見つける。


「地の精霊よ!!」


剣を片手に叫ぶ。

それに反応する地の精霊。契約者しか使えないはずだが、それは常人の場合だ。俺を縛るには神々を殺せるほどの武器を持ってこなければダメだな。まあそれで俺が死ぬかは別だがな。


川の真下から土でできた壁が現れる。

ゴゴゴゴゴゴ、という大きな音も終わり完全に塞ぎとめることが成功するとそこに毒が解けた水がぶつかる。勿論壁の向こう側には一切もれることは無い。精霊の力なのだ、完璧なのは当たり前だ。


「ふむ、随分と遠いところまで来たものだ」


そういや関所の隣を突っ切ってきたから俺は密入国なんだよな。

さて、と腰を下げつつ川に剣を浸らせる。


「地に水を」


さぁ、と引いていく水。それらは地面に吸収されたのだ。

毒も一緒に無くなり一件落着と。


「……さて、水はどうしようかな」


……まあ、水源からまた戻ってくるだろうよ。

それよりも問題があるんだ。


帰り道はどうしよう。

また一時間走るのか……。


きょろきょろと周りを見渡す。

馬があれば良かったんだが……。無いものはしょうがない。


「フィルを迎えに行くとするかなぁ、んぐっ」


腹が……。

……えと、まさか!!


腹からこみ上げてくるものを吐き出してみる。


「……毒ですね、はい」


……コレは……神への冒涜、いやもっと偉い人への冒涜にならないかな?

なあエルフさんや。


地面を何度か踏みしめる。


「待ってろ。今から殺しに行く」


何が言いたいかと言うと、無理やり伏線(?)を回収しようとしたら海弟がイヤだと拒絶する状態しか浮かんでこなかったので、こうなったら他の可能性……と、考えて書いてたらこうなってしまいました。


……それと万能の力に飽きた海弟。

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