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第306話精霊のお勤め

あっはっは。

ミラクルパワーSAKURETU!!

一合、二合と打ち合うと鉄の欠片が飛ぶ。勿論俺の剣が削られたものだ。

何か相手が持ってる伝説っぽい剣にこんな店で売っているおススメの品的立場の剣で勝てるはずが無い。


「……ふん、死ぬ前に一つ忠告をしておいてやろう。自分の度量にあった武器を使ったらどうだ?」

「はっ、まだわからないのか? お前を倒すのにはこの剣で十分なんだよ!!」


もう一段階体を強化し相手へと向かう。

お互い肉体強化の魔法しか使わずに戦っているのはここらの地形を無闇に変えたくないからだろう。ここは広い地になっているので俺の予想ではこの国の軍隊が予行演習などするときに使うのではないか? と睨んでいる。

なのでこんな地味な戦いを甘んじているわけである。こっちがでかい魔法を打ったら相手もでかいのを打ってくるだろう。それもそれで面倒だ。


「く……」


思わず息が漏れる。相手の言うとおり剣がもろすぎる。

もう攻撃には役にたたないぐらい刃がボロボロだ。いや、ある意味外見だけは恐ろしくはなったが相手がそれにひるむとは思えない。


「そんな格安販売品の剣でこの私が倒せると思うかっ!!」

「そんな事知るかっ!! 俺が聞きたい!」

「さっきと言っていることが違う」

「何のことだ?」

「き、キサマァっ!!」


つばぜり合いの状態だったのだが相手が無理やり押しつぶそうと力を入れてくる。

それに対抗するのは簡単だが間違えなく剣が折れる。勿論そのまま俺も斬られる。


「腕は二本あるんだよっ!!」


一瞬押し返し剣が折れると同時に左手に巨大な両手剣を鏡から取り出し掴ませる。

そのまま勢いを付け相手の剣ごとなぎ倒す。


「な……」


急いで防御に回る相手。俺も片手のせいかスピードがでなくあっけなく防御されてしまったが新たな武器を手に入れることが出来た。

両手剣を使うのは始めてだがこの重量感といいムチャクチャな構造なのがわかる。一般兵士が装備するような代物じゃないしどうやってこの剣が作られたのか気になるところだが今は前の敵を見よう。

両手で剣の柄を持ち相手を見据える。今の俺の筋力なら両手剣如き何の問題も無く扱える。

長剣を持っているときの剣の知識もある程度使えるはずだ。


「構えがなっていないな。ふん、悪あがきといったところか」

「違うな。これから悪あがきするのはお前のほうなんだぜ?」


うん、俺の口は今日も良好です。何てことを口走ってるんだこの野郎。

言った後後悔したりするがその状態のまま固まっていると無言で歩いて近づいてくる相手。

な、何だ!?


「君はさ。才能、無いんじゃない?」


ほざけっ!! とでも返してやりたいところだが確かに俺には才能が無いかもしれない。

今持っている俺の力のほとんどはもらいものだ。魔力然り、支配者権限然り、剣術は……独自でやったな。


でもな。才能なくたって強くはなれるんだよ。

他人に比べれば劣っていたって確かに強くなっているんだ。衰えていくのは爺さんになってからで良いんだよ。


「今の若者にはぁ、活気が足りんぞボケ」

「急にどうした?」

「俺はその質問をお前に返してやりたいね。俺に才能がない? ふっ、才能がない俺がお前に勝っちゃうからすごいんだろうが!」

「ふん、馬鹿な奴だ。見逃してやる、と言っているんだぞ」

「だからその言葉、そっくりそのままお前に返してやるから。逃げるなら今のうちだぞ?」

「……後悔するなよ」


残像を作りつつ近寄ってくる相手。

俺も剣を構える。相手が近づいてくる。剣が大きい俺の間合いは必然的に大きくなる。ということは最初は俺の攻撃から始まるって事だ。

力いっぱい地面を蹴り剣を振りかぶり――盛大にこける。


地面に足を取られた!?


見ている暇もなく急いで剣を防御に回す。さっきの剣とは違いこの両手剣は鍛え上げられたものだ、そう簡単に壊れはしない。


防ぎきると急いで反撃に――ずぶずぶという体が沈んでいく感触。


動けない。地面に体が吸い込まれているだと!?


「この剣の能力さ。地の精霊の力をちょびっとばかし借りるんだけどね。地形を自由に変えられるんだ」


それであの壁って事か。

下唇をかみつつ相手の攻撃を両手剣で防ぎつつずぶずぶと沈んでいく感触に身をゆだねていく。

地の精霊か。面白い、ならば精霊には精霊で相手をしてやろう。


「召喚術だ。下がっていた方が身のためかも知れんぞ?」


不穏な気配でも感じ取ったのか後ろに下がる相手。勿論召喚術はでまかせではない。

魔力ですこーし時空を歪めてこの世界に居ない精霊を呼び出すだけだ。もっと詳しく言えば俺の知り合いの一人を呼び出すのだ。


「レイっ、来い!!」


ずてっ


俺の上に覆いかぶさるように落ちてくるレイ。現在は吉(お忘れだろうが自称神様)と一緒にいる精霊だ。

ちなみにどんな属性使うか俺も忘れてしまっているんだが。服の色から判断してやろう。風だな?


「あと、少しだったのに」

「知るかっ!! それと今回は何か実体あるなお前。何故だ」

「海弟の言葉を取るなら、知るかっ!!」


なるほど。


「ちょい手、貸して」

「せっかくなので町でも見てきましょうかね。どっちです?」

「お前話を少し聞け。それとあと少しって何だよ」

「はいはい、足で踏まれたいなんて。下種が」


言ってないっ!!


足に捕まり何とか埋まるのから脱出。

空中に浮いてないと埋まる、ということでレイだけ浮かんでいる。俺は常時沈んでいる。


……飛ぶと酔うのはわかるけどさ。

うん、何か……いや、なんでもないさ。


「精霊を読み出すだと!? しかも実体の無い……いや、証拠が無い」

「失礼な。精霊である証拠ですね。良いでしょう、貴様を殺してあぶってやります」

「何か毒舌になってないかお前」

「いやいや、あの恨み(何故今呼び出した)のせいで毒舌なわけじゃあないですよ」


なるほど。俺へ恨みが向いてないのなら安心した。


「よし、援護してくれ」

「特攻ぅぅぅぅぅ!!」

「え、ちょ、待って!! 作戦っ!! 作戦は!?」


俺のことなんか無視して特攻していくレイ。おおう、パンツが見えて……じゃなく。


「俺達の戦いだろうコレは!?」


む、むぅ……しょうがないが元の世界に帰ってもらおう。

知力がそんなに高くない魔物程度なら操れるんだが……コイツじゃあ無理だ。精霊の知識量は人間の数億倍だからな。

強制送還して一件落着と。


……あれ、何故か相手が放心状態なんだけど。何で?


そのおかげかやっと動けるようになった。

よし今のうちのあの剣を……。


こそこそと近づき(まん前から迫ってるから意味無いけど)相手の剣を入手する。

この剣さえあれば人を生き埋めにすることが可能なのか。面白そうだな。


「まずはコイツを生き埋めに……、おお大地が躍動している!!」


ゴゴゴゴゴ、という音と共に僅かずつ沈んでいく相手。

やはりその大きな音に気づいたのか目を覚ます。


「……な、何だこの状況は!?」

「くっはっはっはっは。お前の負けだ!! 諦めろっ!!」

「いったいなにが……。う、頭がぁぁぁぁぁぁぁ」


完全に生き埋めになる相手。

叫び声が森に反射して響いている。


「ふっ、勝利とはむなしいものよ」


最低限相手への礼儀として相手が埋まった位置にあの剣を刺す。

根元まで刺して……よし、これでもしも生きていたらって可能性も無いだろ。


誰かがこの剣を拾うといけないので引き抜いて鏡の中に仕舞って、と。


「この戦争も終結かぁ」


一回死んだせいか疲れてないな。


毒舌になってしまった。

そして忘れてる登場人物が何人か居ることに気づいた。

登場人物の名前一覧なるものを登場するごとに書いていたんだけれどもそれもいまや更新停止状態(自分のパソコンの中での話です)。


しかし予想外のオチを書くのって楽しいなぁ。

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