第302話洞窟の前での
何だかわからないけど海弟が倒されて欲しいという感想を多数受け付けておりますね(違う。
海弟に対抗できる敵。一つ暖めているのがありますが次の展開に進まないと出せませんね。
海弟の敵になるのに必須なのが『世界の支配権限』ですかねぇ。
そんなの持ってるの一人しか居ない? あざとく伏線を仕込んであるはずなんですけどね。だいぶ前ですけど。
ふむふむ。なるほど。
まったくわからないな。
木陰に隠れて暑さをしのぎつつ洞窟の中の姫様とリオネの気配を探る。さっきは何とか見つけれたが今は奥に進みすぎててわからない。
「いやぁ、これで旅も終わりかぁ」
「だね。私は少ししか歩いて無いけど」
「じゃあここら一帯の魔物を駆逐してくれないか?」
「面倒」
そう、そうなのだ。
俺達の役割は洞窟の中に魔物が入らないように入り口を守ること、そして姫様とリオネの役割は洞窟の中の祭壇(?)みたいなところでリオネの体を治すことだ!
あの町から遠くも無く近くも無い場所にあり日が暮れる前に着くことが出来た。朝に出発したおかげかも知れない。
「暇だな」
「うん」
小鳥のさえずりを聞きつつ目を閉じる。そのおかげか疲れがどっ、と俺を襲ってきた。
しっかりと休んだはずなんだけどなぁ。旅の疲れはそうそう簡単に取れないってことか。
「リオネと姫様が行ってから何時間ぐらい?」
「まだ一時間も経ってないよ」
……長いよ。
「一つ考えたんだけどさ」
「何でしょうか? ちなみに炎関係は却下で。暑いし」
「……ちっ」
森を燃やす計画その一が。
「魔物でも現れないかなぁ。この際人間でも……ん?」
ある種の危険な臭い、というか気配を感じ取りすぐさま立ち上がる。
洞窟の中からじゃないのでリオネ達に一応の危険は無いようだ。
「人間じゃあ、無いな。かといって魔族でもない……かなり強い気配だぞ」
「魔族じゃないってなら何なの? それ以外に種族なんて……妖精?」
「おお、頭が冴えてるな」
たぶん俺の予想ではそこだな。主にエルフを中心としてるが……この世界はどういう形で生息してるかわからないからな。
それにここは森だ。一番深いところで妖精がいたって不思議じゃない場所。
「たぶん責任はお前にあるな。うん」
「何で私!?」
「いや、自分の種族を言ってみろ」
「……悪魔?」
「で、ここは?」
「妖精の森……かな、ああ!!」
「妖精からすりゃ悪魔が襲ってきたように見えるだろうなぁ。はっはっは」
笑い事じゃないけど。まあ面白いぞ。
「二つの選択肢があるぞ。一つは戦う。一つはお前の自殺だなぁ」
「う、戦うよ!! 決まってるじゃないのっ!!」
「じゃあ頑張ってくれ」
「えぇ!? 私だけっ!?」
「おうっ」
良いか? 俺は疲れているんだ。
それに俺は騒ぎを楽しむタイプの人間だがその中でも見る側なんだよ。巻き込まれて騒ぐ側じゃなくてそれを見て笑う側だ。
つまり他人の不幸を楽しむんだ。
「さーて、燃やされて来い」
再び木陰に座る。もしもフィルがやられたとしても俺は何とか逃げてやろう。
何かフィルが怒ったように俺に言ってきたがそのせいでその何者かがここまで来る時間が出来てしまった。
「……敵か」
「た、助けてくれっ!! 悪魔に襲われてるんだっ!!」
「え、ちょ、海弟っ!!」
「人間、お前も敵に含まれている。勘違いするなよ、先ほどの会話も聞こえている」
「……エルフめが。耳が良いからって聞いて良い会話と聞いちゃいけない会話があるんだぞ!?」
「知らないな」
知らぬ間に俺も敵認定か……。
「いけっ、フィル!!」
「謝りなさい」
「……え?」
「物凄く謝りなさい」
……何を言ってるんだ?
「自分だけ逃げようとしてたでしょうがぁぁぁぁぁああ!!」
「ああ、それか……。ごめんな☆」
「何か語尾に付いちゃいけないものが付いてるような気がするけど、まあ良いわ」
寛大なお心で。
ってなわけで二対一の戦いが始まった。
「っていうかお前一人なのか? 俺達を侮らない方が良いぜ」
「ふん、言っていられるのも今のうちだ」
弱い奴ほどよく騒ぐ。そう、お前のことだよ!!
……俺? 俺は……例外だろ。うん。
「『林我』」
体を強化。その後敵に向かいダッシュする。勿論俺は敵を侮ってなど居ない。今も全力を出している。
手加減をするほど几帳面な性格をしていない。
近くに来て思ったがエルフのせいか抽象的な顔立ちで男か女かすらわからない。
殴ってみればわかるだろう、と拳を構える。剣は腰に付けたままだ。
「くっ」
スピードに驚いたのか、それとも俺の容赦無さに驚いたのか。まあどちらにしてもその分相手は動きを遅くすることになった。
しっかりと頬に俺の拳が叩きつけられ数センチ後ずさる。まだ俺の間合いだ。
そこから殴った反動を利用した軽い蹴りを放つ。
「風」
ここにきて魔法か!?
避ける術も無く吹き飛ばされる。
再び木陰の中へ座り込む形となった。強化していたおかげかあまり痛みを感じなかった。
「フィル、今度はお前が行けよ」
「何で魔法使わないの?」
「最初に使っただろ。肉体強化をさ」
どうやら気づかなかったらしい。まあ俺は独自で名前を付けてるからわかりにくいんだろうな。
まあ変えるつもりは無い。わかりにくい名前となると相手が不利になるのだから。
俺が言葉を返さなくなったせいかフィルは相手に向かっていく。
ああ労力を消費せず敵を倒せるって良いな。
フィルの攻撃。赤い魔力の閃光を飛ばしつつ何かもう一つの魔法を完成させてようとしているらしい。体だけは小さいので不用意に近づかない戦法を取ったらしいが短いとも遠いともいえない距離を保っている。
対する相手は赤い閃光を避けつつフィルに向かって走っている。今見る限りでは相手のエルフのほうが優勢に見える……が魔法が完成したらしい。
「これで終わり!!」
フィルの手の平に集まる炎。それを見て相手も足を止める。段々と大きくなるそれを見て避けるほうを選んだらしい。
完成したのはフィルはそれを投げようとして炎のそれを振りかぶる……と同時に炎が消え去る。
「……え?」
「何だ? ここから瞬間移動でもして相手を自動追尾でもするのか?」
「ちっ、やってくれたな」
相手も虫歯を潰したような顔をする。そうか……お前の最終奥義は強力すぎるな。
「ち、ちがっ」
「さあ炎を出現させて相手を焼き殺せっ!!」
「物凄く物騒だ!! じゃなく、違うのっ!!」
わかってて騒いでるんだけどね。
「どう違うんだ?」
「えと、勝手に消えたんだよ」
「……炎が?」
「そうそう」
……嘘を言っちゃいけないぞ。
「何その顔は……。ホントなんだって!!」
「いやいや、そんな消えるなんて……いや、そういやアレだな。お前の能力一通り一度消したな。世界から」
その時戻し忘れてた……とか?
うわぁ、俺の責任か。
……このまま押し切るか。
「……しょうがない。俺が続きをやってやろう」
「……ごめんなさい」
後味悪いなぁ。
ったく、俺がでる破目になったし。
「どんな死に方を望む?」
あの言葉が嘘かどうか見極めていたエルフに言う。残念ながら嘘で本当なんだよ。
アイツはさっきの魔法みたいなの使えないんだ。
「わたしはお前達からこの森を守る! 死ぬのはそれからだっ!!」
「傲慢だな。炎よっ!!」
俺の手のひらから現れる炎。
それを相手へと打ち込む。小さな爆発の後そこから現れるエルフ。
「第三『風星』」
ぴくっ、と反応を見せたが足は止めない。
はっはっは、お前自分の状態がわかってないな。
「風……っ!?」
「わからないのか? この空間に魔力を溶かして相手の魔力が外に出れないようにしたんだよ。満席状態って奴か?」
よし、次からは『風星』のことを満席状態と……カッコ悪いから呼ばない。
「さーて、俺は魔法も使えて肉体だって強化できる。それに剣術も扱えるし。対してお前は武器という武器も持って無いみたいだがな」
「……負け、だ」
うん、魔法使い相手に『風星』は致命的すぎるんだよね。
……前書き長く書きすぎた。反省しております。
どうせなら、ということで読者様にも海弟の敵となる相手を募集してみようかと思います。
名前はこっちが勝手に考えるとして(この名前にして!! というのがあれば別)武器やら能力やらを適当に書いてくれれば良いです。
自分で設定したいところを書いて感想に書いてくれればそれで完了っ! と。
え? 設定を考えるのがめんどくさくなったんだろうって? あっはっは、その通りです。潔くいきますよ。
募集事項がメチャクチャなこんな募集ですがどうかよろしくお願いします。




