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第299話『甘い物好きの俺でもなぁ』by海弟

残り一話で!!


300話!! しかし海弟の誕生日記念しかやらないぜ!

フィルとの昼食終了。ところで知っているかい?

悪魔ってだけで人間は恐れるものなんだよ。


「見るからに毒々しい料理たちだったな」

「私には効かぬ!! はっはっは」

「俺には効くんだよ馬鹿野郎!」


はっはっは、とお互い高笑いしつつ店を出る。

これから先悪魔を見ても仲間にしないことにしよう。


「それじゃ宿屋に戻るか」

「ええ、もっと外の世界見たい!」

「魔界に帰れ!」

「泣くよ!」


さて夜は宿屋で食べるとして、どうしようか。

それまでの間時間潰すために本でも買おう。そういやこの世界の文字読めないな。幸い言葉が同じだから助かってるが独特のなまりとか出されたら理解できるかどうか。


「お前本読める?」

「無視!? 私のこと無視したらどうなるか――あはははははははっ、ちょくすぐらないでっ!」


角が危ないからくすぐるのやめるとしよう。


しかし見れば見るほど鬼なんだよなぁ。

黒髪と低い背のおかげでパッと見じゃわからないが鬼だ。絶対鬼だ。


「豆が苦手?」

「本の話題は何処に行ったのかな? でも実物見てみないとわからないかも」

「なるほど、じゃあ本屋に行ってみるか」

「本読むの?」

「俺読めないしお前に読んでもらうんだよ」

「うわぁー、字が読めないなんてー!」

「お前は言葉の喋れない前の状態に戻されたいか? えぇ? ご主人様に絶対服従だぞオイ」

「今と状態変わらないような……」

「少なくとも俺はお前を自由にしてやってると思うけどな。と、本屋着いた」


この町にある本屋。意外にでかいな、と俺も関心してしまったが俺が居た元の世界に比べれば普通ぐらいだった。

驚き損か、とか心の中で呟きつつ本屋の中に入る。


「おおー、臭いぞここ!」

「百回死んで本屋の店主に謝れお前」

「どれ読もうかなー」

「その前に字は読めるのかお前?」

「へへへ、読めますぜぃ!」

「よし難しい本買うか!」

「え、イヤだよ!!」


この目の前にある厚そうな本だなまずは。


「ええと、お菓子大図鑑? レシピ本だよコレ」

「買うぞ」

「ええ! 面白くも何とも無いのに」


本当にそうかな? お前は勘違いしているぞ。

その後も何冊か本を積んでいき会計を済ませ本屋の外に出る。


「解放感っ!!」

「堅苦しい雰囲気だしなぁ。あそこは」

「だよだよ。死ぬ間際まで追い詰められた」


コイツには女らしいって言葉に合わないな。すなわち女じゃない!

つまり……何だ? まあ何かだろう。


俺はこの世界のお菓子のことを考えつつ宿屋まで歩く。勿論本を持っているのはフィルだ。

重いし俺は持たない。


「そういやフィル」

「何?」

「貴族に捕まったとき何された?」

「……え、と……トラウマ穿り返すなっ!!」

「マジメに聞いてるんだがなぁ。まあ良いや」


どの道どんなことやられてきたかなんてコイツの体を見ればすぐにわかる。

悪魔ってだけで回復が早いんだろうが傷跡は残るものだ。完治されていない場所を一緒にいるうちに何箇所も見つけた、つまり虐待行為は絶対に行われていたという事だ。

もう一つの可能性もあるが……十八禁なのでこれは考えないようにしよう。


「海弟、もう宿屋だよ」


後ろから声が掛かる。


「ん? 過ぎてたか」


べ、別にえっちな妄想とかしてたわけじゃないぞ!!


という訳で今日は調理室を占拠しようと思います。って言うかシェフを追い出せば完成。


「さてお菓子大図鑑開けー」

「休むのは!」

「甘い物食べてやすむんだよ。何か良い物ないか?」

「何でも良い?」

「作れるのだったらな」

「じゃあコレで」


図鑑の中の一ページを指差す。


「ん? どれどれ」


残念ながら途中で読めないことに気づく。


「フィル、読んでくれ。俺が作るから」

「わかった」


さて調理開始だ。





「見事なまでに!!」

「失敗!!」


さてこの糖分百パーセントをどうしたものか。


ねちねちと考えているとひょい、と先ほど追い出したシェフが覗いてくる。

この糖分百パーセントを見ているようだ。


「おい、お前さっきの奴だよな?」

『は、はぃぃぃ!』

「これどうすりゃ良いかな?」

『ど、どう……ああ、ああの!! これ、これ!』

「はきはき喋れ」

『この料理! 是非ともこの宿屋の看板料理に!!』

「……え?」

「海弟、良かった良かった」

「お、おう。じゃあ一口食ってみろよ」

『甘い匂いっ。いただきます!』


しゃくしゃく糖分百パーセントを食っていくシェフ。

として最後の一口。それを食べたところで満面の笑みを俺に見えせてくれる。


「おかしいな。俺食べてないはずなんだけど……」

「その感覚わかる。部屋に戻ろう

「そうだな。あとは任せたシェフ」

『わかりました! あ、あのこの料理の名前は!』

「そうだな。糖分百パーセントだ」


……これ以外に思いつかないぜ。


『了解しました!!』


この宿屋は潰れるな。絶対。


暇人なのにね。うん。

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