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第291話王族専用通路(逃げ道)

今気づいた。


地属性魔法と木属性魔法は違うのか、と。

……ん? あれ、自分はこの小説の作者だよな?

壁に取り付けられた蝋燭の火のおかげで視界は確保できている。それに案内も居るしこれは決着が早く着きそうだ。


姫様の後ろを追いつつ余裕のある心の中で考えてみる。

俺達が向かうのは最上階に向かうための階段ではない。城が攻められ不利になった時に唯一使われる逃げ道だ。

その道は王族しか知らないがコチラにはその王族が仲間についている。


「そんな隠し通路みたいなものがあるなんてな」

「あ、はい。城内の図書室ならば城の設計図もあって確認することができるんですよ。勿論王族の許可がなければダメですが」

「ほう、で隠し通路とやらは……?」

「まだ先です。すいません……これ以上速く走れなくて……」

「いや、まだ大丈夫さ」


もしも逃げられた、とかいう事態になったって俺は一向に構わないのだ。

王族が逃げたとなればこの国には二つの勢力がせめぎ合うこととなるだろう。一つは自国の国民の意思を尊重した勢力、一つは貴族を贔屓にした政治の能力がないまるでダメな勢力。

いくら美男子や美少女の群れがあるからといってそこに政治能力がなければ国民の支持は得られないだろう。どちらが勝つかは明白だ。


「久しぶりに楽しくなってきたぞ!!」


槍をもう一度硬く握り締める。

蝋燭が付けられている間隔も大きくなりついには光のない真っ暗な空間になる。

炎の魔法で明るくしようと思ったが姫様が止まったので俺も止まる。


「どうしたんですか?」

「いえ……もうすぐ、来ます」

「ほお」


姫様を下がらせる。

やっと俺にも魔力というか……気が感じられるようになり人数を把握する。

強さで分別するなら近衛騎士が三人、国王と王妃が一人ずつに……コイツは何だ? 宰相か何かか?

まあ合計六人である。


小さな足音がでかくなっていき暗闇の中に六人の男女が現れる。

ここへ着くなり六人のうちの何者かが魔法を使い部屋を明るくする。


「まぶしいなぁ」

『っ、キサマ一体何者っ!!』

『国王様、今の状況では一目でわかりましょう』


話が早い。どうやら俺は敵とみなされたらしい。


『むっ、後ろに居るのは……』


三人の近衛騎士のうちの一人が独白するように呟く。

俺の後ろに居る人物へと視線が注がれる。勿論その人物とは姫様だ。


『姫様っ!! キサマ姫様に何をした!!』

「何もしてないぞ? ただ自分の意思を尊重して連れてきただけだ」

「はい……私が頼みました。お父様、改心してはくださりませんか? 命ばかりは助けていただけるよう――」

『うるさいっ! それでも我が娘か! 自らの祖国を捨てるだと!? そんなことが国王たる者、つまり私にできるはずが無いだろう!!』

「水よ」


とりあえず痴話喧嘩を聞きに来たわけではないので国王に向かい水を打ち込む。

その水は今まで黙っていた一人の近衛騎士の剣によって防がれる。


『……弱いね』

「ほう、俺が弱い? なら俺の本気の一撃を食らってからその言葉、もう一度聞かせてみろっ!!」


炎を手に平に出現させる。

その熱の塊を三人のうちのさっきの戯言をほざいた奴に打ち込む。

そいつは剣で炎を受け止めようとしたが……とっさに何かに気づくように後ろに飛び去る。


その瞬間俺が打ち出した炎が爆発する。炎が飛び散り王妃のネグリジェのような薄い生地の夜着に飛び火する。

他の近衛騎士にも当たったがその鉄の鎧に黒いあとを残しただけだった。


『王妃様っ! くっ、バリス! ここはお前に任せる!!』

『……了解。国王様達は早く――』


すべて言う前に口を閉じるバリスとかいう近衛騎士。

どうやら俺の意図、というか意思に気づいたようだ。


『この人を倒さないとこの先には進めないでしょう。ならば三人で――』

『うるさいっ! 王妃様の手当てが先だ!』


ああ、イヤな上司を持ったなバリス。

しかしバリス本人は何も思っていないのか剣を構え直しこちらを見るのみ。


「お前は賢い奴に見えるんだがな」

『……賢さは時に邪魔になるときがあるね。でも僕の中で賢さより信念のほうが格が上なんだ』


そう言って俺のところに突っ込んでくるバリス。

説得しようとは思わなかったがあわよくば、とは思っていたので心の中で舌打ちする。


「風よ!!」

『ぐっ』


勢いのよい風を少し足止めする程度にバリスへと放つ。勿論剣で防げるわけも無く見事足止めされてしまう。

さあここからが俺の本当の戦いだ。


「はぁっ!!」


槍の刃の部分を相手の心臓部分に突き刺すように前に突き出す。

それを半身を逸らしてかわすバリスだが鎧に守られていない腕に少し傷がつく。


バリスが距離を取ろうとしたのでそんなことはさせずそのまま前に俺は移動する。少し意外そうな顔をしてからバリスも前に出る。

剣と槍でつばぜり合いのような状態になる。


「おいおい、勝てると思っているのか?」

『正直、五分五分だと思う』


コイツの目は節穴あぜボブ。


体を魔力で強化する。力で圧倒し始める俺。

うまく受け流そうにも俺の得物は槍だ。ちょっとやそっと離れたぐらいじゃ優に対応できてしまう。


『ちっ』


バリスの手から白い光が放たれる。光の魔法ではないが何か似たようなものだろう。

だが届かない。


瞬時に鏡を前に張り反射させる。


『ぐぅ。な、何だ……と?』

「とどめぇ!!」


とは言わず股間を蹴り上げあっけなく勝負を終わらせる。

死人はできるだけ少なくさせたほうが良い。特に賢い奴はこの戦いの後戦力になってくれる可能性もあるからだ。


「だがお前らは違う。少し死んでもらおうか」

『何が少しだ!! それに死ぬのはお前のほ――』


すべて言う前にアクション映画よろしく吹っ飛ぶ近衛騎士。鎧を着込んでいるのにその鎧はペチャンコになりそれを着ている当の本人は気絶などしている。

無論俺の魔法だ。『風星』だ。


『な、何を……』

「レアな魔法だよ」


もう一人にも打ち込み気絶させ終わらせる。

面倒だがこの二人も殺しちゃいけないのだ。頭の切れる奴は何故このバルスだけを生き残らせ仲間に加えたのか、疑問に思うだろう。

ならば三人纏めて生き残らせ現体制を一掃したあと残りの二人をクビにしたほうが良い。


「さて、次……ん?」


汚らしい格好をした老人が俺の前に現れ対峙するような格好になる。

魔力も相手から感じられるので相手は魔法使いだろう。それもかなり大物の。


『では一つ、お手合わせ願おうかの』

「おい、自分の蛇口ぐらい自分で管理したらどうだ」

『ん?』


魔力が漏れっぱなしですよ。魔族かお前は。


「第三『林影』」


相手から魔力を吸い取る。


『あ、ぐ……』

『お、おい! 何故倒れる!!』


どうやらこの国王の切り札だったらしい爺さん。

ははっ、残念ながら一流魔法使いでも自分の魔力ぐらい管理できなきゃ俺には勝て無いぜ。


そういや感想のところに魔力の消費量順に書いたけど海弟の使う属性しか書いてないな。

特殊魔法の立ち位置も微妙なところだし。


何でこんなに曖昧なのにこの小説はここまで続いてくることができたんだろう。

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