第286話『剣が無いとしっくりこねぇなぁ』by海弟
今回の登場人物。
阿呆一匹、外道一匹、英雄一匹。
「ふ、終わった」
レイピアを鏡へと戻す。もう数も少ないし敗走している奴も居る。
後は初級魔法だけで勝てるだろう。
「……っ、勘違いするな! まだ私は百パーセント以上の力すらだしていなのだ!!」
「なんだ―――ん?」
少し驚きそうになったが冷静に聞いてみれば……日本語がおかしい。
コイツ限界突破をする気か!! そうなのか!?
俺が若干引いていると相手は剣を地面へと刺す。
しかし地面は石畳で出来ており当然剣は地面へと刺さらない。剣を跳ね返され痛そうに手首をさする相手。
「くっ、謀ったな!!」
「えぇぇぇ!?」
完全に不意をつかれた!!
この俺に叫ばせるとは……コイツ……なかなかやるのかもしれん!!
鏡の中から拳銃を取り出す。
すでに弾は入っている。剣と魔法の世界で銃を使う俺。ある意味異端だ。
「ただ容赦はしないぞっ!!」
軽い反動と共に銃弾を打ち出す。
狙いは少し逸れぎゃあぎゃあ騒ぐ女の右頬を掠めるだけとなった。
ちっ、さすがに一発目から当たらないか。
体を魔法で強化していることで命中確立もあがっているがさすがに一発目からは当たらない。
まあ当然次で決める。
「な、何だあれは!! キサマ何を隠し持って――」
ズガンッ
「い……る?」
次もミス。
俺はどうやら狙撃手には向いていないらしい。魔力で発射方向などを決めれるようになれば楽なんだが。
まあ無いものねだりはダメだ。自分で作ってやろう。
「一応今までのは脅しだ。逃げるか?」
当たらないのでとりあえず脅しってことにしておく。
「っ、逃げるはずが無かろう!! さあみんな――」
言うのは避けていたが残りはお前だけですお馬鹿さん。
「うぐぐぐぐぐ……うわぁぁぁぁぁ!!」
剣を持って突撃してくる相手。半身をずらし足を出して転ばせる。
ここまでうまくいくと逆に怖いです。
「元傭兵? 笑わせてくれる。弱すぎだぜ」
とりあえず言葉を選んで誹謗中傷する。
渡る世間は鬼ばかりだぜ! とりあえず俺もその一人としておこうじゃないか!
「とりあえず殺しておくか」
「ま、待て! 命ばかりは――」
「問答無用!」
背中にある剣に手を――癖ってのは抜けないようだな。
何か冷めた。
「今この銃で撃っても良いんだけどさ、何か冷めたから逃げて良いよ」
「……は?」
まあそうだろうな。
でも人を殺すってのに躊躇を無くすにはテンションもかなり絡んでくるんだよ。
冷めた俺じゃ無理だ。
「あ、相手の本拠地に案内してくれると嬉しいなぁ。とりあえず爆破していくから」
こういうとき『重火』は良いよな。
という訳で案内させる俺。
さてこの町の終わりでも見届けてやるとしようかな。うん。
相手の言い分など聞かぬわ!!
ってな感じのテンションで大きな館の前。
これを爆破すれば俺達を拘束するのは何も無い。早速爆破しよう。
「込めれる限りの魔力を込めてやる。くっくっく」
さあ阻止できるものなら阻止してみろ!!
『待てぃ!!』
「だ、誰だ!!」
……この展開は?
後書き思いつかないので思いつかないと書いておく。