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第279話逃走中(魔法応用仕様)

今回も暴れまくりました。

さて、反省しましょうか。まず海弟が一番の原因かな。

そして二番目に……うん、やっぱり海弟かな。三番目も海弟だ。


つまり海弟が悪いのか。

ちょ、役人の対応早いっ。


素早く相手の槍を避けこちらの槍を相手の心臓近くへと突き刺す。

剣じゃないので慣れが無い分若干狙いは逸れたが十分殺せる範囲だ。

倒れる相手を横目に槍を引き抜き次の相手を見る。何とか相手にしているといった感じの腹違いのお姫様の弟が慌しくクソ貴族の役人の剣を避けている。

俺を差別した報いだ、死ね。


別方向から急襲した槍に対応できず撃沈する役人。


「見つかった瞬間『姫様っ! そのような低俗な平民といたら穢れてしまいます!』だと? 国を穢れさせてるお前が言うか? あぁ?」


酒場と宿屋が一緒になっているタイプの宿屋で国が腐りきってるってのが良くわかった。

宿の亭主も思いっきりおびえてたし、何でこんなお姫様がこの国に居るのかわかんねぇぞ。


「ありがとう。どうも一部の武官が予想してたらしいですね……才能があるってのは厄介です」

「それを悪い方向に使うな、って事だよなぁ」


童話とかで国を救う英雄ってのが良く出てくるが……英雄になるってことは国相手に喧嘩売るってことだ。

才能ある奴が国を救うってのは間違ってるよな、人望があって実力があって最後に野望がないと国は救えない。


「中途半端な才能は己の揚げ足を取るってのを教えてやろうぜ!」

「いえ、僕達の目的は国外へ逃げるということでしょう? 落ち着けるのはそこだけですし……」


……はあ、しょうがないな。


「お前には時間なさそうだから先に逃げるか」


後からクーデター起こそう。


「時間が無い。そうでした……詳しい話は出来ませんが……僕には時間が無いんです」

「この国の領地は広いからなぁ。三日は国の外にでるのにかかるだろうな。三人だけの逃走なら」

「でも馬は用意できてないです」


……安心しろ。俺は最強だ!


「奪えば良い!」

「それは……」

「同盟国以外に逃げりゃ良いんだよ」

「う、となると敵国だけになりますよ」

「……はぁ?」


え、何それ。何その乱世。


「最初はこの国ともう一つの大きな国の戦いでしたが両方消耗してきたところで同盟国もそこで巻き込んで……大陸全土の大きな戦いになってしまったんです」


……ほぉ。

それは、良い話を聞いた。この国の王の首持って敵国へ行けば大金ゲットか。


「それじゃお姫様抱いていっちょ大きな仕事しますか」


倒れている役人から剣と剣の鞘を奪い取り槍を鏡の中に入れる。


腰に帯びるタイプの剣だ。

付け方を腹違い弟……面倒なので王子で良いか。王子じゃないけど。

まあ王子に教わり付け終わると宿屋からでる。亭主にはさっきお代は良いからさっさとでていってくれ、と言われてしまった。


「まあまずは外にでようか。馬はそれからだ」

「そうですね」


町の外へ最短ルートを走っていく。


楽器のせいもあるのか姫様に王子、二人とも足が遅い。

身軽な俺がだいぶ前を走ってしまっている。


「……これ三日以上掛からないか?」


思わず呟く。勿論俺の憶測で終わってほしいんだが……この二人見てると何故かそう思えてくる。


「移動方法……を変えていくってのも良いな」


魔法銃なんて開発しないで魔法で動く車かなんかを開発しようか。

いや、魔法で動く車ってのもな……ここは二輪車で行くか。バイク。


「向こうに戻ったら材料集めだ。っと、その前にこの二人だ」


立ち止まり二人を待つ。


「はぁはぁ……ど、どうぞ気にせず―――」

「おいおい面白い……じゃなくお前に頼まれてやってるんだぞ俺は。なのに気にするな? 馬鹿か」

「しかしお荷物になるのはわかりきっていますし」

「知るか。俺に良い考え、というか無茶するぞ」

「む、無茶って……」

「『林我』第二『風軽』」


表には見えないが俺の体の強化は完了した。


「ほっ、と」


両方とも細いので普通に肩に抱えることが出来た。


「第三『水花』」


ポンプ状に一点に集中させ物凄い勢いで背中から水を噴出させる。

それは風と混ざり俺の前へと動こうとする動きを加速させる。若干下に水の噴出するだけで空へと一直線に飛んでいく。


「っ、酔いも覚める勢いだ」


命の危険が迫ると酔いって覚めるんだな。

面白いぐらいに冷静な俺。普段の酔いが襲い掛かってこない。ただ命が削れていっているような……いや実際削れていってる。

今『林我』を解いたら間違えなく圧力で死ぬな。


……この二人は大丈夫か?


と思いつつ二人へ目をやるとどうやら大丈夫らしい。



良く見れば両方とも服が発光しているように見える。


「……ええと、回復の光かなんかか?」


ダメージと同時に回復しているんだったら何か納得だ。


大きな空。良く見たこと無かった太陽がこんなに近くに―――それと荒い鼻息もこんな近くに……。


俺は驚かない。驚かないぞ。でもこれはドラゴンだ。龍騎士だ。


「これ以上同時に魔法使えないっ!!」


それに両手を塞がってる。

これは……絶体絶命だ。


目からビームでもださない限り負けるぞ!!


『とるぁぁ!!』


背中の『水花』を逆噴出……というか元の形状に戻し背中から放つ水の花。

複数体いたドラゴンを飲み込むように包み込んでいく水。


「う、うぇ……」


やばい……吐きそう。


「おぉぉ!?」


次なる命の危機。落下。


「ひ、あ……」

「下噛むぞ、口閉じろ。うぐ……っ」


支配者権限は自分自身には使えない……これは一つのルールみたいなものなんだが……憎たらしい。

やることが決まった。これから俺は船酔いを治す! そして空を飛べるようになる! 最後に最速の魔造二輪車を作る!!


ま、今やるのはこの二人の逃亡の手助けだがな。


「第二『林脱』『龍亜』」


衝撃を無くし、衝撃を無効化する。


地面とぶつかるが肉の潰れる音はしない。

ダメージないし。


「……すごいですね」

「魔法だ魔法」


酔ってて完全に魔法がきまらなかったせいか足がジンジンする。

はっきり言って痛い。


「けど、わたし初めて空飛びました!」

「この世に飛行魔法なんてものがあるなんて……」

「いや、飛行魔法なんて大層なものじゃない。ただの水属性の魔法だ」

「……えと、そんな……ただの水魔法で空は飛べるものなんですか?」

「大量の魔力さえあれば可能だろう?」

「……僕はすごい人を味方につけたみたいだ」

「だから俺を楽しませろ」


うん、気分良いなぁ。

ただ魔力は長時間の飛行のせいか枯渇寸前……。水属性だからなぁ。

まあ仕方ない。


「下に居る連中もさっきのを見て怖気付いただろ。なら今のうちに素早く逃げたほうが得だ」

「そうですね。行きましょうか」


やはり遅い二人。


ここの逃亡に三十分は掛かるぞオイ。


命の危機に晒されているわりに図太い海弟。体が反応しても脳内で生き返るとわかっているからですね。うん特殊です。


というか『水花』での飛行のイメージは……そうですね、ソー○ービームを地面に向けて発射みたいな感じでしょうか。


さて海弟の船酔いというかドラゴン感染(により空恐怖症)が治るのか。

しかしその前になんか国を叩き潰すってのが簡単に見えてきたので難しく表現。


今現在この国を変えるのは総理大臣さんですが、でも一般人が対抗できるわけ無いでしょう? つまりそういうことです。貴族と平民という格差は無いですが日本の代表とそうでないものという格差があるのでね。あんま変わりません。


将来海弟は政治家になるんだろうか……メチャクチャ理論を持ち出して世界征服を提唱しそうだな……そして成功させてしまうと。


うわどんな主人公だよそれ。


はい、という訳で海弟は世界を守る立場の人なのでそんなことしませんが、海弟を主人公に想像していると何パターンも物語が想像できて良いですよね。


異世界縛りがなくてもファンタジーなところが海弟(意味不明)。


という訳でまた次回ー。

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