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第273話練習試合というか死闘

物語のバランスが総崩れ。

最初は眠っていた外道が何処で目覚めたのだろう海弟は。

もう読者さんでもわからなくなってると思う。


二、三度剣を振る。

剣と言っても木刀で腕を斬ったり足を斬ったりすることは出来ない、って言うかたとえが怖いな。

時刻は六時を過ぎ少し暗くなったあたり。

俺の目の前に立っているのは銃を持った日本側のガードマン(?)。勿論銃の弾丸に使っているのはゴム弾だ。


「いくぞッ!!」


前方へと勢い良く飛び出し木刀を突き出す。

それに対しガードマンは俺の足を取るように半身をずらし―――こける。


『っ、ぅわ!!』


勿論俺の魔法だ。

『風星』で足元を狙った攻撃。たぶん関節をあらぬ方向へ曲げてしまっただろうけどもそれはそれで俺の戦い方だ。


「さて終了だ」

『くぅぅ……』

『誰か! 医務室へ連れてってやってくれ』


お前が行けよ、とまでは言わない。俺が口出しするの面倒だしここでなんか言えばお前のせいだろとか言われそうだし。

剣意味無かったなぁ、とか思いつつ木刀を地面に刺す。


「ギル、交代だ」

「ここでかぁ? まぁ隊長の言うことだからしょうがねぇなぁ」


俺の刺した木刀を地面から抜き腕に慣れさせるように何度か握りなおす。


「重さが違うな。何で刃の無い剣なんて振らないといけねぇのか。はぁ」

「合同練習、だからだろ?」

「練習ってよ、相手怪我させて良かったっけか?」


ふっ、そんなの決まってるだろ?


「殺れ」

「……行ってくる」


そう言って歩いていくギル。

ここはホテルの庭園らしいのだが居るのは相手のガードマンと俺の部隊の奴等のみ。

まあ相手側から持ちかけられた合同練習だから居るのは二グループだけなのは当たり前か。


「俺寝ようかな」

「来たばっかでしょうが」

「ヘレンとレンスは護衛?」

「そうよ」


じゃあ寝れるな。


「という訳でさいなら」

「さいならって、隊長?」


引き止めるでもなく声だけ掛けてきているだけなので別に居なくても良いだろ。

うん、これは副隊長としての自覚をイリアにさせるためなんだ。そうに決まってる。

ナイス判断だぞ俺。


部屋に戻りベッドへダイブ。さすが高級ホテル(?)だけあってふかふかだ。

五つ並んでいるってのがアレだがまあ許容しよう。俺は寛大だ。


「ふぁぁぁ」


一応コートは脱いでベッドの端に置いておく。

これは夜の担当が俺に変更かな。

まあ良いか。





面白くない。

商人ギルドが占拠している部屋の前に座っているわけだが何も面白いことが起きない。

テロとか起きないだろうか。

一応十分に一度は部屋の中を覗いているけど変わった様子は無い。

これなら夜じゃなくて昼のほうが良かった。


「ゲームやりたい」


久々に思う。

これだけ暇だとすごくやりたくなってくる。


そんなことを思っていると服の裾が何者かにつかまれる。

こんなことするのはうちの部隊のメンバーだけだろうがあのメンバーの中に俺と交代してくれるような優しい奴が居るとは思えない。

となると、それ以外の誰か。


「ん? 何だ?」

「やっと一人見つけれた」


ぱあっ、といった感じに笑顔になる少女。誰だ?


「始めまして、だよな。名前は?」

「さあ? 忘れちゃった」


忘れた?

まあ良いや。こんな夜中なんだし寝不足なんだろうな。

……いや、迷子がこんなところに居るわけ無いだろ。


「お前、誰だよ」


相手の全体を見るために数歩後ろへ下がる。

……足が無い、幽霊?


「え、あ、幽霊さんですか?」

「幽霊? そうかもしれないけど」

「で、お前は俺の敵? 味方?」

「あ、と、敵じゃないと思います」

「じゃあ味方になれ」

「味方ですか。良いですよ」


ふむ、で話を進めようか。


「その幽霊さんが何のよう?」

「そういやそうでした。初めて人と会いましたよっ」

「ほぉ、それは良かったな」

「はい。わたしって霊力が低いので夜しか出てこれないんですね。まあお盆しか出てこれない人よりかはましですけど」

「人じゃないだろ。幽霊だろ」

「そうですね。まあどっちでも良いんです」


ん、気があいそうな予感。


「ここって元々は墓地だったんですよ。だからわたし達も迷惑してたんですけど、迷路みたいで良い場所ですねぇここは」

「おいおい、そこは恨んでここに来た奴を片っ端から呪っていくのが普通だろ?」

「わたし達はわたし達で楽しくやっていたんですよ。無意味にそうやって力をすり減らすのもアレですしね」

「ほお、そうなのか」

「で、今はなんか人がいっぱい集まってるみたいだから起きてる人を一番に探すゲームをしてたんですよ」

「ふぅん、それで?」

「付いてきてください」

「無理」


面白そうなんだがここを離れるわけにはいかない。

一応仕事だからな。


「なんで!」

「そりゃあ現在護衛という仕事中だからだ」

「ぬ、お兄さん仕事中でしたかご苦労様です」

「いい加減眠たいんだがな」

「寝れば良いじゃないですか」

「仕事」

「ああ、取り付いて眠気取ってあげましょうか?」

「出来るのか?」

「はい」


ひゅるりと俺の中に入ってくる幽霊少女。

すると眠気が晴れていく。


「おぉぉ、何ていうかだるい」

【それはしょうがないです】


ふむ、そうか。

しかしだるい。こんなときに誰かが襲撃してきたら―――何かどうどうと怪しい男がコチラに接近中!!


『護衛、やはり居たか』


刺客? ははっ、違うよな?

暗殺者? それも違うに決まって―――なんですかその銃は。


『死んでもらう』

「第二『風軽』ッ!!」


素早く垂直にジャンプ移動。

銃弾を避ける。扉に銃弾が突き通る。


【うわっ、なになに!?】

「ちょっと動く、眠気そのままで良いから中で静かにしてろ」

【うぅぅ、つかまるところ無いからでちゃう! 中身でるー!!】


中から出る、だろ? 中身は出すなよ?


【乗っ取らせて、お願い!】

「バカ野郎! 俺の意識が飛ぶじゃねぇか!!」


床に着地、男の後ろから魔法を放つ。比較的被害が少ないだろう風をチョイスだ。


『ふっ』


華麗に避ける暗殺者。

お前は避けるな!! 当たって中身をぶちまけろ!!


『はぁっ!!』


ズガガガガガガッ、というサブマシンガンを撃ったような―――避けれない。


「『鏡』」


避けれないから反射。

銃弾が男の元へと反射していく。


『ぬ、ぬぁぁぁぁぁ!!』


決着はついた。


【すいませんすいませんすいません、謝るのでもう動かないでー! お願いしますからぁ!】

「もう終わったぞ?」

【え? ほんと?】


さて、引き続き警備―――ってコイツどうしようかな。

まあ良いか。放置で。

支配者、チート、主人公。

これ三つ合わせても最強にならないのが海弟。

何でだろうとか考えてみて出てきた答えは海弟は面白くないことには無関心だからと言う答えに行き着いた。

物語の主人公のあるべき逆境を責任転嫁という人生の荒業で回避してるのか。

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