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第269話部隊と馬車での会話

せっかく次の章ですし新しいことでもやりたいなー、とか思ってます。

けれども進歩しないのが海弟。

「あ、影流様。おかえりなさい」


そう言うのはファン。目がハートとは言わないがラブラブ度が上がった気がする。

その他にもカッコいい貴族は居るはずなんだけどなぁ。おかしい。


「あれ? 勇者様は放浪の旅はどうしたのですか?」


勇者にも気遣いがある。まぁかつての仲間だけど敬語を使うあたりしっかりしている。

昔はどんな感じだったのか詳しくは聞いたこと無いが。


「青空様、ごくろうさまです。長い間お風呂などはどうしていましたか?」


女性ならではの問題なども先に言うファン。きっとお風呂はもう焚けているんだろう。

優しいな。


「それでは―――」

「俺は!?」


罵倒すらも無しか。いや、罵倒はいらないけど何か反応はほしい。


「あ、そうそう。海弟様宛に手紙が届いていましたよ。中身を読んでしまったので手短に省略して言いますとレティナの宰相から我が国に来てほしいとか。何か商売絡みだと思いますけど、影流様はどうしますか?」


商売絡みね。『鏡』だな。

あの転移は便利だし複製、変化などなどいろいろできるし。


「俺は……同行できないな。俺にしかできない仕事が溜まってるだろうし」

「これ以上溜まると大変ですからね。青空様だけ、というのも礼儀がなってないので今回は海弟様の隊だけで行くというのはどうでしょうか?」


私情を挟まない良い仕事っぷりだ。


「んじゃそうするかな。影流、それで良いだろ?」

「そうだな。あとで―――いや、お前の部隊はいらないな」

「自由だしな」


将軍には土地、兵が与えられるのに対して俺にはそのうちの兵だけ与えられているのと同じ状態だ。

言うならば一番将軍に近い場所に居るってわけだ。


「それじゃ行ってくるな」


城内に入り、俺の部隊専用の部屋へと向かう。

途中メイドとぶつかりそうになったりしたが何とか部屋にたどり着き扉を開ける。


「大役ご苦労様、隊長」

「ご苦労様です」

「何事も無いようでなりより」

「オレ等の部隊にもやっと休暇がでんのか? 隊長は疲れをとって休暇になるんだろ?」

「いや残念ながら違うな。レティナに今から行く」


「え?」という声が何処からかあがる。

俺の休みが無いことを気にかけてくれての声だということを信じたい。


「人選は、ヘレン、レンス、ギル、イリアと俺を含めて五人で行くぞ。その他は休み、けどこの部屋は空けておくから書類整理とか仕事残ってる奴はやっててくれていいぞ」

「それじゃあお疲れさまです」


と言って出て行くミゼル。

良いキャラになってきたな。そろそろ何か萌えアイテムを渡す時か。


「んじゃ行くぞ」


扉を開け四人を連れて歩いていく俺。


「『鏡』を使ってすぐに行けるんじゃないの?」

「相手側の準備もあるだろ? だから馬車だよ」

「……そんなの気にするなんて」

「商売ごとには慎重なんだよ、俺は」

「くく、そういうことか」


このメンバーを選んだのは時に大胆、時に慎重なメンバーだからだ。

それ以外の何者でもない。


「そういや魔族を引き連れて海弟は戦ったって聞いたよ」


そう言うのはヘレン。

魔族を引きつれ、まぁあってるな。


「そうだ。俺が先頭に立ち魔族を導き見事に敵を討ち取ったんだ」

「どうせ誰も居ないような地下で宝でも漁ってたんでしょう隊長?」


こ、こやつやるな……。


「まぁ良いや。これが戦果だ」


手鏡を四人に見せる。さっきからレンスは無言だが……まあ生きてるだろ。


「おお、こんな近くにあるのに手に取れねぇってのはアレだな」

「金ぴかだー。全部黄金だったりして?」

「たぶんあってると思うぞ。というか本当にやってたのか、見損なった」

「俺に見損なうだけの期待があったことに驚きだな」

「そういや無いですね。うっかりしてました」


そんな話をしつつ馬車に乗って城の外へ。

城下町なのでゆっくり走る。

もちろん運転はイリアだ。


「って言うか誰か馬車の運転方法覚えろよ。ヘレンとかどうだ?」

「無理、絶対無理」

「ギル」

「器用なのは苦手だ」

「レンス」

「…………」

「じゃあ俺。嫌に決まってるだろ?」


この隊の中で馬車を操れるのはカサロとイリアだけか。うん。


「というか食料を積んでないだけでこんなに早く、しかも馬車の中も広くなるなんてね」

「積んではいるぞ? 鏡の中なだけだ」


そのおかげで二日ぐらいでレティナに着きそうなんだがな。


「知ってるか? 近いうちに冒険者ギルドを改名して自治ギルドって名前になるんだとよ」

「魔族、魔物が少なくなってきたからだろ?」

「まぁな。そのおかげで魔物討伐依頼が全部こっちに来ることになってるぜ」

「うへ。たまに強いのいるからイヤなんだよなあれ」


まあ三秒以内にすべて溶かすが。


「あ、それを言うならうちの国で魔物、魔族を保護するんだぞ?」

「何考えてるんだあの王は」

「いや、今回のを機に魔族との交流も活発化したいんだとよ」

「ほぉ、それで保護ね。広めるぞ?」

「良いよ。影流が一度決めたことを変えるとは思えない」

「魔族保護となると一気に難しくなるよね」

「いままで通りのやり方じゃあ無理だよな。隊長はどうするんだよ」

「雷、氷を主体としたチームで保護、その他で自治活動を行おうと思う。使えない奴はどっちもやってもらおうかな」

「オレはどっちもか」

「わたしは自治ね」


国民を保護するんじゃなくて魔物を保護か。

うーん、反感をかいそうだな。国民に。


「影流がどうするか……」

「何とかしてくれるんじゃない?」

「そうでなきゃあの王がやるわけねぇしな」


そこで会話が途切れる。


「あ、わたし前行ってイリアさんと話してくるねー」


そう言って沈黙から素早く逃げるヘレン。


「寝るか」

「そうだな」


海弟を家に帰してやれ?

学校には行ってますし夜だけは家にも戻ってたりしますよ。


まあ、そんな疑問が読者様の心の中にあったかは微妙なところですが。

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