第267話結局大きな力持ってる奴が勝つ
本当に起承転結の無い話だな……白黒。
いや、ただの作者の技量不足ですが。
そういや妖精って人間の奴隷にされてたこともあるんだよなー、とか思いながら生き残っている敵へと剣を振る。
小さくないダメージを相手に与えると追撃を放ち倒れこむ相手を見届ける。
「しかし、魔法技術では人間の方が下のはず。何で人間の奴隷になるぐらい妖精が弱くなってるんだ?」
この島の妖精には何か秘密があるんじゃないか?
ほら、尻尾が生えててそれを握ると力が抜けたり、呪文呟くと金縛りにあったり。
「どれも一人の人物を指し示しているようにしか思えない」
七つの何かを集めると天気予報をことごとくはずれさせるほどの黒い雲が世界を覆って龍的な何かが現れて願いを叶えてくれる何かの主人公を指し示しているようにしか思えない。
って言うか具体的すぎる説明だなコレ。
「まぁ良いか。一対一ならオレでも負けることは無いしな」
二対二でも負けないけど。三対三でも負けないと思う。
「って言うか今すぐここを爆破できるほどの魔力をオレは持ってるんだけど」
でも魔王の部下も居るし……。
どうしよっかなぁ。
「やるか」
魔力を練ると同時にみんなに声を掛ける。
「何か危ないからとりあえず退避したほうが良いよー。城の外まで」
適当すぎる説明だが数人逃げ出す魔族が出てくる。
それを待っていましたとばかりにまた数人、また数人逃げ出していく。
「初陣、か。懐かしいな」
そう、初めてのオレの戦いは―――あれ思い出せない―――もう忘れたけれども。心情的に辛かったのを……ダメだ。思い出せないから語れない。
「サオ! シルア!!」
「はい?」
「何?」
「近くに居ると死ぬぞ」
「呼んでおいてそれは酷い」
「に、逃げるよ!!」
妹を抱きかかえ逃げていくシルア。素敵じゃない光景だ。
それを見ると同時に城の地下まで消し飛ぶであろう量の魔力が練り終わる。
「第二『重火』」
俺を包むように炎の爆発が起きる。
城をそれは包み込んでいき、まずは妖精の死体を燃やし、次に城の装飾を燃やし、最後に逃げ切れなかった、あるいは逃げようとしなかった魔族を燃やしていく。
そして爆発が起きる。
ボッゴォォォォォォォォォ
最後の音は聞こえなかった。
しかし城は跡形も無く消え去った跡で……。
「みんな!! 勝ったぞォッ!!」
叫び、後ろを振り向くと―――痛い視線がオレに向けられていた。
「うん、何か……ごめん」
勝ったのに何か残念な気分だった。
☆
「魔王、手を貸すぞ!!」
影流は叫びつつ足を動かす。目の前に居る住民と思わしき妖精を殴り倒すと魔王の居る場所へとまた走り出す。
「ほぉ、お前は……。クック、駒が揃ったと思ったら……伏兵まで用意されていたとはな。クッハハハハ!!」
黒い魔力を迸らせ周囲の妖精をなぎ倒す。
その間にも影流は近づいていき魔王の隣へと移動する。
「前線で戦う魔王など聞いたことが無いんだがな」
「海弟の真似事をしてみたまでだ。何のようだ」
「さっきも言ったとおり、我らも手を貸そう、と言うことだ」
魔王はニヤリと口の端を吊り上げ含み笑いを漏らすと周囲を見回す。
そして呟く。まるですべてを手に入れ快楽に浸かる子供のように。
「この対極は勝ちにしかならないと思うと久々にゾクゾクしてくる。クック我も外道ということか」
「アイツ一人で十分と言いたいところですよ、コッチは」
影流はそう言って妖精の間を縫って進み一足早く長老の家へと向かっていく。
魔王は笑いを止めると単純な思考で、影流の後を追う。
誰が一番多くの民を殺せるかではなく、どれぐらい民に迷惑を掛けず勝つか、それを影流は考え実行する。
ただそれに魔王が良い方向へ反発し競い合っているだけだ。
ただそれだけだが全体の士気は一気に跳ね上がる。
『魔族との共闘など早く終わらせるに限る。なぁ?』
『と言ってもまんざらじゃ無いんじゃろう?』
『戦っても無い奴が言っても説得力無いし、わかる?』
『しっかり戦っとるよ。みなわが国の武器を使っておる』
『言い返せないな』
『残念。コレはアイン製の武器でした』
『ならその武器を活躍させてやることじゃな』
どこからか聞こえてくる会話までもがこの争いを肯定するものばかり。
この戦いの中。魔王、人間の連合軍の気持ちは一つだろう。
政治とか、表向きの理由じゃなく、ただ一つ。
『俺に嘘付いて生きていけると思うなよ?』
ものすごく子供っぽい理由だが本心。
肉付けされた大人な理由じゃなく、子供心で正義を語った方がカッコ良さなんて無くて。ただ純粋に強く見える。
誰が殺ったかわからないが。この戦いはどの戦争よりも短い時間で終わった。
さーて、そろそろやる。
何かやる。章を変えたりそかそんなのやる。




