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第264話森を抜けスリープモード

作者もスリープモード。

俺思うんだ。

きっと世界は狂っているって。


うん、だからそう……何で俺達が囲まれているか説明してくれるかな?


「シルア、説明しろ。お前は全てを見透かす瞳を持っていたはずだ」

「変な設定付けないで」


おかしいな。昨晩(俺自室のベッドで寝たけど)、野営している時にお前が月と交信しているのを俺は見たぞ。

いや感じたんだ。お前は何かブツブツ呟きながら月に向かって話しかけてたじゃないか?


ほら思い出せ。……もしかして意識の無い状態じゃないと出来ないのか?


「よし殴る」

「どういう思考でそういう結論になったかは聞かないから殴るな!!」

「今はそんな討論をしている場合じゃないだろ……」

「……海弟のせいだ。全部」


全部ね。

オーケー、じゃあ責任転嫁します。

シルアに。


「んじゃ行くか」


剣を抜く。

中段に構えると、シルアに合図を送る。

それを見たシルアが地面へ手を翳し何かを呟くと同時に地面が崩れ始める。気の根っこが生えている土は崩れにくい。逆に言えば一つ崩れると絡まりあい全てが崩れると言う事。


シルアは適当になんとかするだろうから無視して敵殲滅へと向かう。

足場が崩れ驚いている状態への奇襲。

簡単に薙ぎ倒されていく敵軍達を見つつ俺は傾きつつある木の枝を両手で握って地面が固定するのを待つ。


……ん? 両手?


落ちていく剣。一応鉄(?)だろうから絶対落ちたら使い物にならなくなる。

これでも愛着がある剣だ。魔力垂れ流しとかしてるし。半身を切り裂かれる思いをするだろう。

ならば、と言う事で鞘を今度から武器にすることを誓う。


俺が剣との別れを悲しんでいると俺の剣を攫う一つの影が。


「落し物」

「は交番へ。じゃなくて持ち主へ持ってけ」

「こうばん?」

「とりあえずグレーな感じのイヤなヤツ等とだけ答えておこう」


俺が向こうで魔法を使うごとに魔力探知機(?)を使って現場にやってくる。

正直いちいち『鏡』を使って部屋に帰るのは疲れる。

前は学校に来たこともあったな……。校長のおかげであの時は助かった。ついでに生徒会長は警察の前で緊張しすぎだった。


「いや、それは交番じゃなくて警察か。まぁ良い残った敵の数は……」


目視できるだけでゼロ。観察眼とか持って無い俺だしシルアにそこは頼もう。


「誰も居ない。たぶんだけど」

「そうか。んじゃ行くぞ」


さすがに忍者もどきの如く木の上を飛んで走るなんて事は出来ないので地面に降りる。

手に余裕が出来たのでシルアから件を受け取り鞘に戻す。


「んで、コイツ等来たってことはもうすぐってことだよな?」

「たぶんね。けど疲れそうだ」

「自分で地面壊したんだろ?」

「……」


何だその目は。


崩れた地面をなんとか歩き、森を抜ける。


「……おぉー」

「ほぇー」


森を抜けたその先にはでかい城が。

とても短い時間で建てられたとは思えない。最低二年は掛かるであろう城。


「いつから計画してたんだ?」

「少なくとも三年以上前だろうね。設計図作るのにもだいぶ時間掛かるだろうし」


……その反逆者ってのが何を思ってたのかも気になるな。

まぁ敵だ。殺してから死後の世界でゆっくり聞こう。


「二人で攻略できるの?」

「二人で? 何を言ってるんだお前は」

「……はい?」

「まず、お前がここで野営するだろ? 俺は向こうに帰って睡眠、魔力を回復後魔王達のところへ増援を要請するんだ」

「……それで?」

「お前が死んだらそこまで。しかし魔王を呼ぶのが先立ったら勝てる」

「無理。ぜったぁぁぁい無理!!」


人間否定したら負けさ。

魔族は否定したら死亡さ。


「ってわけで、魔法石を渡す」

「……眠気は?」


……そうだな。


「寝れば眠気は取れる」

「その間に襲われるでしょうが!!」

「いや、パッと目が覚めたり」

「何処の軍人よそれ。アタシは妹とは違って情報工作担当。だから逃げる時に使う魔法が多め」


だから地形変化。

何と無く使い勝手が良いのがわかってきた。


「それじゃ。穴の中に住め」

「窒息死する」

「鰓呼吸でいけるだろ。魔族だし」

「その魔族の認識を改めなさい?」


わかった。息を長い間止められるんだろ? 三年間ぐらい。


「でも二人で攻略できるはずは無いだろ?」

「まぁ……そうだけど」

「ならコッチで行こうぜ」

「三日経てば良い案を思いつくから!!」

「その前に警備兵(?)が帰ってこないのを不審に思った敵が大勢で押しかけてくるぞ」


それに地響きの音ぐらいは聞こえてるだろう……音?


「……何か危険少女の顔が頭に浮かぶんだが」

「え? 何?」


あぁ、何かダメだ。

けど今日はもう魔力無いし……何かアイツなら常時魔法石用意してそうだなぁ。


チラリとシルアを見る。

何だか願望の眼差し? 視線? を向けられている。


「……却下だな。アイツが動くと思えない」


影流ならいけるだろうが。大量虐殺の話しを聞いたらなぁ。

何とかぼやかそうとしてもアイツなら見抜くだろうし。


……魔王だな。やっぱ。


「さて帰るか。それじゃ」

「え、えぇぇ!!」


ベッドに着地する俺。さて風呂入って寝るか。

……おかしいな。決戦前夜のはずなのに何このいつもの調子。

コレじゃあ海弟が平然と虐殺する性格みたいじゃないか。

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