表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
275/557

第260話登場と退場はカッコ良く

タイトルに他意はありません。

本編を良く読み理解すれば答えがわかるでしょう。

「見つけるって、どうやるの?」

「簡単だろ。敵に聞くんだよ」

「敵にって、反逆者に聞くの?」

「いや違う。あの若造ジジイ妖精に聞いたってとぼけるだけだ。残る敵といえば、王族側だろ?」

「……襲撃したばっかだよ? 無理だって」

「そうだな……じゃあ島に戻って二、三人妖精を拉致してくるか」

「その思考回路は危険だから!!」


森の中で静まり返っていた状態からシルアの大声が俺の耳に届きクリーンヒット。

俺は混乱した。


「よし、じゃあ土下座しよう」

「あ、頭大丈夫?」

「実は混乱中なんだ!」


グッと親指を突き出す。

シルアの鼻を潰す俺の親指。何か鼻血のような物が見えるけどそれは鼻血じゃないよね?


「……混乱中、ね。アタシにも比があると言えばあるわけよね? でも許さないわよね?」

「シルアも混乱中?」

「もちろ―――」


ん? 耳が。


おーい、何も聞こえないぞー。

高笑いしているシルア。完全に混乱―――ん? 

あれ、何で俺は笑い声が聞こえないんだ……?


聴覚が完全に機能停止中です!


混乱は解けた! しかし、お前……なんてことを。

クチパクでなにやら伝えてくるシルア。

何々?


ミ、ミ、セ、ン。


耳に手を当て俺に絶望を与えた物の正体を知る。


「……耳栓作った奴出てこいッ!! いらないだろこんなの!!」


需要があるのか?

ネタにしか使えないと思うぞ? なぁ?


「しかしこの耳栓……強力だな」

「でしょ? 魔族特製だから」


……魔族が何で耳栓を必要としてるんだよ。


「最近向こうの世界から輸入してきたみたい」

「ああ、そういやニュースでやってたような」


『魔王、耳栓に感動!!』って感じのタイトルで。

あれ? 『魔王、耳栓を愛す?!』だっけ? いや『魔王、耳栓になる』だったような気も……。


まあいいや。『まーくん、子役デビューする』コレだろ。


「それで、何だっけ? ああ、そうそう。行こうぜ敵国!」

「殺される、絶対殺されるって」

「いや大丈夫大丈夫。もう一度―――」

「女体化して化け物を押さえてくれるって?」


女体化は余計かな?


そんな眼差しを送ってやった。


「でも怨まれてるのは確実でしょ?」

「まあな。だからお前がはだ―――」

「…………」


さっきの俺と同じような眼差しが向けられてきた。


言ったら殺すよ?


……何で男は日に日に立場が弱くなっていくんだろう。


「んじゃ、作戦を説明する」

「しっかりとしたのをお願いね」

「まず、地面を掘るんだ。勿論お前がな」

「魔法は弾かれちゃわない?」

「弾かれる寸前まで魔法で掘って、後は……コレを使え」


割り箸だ。


「……コレを割って海弟の目に突き刺せば良いわけね?」

「自分の目にしてくれ。まあ頑張ってくれ」

「って、海弟は何をするの?」

「勿論、交渉(おど)してくる」


さて、ナイフに鞭に蝋燭に、三角木馬にあ、これは怪しげなクスリ!


「行くか」

「ちょっと待って。今の錠剤は何!?」

「落ち着け、コレはビタミン剤だ。ちょっと気を楽にする薬さ!」

「明らかに嘘くさい」

「さぁ、俺を信じてレッツゴー!!」


病んでる王子様かお姫様が居れば俺の仕事は簡単に終わるんだけどな。





黒機の背中に乗り疾走している俺。いや疾走しているのは黒機だけど細かいことは気にしない。


「王様ァァァァァアアア!!」


クッ、これで二十六回目。

王様は居ないのか!?

ならば。


「王子様ァァァァアアア!!」


……盛り上がりに欠けるな。

やっぱり王様じゃないと。


「王様ァァァあああ……あ?」


大きな広場。

妖精が居ないそこはすごく殺風景だ。


しかし、なにやらコチラへ向かう影がある。


「……もしや王様!?」


面倒だが黒機から降り、王様のほうへと歩いていく。

近くに来て顔を確認すると白髭を蓄えた顔に、気苦労してそうな皺の多い表情。


……ふっ、完璧だ。


「あの、王様? コレをまず飲みましょう? 元気になる薬です」

「残念ながら馴れ合いに来たわけじゃ無いんだ。それは受け取れないね」


無駄に正義を語りやがって!!

まあ王様だから許す。


「キミはこの町を破壊して、何が望みなんだ? 黒騎士まで従えて」


あ、ここでは黒騎士と呼ばれてるのか。

でも黒機のがしっかりしてるしそう呼ばせてもらおう。


「……我々を捕虜にしたいのか?」

「いや、俺はただ……そうだな。反逆者の居場所を教えて欲しいだけなんだ」

「……あやつの居場所を? おまえはあやつの部下では―――」

「無い。ありえない。って言うか勘違いして攻撃してごめん。ソイツの部下に騙されたんだ」


明日も休日だが影流には一つ伝えとかないといけないことが出来たな。

しょうがない、青空は毎日戻ってきてるようだし青空に伝えるとして。


「それで、場所は?」

「……わかった。教えよう。それでキミは我々と―――」

「あぁ、共闘する意思は無いから安心してくれ。それと褒美はいらないから」

「……ふふ、いいだろう」


王家の紋章(?)が入った地図に円を一つ書き込まれたものを俺に手渡す王様。

……騙したら王族も殺傷しよう。


その瞬間、王様の姿が消える。

いや、消えたのは俺だ。

シルアの掘った穴に入っただけだけど。


「よっしゃー、いくぞ!!」

「え? 今から?」

「勿論!」

「…………」


無言=肯定で世間では通ってるんだよ? 知ってた?


と言う訳で穴を辿り外を目指す。

目指すは虐殺&殺戮♪


登場→黒い化け物に乗って登場(海弟の中でのカッコいい)

退場→一瞬にして消える(その正体は穴に落ちるだけ)


カッコの中が無かったらまぁまぁでしたね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ