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第253話とある昼休みの外道

作者が外道じゃないと外道は書けないということがよくわかりました。


↓ 後書きへ続く。

川を越え、湖を越え、山を超え。

異世界の旅を楽しんでいる俺は現在、学校に居た。


「いやぁ、『鏡』って便利」

「……反論したいところだが、俺達も使わせてもらっているから出来ないな」

「うん、恩だよ影流」


昼放課、青空は他の女子達と弁当を食べているわけだし、俺は影流と購買の弁当。さすがにパンは飽きた。

いや、違うな。


「洋食を我慢することで、次の洋食……つまりケーキを少しでもうまく食べようという信念なのだ!!」

「海弟、座って食え」

「誰も居ないし良いだろ」


魔法の合言葉で事務員さん(女性)から影流の借りてきた鍵で屋上の扉を開けもう一度閉めれば誰も居ない空間完成。

うちの学校でも屋上ダメなんだが、その理由がメチャクチャ過ぎる。落ちるといけないから。


それを言われたのは柵を新品に変えて一年後だそうだ。

ホントふざけてる。


と言う訳で長い間使われていなかったため、柵は新品どうぜ―――


「潮風のせいで錆びてるな」

「いきなりどうした海弟。柵のことか?」


……俺、学校の言いたいこと少しわかった気がするよ。

でもさ、それなら変えなくても良いじゃん。


「んまぁ、それはそうと。向こうの世界のそっちはどう?」

「珍しいな。こっちでは向こうの世界のことを聞いてこなかったからタブーだと思ってたんだが……」

「まぁ、正直あんまり聞くのはやめたいんだけどな。ただ、現在俺が置かれている状況があまりにも酷すぎるから……」


まるでゲームの話してるみたいだが違うぞ!? 本物だ。

アレは本物の異世界、地獄だ!!


「酷すぎるか……、お前が自分で選んだんだろう?」

「だからこそ俺は俺を憎む」


ただ反省はしていない。


「それで、そっちは?」

「俺か? 俺はな、島の連携についてだ。ベレテナはドラゴンを飼いならしてるから、騎龍兵って部隊があるだろ?」

「あれ? 名前変わった?」

「王の気まぐれだ」


……権力持ってる奴が気まぐれを起こすなよ。

と言う俺も世界の支配者という身分で気まぐれを起こしまくってるわけだが……。

それはそれ、これはこれだ。


「んで、そいつ等が妖精に龍の飼いならし方を教えてるんだよ」

「対価は?」

「妖精の魔法の書、らしい」

「何だ? 知られていない魔法でも載ってるのか?」


力を決めるのは想像力(イメージ)、種類を決めるのは詠唱だからな。


「さぁな。コレはあくまでベレテナを妖精の取引だ。俺達のところからは武器や防具、料理の方法が輸出される予定だ。あとお前も話題に上がってるな。瞬間的に転移、移動できる魔法戦士が居ると」

「うへ、面倒なのはゴメンだぞ」

「わかってる。ただ俺だって使えるものは全て使うことを覚えておけよ」


……目力です。目力。


「王様も楽じゃないな」

「まぁな。そう、ゼッカスは魔法石とその加工技術を教えるらしい。今度是非とも教えてもらいたいな」

「加工技術……ね。あそこはただのアクセサリーにも魔法石を使ってるから、友好的な使い方じゃないかも知れないぞ?」

「それでもカモフラージュできるなら良いさ」


俺は鏡の中にいくつか入れてるからカモフラージュの必要性が無いけどな。


「……何か巨大な敵でも出てこないかな……」

「それに向かってるだろお前は」


まぁ、妖精軍団は巨大な敵っちゃ巨大な敵だな。

正々堂々勝負する気が無いから関係ないけど。


「そういや、人間の島を壊滅させたのって本当にお前なのか?」

「あぁ、アレ? アレは俺だよ。迷路がいつまででも続くから」

「迷路?」

「いやコッチの話」


俺は短気では無いと思う。そんな奴が策士を名乗れるとは思えないし。

……いや、俺は策士じゃないし。


そう、俺は外道騎士(アウトナイト)。騎士道精神をぶっ壊す騎士だ。


……決まった。


「それにしても、シルアは一人で進んでくれてるかな」


俺の歩く距離が短くなるし。


と言う訳でシルアに手鏡持たせて歩かせているわけだが。

非常に心配である。


「シルア? ……誰だ?」

「サオの姉。シスコン」

「……何と無く人物像はつかめた。その二つで」


さすが影流。天才だ。


「しかし、コッチとあっちの両立は辛いな」

「そうか? コッチを諦めている俺としては両立なんて簡単なんだが」

「……諦めたらそこで両立じゃないだろ」

「学校には来てるし両立だ」

「……何ていうか……形容しがたい外道、いや悪戯っ子みたいだなお前」


外道が悪戯っ子にランクダウン!?


「まぁいいや。そろそろ戻るか」

「ん、わかった。鍵は俺が返しとくから海弟は先に戻ってろ」

「あいよ」


影流と俺の、二つの弁当の空を持って俺は立ち上がる。

購買は屋上から近いしそこで捨てるのが一番だ。


さて、学校帰ったら湿布持って異世界に行くかな……。

シルアは俺の二倍ほど歩いているわけだしな。


……日常においては……ですけどね。

異世界へ行ったらロープレの如く海弟は外道と化します。

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