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第250話予測できない展開

さて、大きな冒険を始めるとしましょうか。

手始めにラスボスを倒すかな。


……上記、作者の思考。

「ン、では話し合いの続きをしよう」

「はい質問」

「……ン、話せ」

「魔王は?」

「ム、聞いてないのか? アイツは人間の島が爆発した、覚えのある気配がする、と言って出て行った」


ふむ魔王、ご苦労様。


「ン、進めるぞ。この海域での話なのだ」

「海域と言いますと、妖精、人間、ドラゴン、他にも島があるんですか?」

「ン、その通り。我ら妖精の祖国は本島にある。この島も先月、人間から奪ったもので」


とりあえず人間を消してゴメンなさいと言っておこう。


「軍隊の駐屯も無くなって攻撃され始めていたところだった」

「そこに魔族が現れた。そういう事だな?」


ベレテナ国王が言う。

軍事に関してはすごいって聞いてるな。しかし馬鹿とも聞いてるな。


「ン、その通り。それでだ。人間に荒らされた―――いや、若干我々も荒らしたがその土地の復興に―――」


さて、帰国の準備しないとな。

オレに利益がある話じゃないし、コレ以上は人間が可哀想過ぎる。あぁ、情報が少ないな中でこんなことやるんじゃなかったな。

……いや、一つだけ利益があるな。それだけもらっておこう。


「長老長老」

「ン?」

「俺が人間消したし、何か褒美ちょうだい」

「……ム、それもそう……いやしかし」

「しょうがない。この島も消すか……」

「ッ、信じるぞ。信じているとも。それではコレをもって行くが良い」

「とりあえず金と宝石以外で頼む」

「ン、欲張り。まぁ良い。コレはどうだ?」


……ここに居る全員のわかってますという視線が痛いな。


しかし俺は気にせず渡された―――おもっ!!


「な、何だよコレ」

「フ、勇者の剣」


……お、おぉし。とりあえず俺は勇者じゃないな!

ははは、ははははは!!


「いるかよこんなもん!!」


ドンガラガッシャーンパキッ


……あ、折れた。


「じゃねぇ!! って言うか勇者の剣よわッ!! 偽物だろ絶対!!」

「ム、肉鋼鉄(ニクコウテツ)で出来ているから、強度はある―――」

「勇者の剣だろ!? 空から落ちてきた鉄とかで作られてないのかよ!!」

「ン、鉄だけなら本土にあるがコレはレプリ―――本物だ」

「遅いからね」


よし本土へ渡ろう。とりあえず妖精一人脅せば良いだろ。


「影流、それじゃな」

「……いや、今更止めないが……。とりあえず暴れすぎるなよ」

「わかってる」


さて、気の弱そうないかにも苛められっ子って奴は……うん居るな。


『な、魔族は人間を襲ってだな―――って、オマエ!! さっきはよくも無視して―――』

『そうだな。無視されたあとのオマエの顔は滑稽だったな!!』

『無視されたのはオマエじゃねぇか!!』

『いや、オマエだろう』


さて、五月蠅いのをバックに俺は見つけた気の弱そうな少年を捕まえる。

よし翅があるの確認。


「本土連れてって」

「……え、あ、あの……本土?」

「そう。本土」

「その……えぇと、内乱が続いてますけど……その良いんですか?」


……内乱?

理由は?


「どうして?」

「その……念離鉄(ネンリテツ)を巡って……」

「念離?」

「念……思い、離……離す。思いを離す鉄という意味です」

「……で、どういう意味?」

「ボクには……悪魔の鉄としか良いようがありません……。あんな恐ろしい物……」


……何かトラウマ的なもの刻まれてるな。

まぁ俺には関係無いか。克服するべし。


「それじゃ本土に行こうぜ」

「な、正気ですか!!」

「長老様から様子見て来いって言われたんだよ」

「……ッ、仕方ないです」


長老様、あんた慕われてるんだな。

大丈夫、俺はコイツを意地でも守るよ。行きだけ。


「船を用意します。少し待っていてください」

「……あ、そういや……」


船……うわ、船。


「な、何か一瞬で飛べるやつ無いの?」

「無いですよそんなの……」


まぁ、本土の危険な奴等がコッチに来てもな……。

いやちょっと待て。


「軍隊が一ヶ月前までここに駐屯してたんだろ?」

「え、あ、はい。ですが人間との最終決戦の前に内乱のことがわかって……それで帰っちゃいましたけどね」


いやぁ、驚きだな。

一ヶ月であんなにでかい壁を人間は島の周りに建てるなんて。


「……さすがは人間」


いつか氷河期が来て滅びないものか。


「……あの、準備してきますね」


そう言って走り去っていく少年。


さて、ここからは俺の考えになるんだが。

とりあえず意見の一つ目に、妖精は中途半端なのがお好きらしい、ってのが入ってくるよな。

好きでやってんじゃないのはわかってるんだが色々な問題を抱えすぎている。

本土に行ってからでさえ不安だぞ。


それと、何でココらへんは海ばっかなんだよ。

あの向こうの大陸と同じようにでかいの一つで良いじゃねぇか!!

まぁ世界は広いからそんなところがあっても良いのかも知れないけどさ。


苛立ちを魔法にして熱血な二人にぶつけていると少年が走ってくる。


「は、はぁはぁ……準備できましたよ」

「んじゃ行くか」

「え、あ、はい」


村を出るとアレだけの喧騒が嘘のように静かになる。

少年が走りたそうにしていたので出来るだけスローペースで歩き、たっぷり三十分歩いて海まで着くと何だか危ない物が見える。


「……俺にとって小型船は原爆と同じぐらい凶悪な物に等しい」

「い、いえ、でもこれか無いので。三日分の食料はしっかり積めますし大丈夫ですよ」


いや、そう言うことじゃないんだよ。


俺の船酔いを話そうかと思っていると、海に波がたっているのが見える。

魔王か? 一瞬思ったが一度否定する。爆発が起こったのが一時間前ほど、ならば俺の姿を確認するまで魔王なら探すだろうからそれはありえない。

実際には俺居ないけど。


「なら、アレは何だ?」


高速でコチラに向かってくるソレ。

……ふ……ね?


俺が認識すると同時に島にぶつかる。ドッバァァァンッ!! と陸に打ち上げられる。


「……何あれ?」

「ま、魔族専用の高速船です。五時間でココから本土にいけます」


丁度良い。借りよう。

と言う訳で船の中を覗くと―――気絶している少女が居た。


「……あれ、おかしいな……」


目の辺りを擦る。

おかしい。何だかすごく見覚えのある人に見える。


「……サオ?」

「だぁかぁらぁ、アタシはサオじゃなくてシルアと言ってるでしょうがぁぁぁぁぁ!!」


超音波攻撃だと!? 俺にその耐性は無い……クッ、コイツ!!

……いや、そうじゃなくて。


「えぇと、サオじゃなくて……シルア?」

「そうそう。サオはアタシの妹」


…………。


この展開は予想できなかったな。

強いことは悪いことなのでしょうか!!

NOです。悪いことなんかじゃないのです!


でも海弟は悪い子です。ついでに妖精の長老もです。

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