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第248話二つの説明会

海弟の最強の武器が出てきます。

三つのでこぼこした丸を描くサオ。

俺はそれを見て呟く。


「下手だな」

「これは島ですよ」


……あ、丸を描こうとしてたんじゃないの?


島だという三つを見ているとサオが説明を始める。


「この一番右端、ここが皆さんの向かってもらっている島です。名前はまだありませんが……魔族と少数の妖精が住んでいる場所です。その少数の妖精に開拓されている島で、魔法自体はあります。ただ温厚な人が多いので安心してください」


ふむ、なら武器とか装備しなくても良かったな。

逃げる時用に手鏡を少し用意しとけばいいんだからな。


「そして、中央の島。ここは人間が支配している島です。偶に攻めてきたりしますね。妖精が少ないのは人間が捕まえていったからなんですね。どうやら奴隷として扱っているようです。……全く悲しいことです……」


ほぉ、奴隷ね。

ククク、奴隷ねぇ。ちょいと面白いこと思いついたぞ。

妖精に恩を簡単に売る方法だ。


「そして、一番左端の島。ここは龍族の住む島らしいです。行って帰ってきた人が居ないので一切の情報がありません」

「じゃあ何で龍が住むとわかっているんだ?」

「私たちも妖精の話を聞いて知ったので……。その妖精は捕まえに来た人間の話を聞いて知ったと言っていました」


……と言う事はその人間にはある程度の強さがあるってことか。

龍族から逃げれるだけの強さが。


……まぁ、俺は龍族の島なんて行かないし?


「それで、まず妖精の長に挨拶してほしいのです。魔族は島の中では新人ですから」


頷く王達。

……マジメな話になりそうだから俺はもう寝ようかな……。

もう腹の中なんにも無くなってスッキリだし。


俺は背を向け扉の方に向かう一歩目を踏み出す―――と、何やら同職の人達から痛い視線が。

……はい、職務を(まっと)うさせていただきますよ。


クルリと一回転し影流の脇へと戻る。


「では、日程を説明させてもらいます。まず初日には―――」


……面倒。





結局、ほとんど寝れずに朝食を迎えた俺。

勿論睡眠不足と酔いで食べられるはずも無く空腹の腹をなだめ自分のベッドへとコソコソと入る。

職務は十分全うした。だから今日は休んでヨシ。


「寝よう」

「はい、ダメ」

「うわー、母さん許してー」

「許しませんッ!! って言うかなんで私はこのノリに乗ったんだろう。まぁいいや。とりあえず起きて」

「イヤだ」


サッ、と鏡の中から掛け布団を取り出しそれに包まる。

無敵要塞の完成だ。


「燃やしますよ?」

「起きます。起きますよ。って言うか起きてマスヨ?」

「はい、コーヒーです。とりあえずアナタ……えぇと、海弟さんでしたっけ?」


サオの優しさの篭ったコーヒーを息を吹きかけて冷ましながら頷く。

それと同時に息が変な方向に向かっていったのか、吹きかけられた息でコーヒーが宙に舞う。そして、直線上に居たサオにビシャッ、と。


「……うん、少ししか掛かってないから安心して」

「アナタは天然さんでどじっ子ですか? 違いますよね? なら意図的にやったとみなして攻撃します」

「そっくりそのまま攻撃を返そう」


目も覚めてきたし、もう何か魔法使えるかわからないけど『鏡』で反射させるよ?


「ま、いいや」

「じゃあ絡んでくるなよ。俺を寝かせてくれ」

「変な言い方をするなッ!!」


顔を赤くして言うサオ。はは、何と勘違いしたんだい?


「それでだな―――」

「寝るかな」

「ちょっと待て」

「大丈夫。俺は布団が無くたって寝れる。野営経験は無いがな」

「聞いてないぞ」


目を瞑りパチンコ玉を耳に入れる。

最近わかったんだがパチンコ玉最強だぞ。

俺はまだ学生だから手に入れられる手段が限られるのがアレだが、反射角度が制限されないこのパチンコ玉はホント最強だ。


魔力詰めて投げてから内臓された魔力で魔法を打ち出せば全方向に炎を撒き散らしたり爆発させたり。

今の俺の場合は、拾った音を全て反射させて俺に無音の状態のぐっすりとした安眠を提供してくれている。


あぁ、静かになった。


さて、ぐっす寝ると―――


ん? 何だか浮遊感……。

何だ? 何が起こってるんだ!?


パチリと目を開き現状を把握する。

現在、海に落とされそうになっています。


「ッ、馬鹿かァッ!!」


パクパクと口を動かして反論しているだろうサオ。残念ながら口パクじゃあ何にもわからない。

と言う事でパチンコ玉を取って反論を聞く。


「―――だ!! 私はアナタに伝えたい事があるとさっきからさっきからさっきからさっきから言ってるじゃないか!!」

「……とりあえず座ろう」


俺は正座、サオは胡坐をかいて座る。

下半身に取り付けてある白い物が見えるが注意はしない。


「昨日は話していませんでしたが、あの島と魔王様の城が建てられている島を鏡で繋げて欲しいのです。魔王城には姉さんが鏡を取り付けに行っていますから。アナタなら一瞬で瞬間的に移動できると聞いてます」

「魔王から聞いたのか?」

「はい」

「となると魔王の命令で?」

「若干違います。妖精の長からの命令……と言うかお願いです。『魔族にこの島は明け渡すからその魔王の居た島とやらに移住させて欲しい』とのことです」

「んー、まぁあそこは人間が立ち入るような場所じゃないしな」


安全といえば安全だろうな。

一部の魔物を除いて一気に船に乗ってその今から向かう島に移住したんだから。


「でも却下」

「何故!?」

「いやいや、もっと簡単な解決方法があるからでしょうに」

「……中心部の島にいる人間を殺す……と言う手段ですか?」

「いや違うよ。”こらしめる”と言ってもらいたいね」


そっちの方が善人チックだ。


「……出来るわけ無いでしょう。あの島の人々は鎖国状態にあります。無理なのです」


……何ていうか出来るよ? 一応。


「大砲さえあれば出来る。出来るんだぞ」

「……どうやって?」


そりゃぁ、大砲に鉄で出来た玉を詰めて発射。その後、俺の鏡で魔族共を一斉転移。

暴れまわって即終了だ。


とりあえずその作戦を説明する。


「残念ながら……無理だと思いますよ」

「どうして?」

「城の周りを囲うように壁が作られているから」

「じゃあ、囮作戦か……。実に不満ありまくりだがやるかな」

「囮作戦? 何ていうか、山ほど出てきそうですね。作戦が」


基軸を作ってから細かいところを決めていくのなんて基本だろ?

少なくとも俺はそう思っている。


「それじゃ、説明するぞ」


その後、俺は二百個ぐらいの作戦をサオに説明することになった……。

……主人公の最強の武器はパチンコ玉!

そんなことあるんでしょうか? いや、あります。あっていいはずです


光でも闇でもなくパチンコ玉! いいじゃないですか。

夢もへったくれも無いですけど。


海弟の『鏡』の本質は反射する物への魔力の付属。その魔力の変質。この二つにありますからね。魔力と共に姿を変えていくのです。


さて、妖精奴隷を助ける外道的な作戦が五話ぐらい後から始まるかも知れませんよ!! (かなり曖昧)

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