第21話また家に戻るんですかい!!
いやぁ、まさかね……
「まさか、来る前のところに戻るとは思わなかったよ」
「ここに住んでたのか」
「前の報告には在りませんでしたが…」
「魔法?」
ここは、影流の国に来る前に住んでいた師匠の家だ。
まさか、帰ってくるとは思わなかった。
実は、師匠の家は大陸の真ん中辺にあり、影流の国は大陸の左上にある。
そして、今向かっているのが魔法石の神殿 (海弟命名)で、ちょうど、直線状に師匠の家がある。
ちなみに、魔法石の神殿と勝手に名づけたが、本当は名前をつけてはいけないらしい。口には出さないようにしておこう。
「んまぁ、魔法のような物だな」
俺は、あれは魔法じゃないと思う。魔物も人間も寄り付かなくなるし……。
出来るだけ使いたくないとだけ言っておこう。
「へぇ~、魔法使いっていいな~」
俺は、あれ見た瞬間に魔法使いとしての意地を失くしたね。
「そんなすごいもんじゃないって」
「俺も、すごいとおもうぞ」
「私も、あれだけの捜索隊の目を欺くだけのあの魔法使い、すごいと思いますよ」
あれは、人間業じゃねぇんだ。そして、それを覚えてしまった俺はどうなるんだ!!
自分の中で、格闘している海弟をよそに、4人は入って行く。
4人というのは勿論、影流、青空、ファン、ディティの4人だ。
海弟はやっと気づいたのか追うが、やっぱり馬車から落ちる。
とりあえず、魔法で回復させ、いつも通りに入る。
これで、馬車から落ちたのは3回目だ……。
馬車から落ち、夕飯を食べ、寝たのは夜の9時ごろ。
旅をしている時は、やることが無いので早寝になる。
そして………
『はぁ……またか…』
海弟は、溜息をつきながらも進んでいく。
今日は昨日も合計して4回目だ。
ここまで進んでくるのに2回見たので、金縛りや威圧感も普通に跳ね返せている。
そこで、初めて生き物に会った。
生き物であるが、これは……
『魔物か…』
声も無く、こっちに向かって歩いてくる。
数は分からないが、とても多い。
『グルルル』
『魔物相手には始めての魔法だな』
使うことは出来るが、魔物相手は始めての魔法。
ここでは使えないかもしれないが、試してみると少しだけ指先から炎がでた。
『使えるか…』
響くことが無いが、何かがおかしい感じの空間。
そこで、魔物に立ち向かう1人の少年。
『数が多すぎる!!』
風を横薙ぎに放ち、敵を吹き飛ばす。致命傷にはならない。
そこで、連想魔法を使う。1つ、風をイメージして吹き飛ばし、もう1つ電撃を思い浮かべる。
それを繰り返していき、1つのイメージが完成する。
『電花』
手から、電撃が飛び散り敵を一掃する。
『さすがに無理が……』
そのまま、意識が薄らいでいく…
ドゴッ
「どべぼっ!!」
「襲い!!」
「文字ちがう!!」
見ると、師匠&青空がいる。
「今のは?」
「まほ「いや、もういい」なんだ~」
師匠の魔法は魔法じゃない。
by風詠 海弟
これは、俺の子孫に長く語り継がれるだろう。
リグネ家が滅びるまで永遠に。
頭のなかで、冗談をかましている海弟をじっと見つめている残りの1人、青空は少し考え中。
『えっと~、海弟がいなかった間こんな過激なスキンシップを!!』
さて、海弟がこの後どうなるかが見ものである。
「海弟~、出発らしいぞ」
「飯は……」
この後、飯抜きで出発した海弟は餓死寸前で青空に助けられたとかなんとか…。
「お前、料理できたのか!!」
「頑張ったよ~」
2人の間にに友情がうまれた。
『友情じゃなくて、愛情は?』
残念ながら、アリマセン。
『片言……』
そんなこんなで、後1時間馬車に揺られれば着く距離にまで着いている。
そこで、何が起こるのかはわからない。
なぜなら、海弟は睡眠中だから……。
「海弟……」
「食べたら寝る」
「いや、さっき起きたばっかりだろ」
3人にも飽きられているが、まだまだ海弟は育ち盛りなのだ!!
という、海弟の言い訳も虚しく眠っている海弟は思いのほか可愛かったとか。
誰が言ったのかはわからない。(匿名希望)
「いい加減、尻が痛い」
「私も…」
「なれないとやっぱね」
ある意味海弟は、大物なのかも知れない……
ここを使って、人物紹介したいと思います。
風詠 海弟 男
この物語の主人公。
回復魔法・水系魔法・雷系魔法・風系魔法・炎系魔法・鎮静魔法(または粉砕魔法)を使います。ちなみに、粉砕魔法は白の剣があって使える物ですのであしからず。
黒色の髪と黒色の目をしていて、顔は普通。美形幼馴染2人に囲まれて育ったので、自分のことを過大評価(いい意味で)しない。
食べ物では甘い物と辛い物どっちも好き。
ちなみに、父親国会議員。母親行方不明だ。
『電花』は修行での連想魔法で手に入れた。