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第245話海の中から見る星は意外にも危険

あ、章を変えるタイミング失った……。

とりあえず、謝ってもらい。髪を少し燃やした後、俺は大人しく風呂に入り部屋に戻ってきたわけだが―――


「オイ、俺はもう食べれないぞ……」

「食べていただかなくては困ります」

「じゃあお前が食えよ」

「海弟様が食べなくては……」


……メイドさんだけならこんなテンションにはならないのだが持っている料理を無理矢理食わせようと言う無駄な仕事人魂を見せ俺が現在生死の境を彷徨い中だ。

クッ、俺はもう食べられ無いんだ!!


「寝る! 俺は寝るぞ!!」

「それは困りまし―――」


ここが海でよかった。証拠隠滅が簡単だからね。

と言う訳で海の藻屑と化す食事。う、潮風がキツい……吐く。


「っ、と言う訳で帰ってくれ。何ならここで土下座をしよう」

「い、いえ、さすがに困ります。それは……」


……と言いながら部屋の外へと去っていくメイドさん。

さて、俺は寝るか。

ベッドの中に侵入し身を沈める。


少し楽になったが完全ではない。

……寝よう。


目を瞑る。


あぁ、段々眠く―――ならねぇ。


「そうだ。ここに鏡を置いて……と」


向こうの世界に繋げて向こうの世界で眠れば……よしオーケーだ。

コレで向こうの―――いや、待て。魔力がうまく練れないぞオイ。


「ちょ、ダメだ。酔いで魔法が使えない……」


集中できないぞォッ!!


トイレを目指しもう一度立ち上がる。

そしてふと気づく。


「……海の中へ飛び込めば酔いは醒めるんじゃないか?」


お、オシ。やるぞ!

準備体操をしっかり―――いや、もう無理だ。


中途半端に準備体操を終わらせ海へとダイブする。


「らアアァァァァァァァッッ!!」


ドッボォォォン!! と言う凄まじい音とともに落ちる俺。

一気に酔いが醒めたが……アレだな。溺れるぞ。


船の起こす波に(さら)われ流される俺。


「ッ、まだこっちのが集中できるッ!! 水よ!」


水を操り俺の体を押すように―――いや、待て!! 体がプレスされる!

う、ウゴゴゴゴゴォォォォッ!!?


津波と俺の魔法の二つにプレスされる俺。

かなりの激痛だ。


「ぶ、ゴハッ!!」


ほ、骨がァッ!! 折れるぞ、折れる折れる折れる折れる折れる折れる折れる折れる折れる―――


「オぉぉぉぉぉレぇぇぇぇぇぇぇぇルぅぅぅぅぅぅぅぅぅウウウぁぁぁぁぁぁあ!!」


体に強化を急いで掛けて俺の水の魔法を解く。

そして新たに鏡を取り出すと―――


「吸い込めェェェェッ!!」


何処かの世界へと流れていく海水。

ハハハハハッ!! 海など……水など無くなればいいのだよッ!!


「ッッ!! 俺まで巻き込む気かァッ!!」


って言うか俺は一人で何をやってるんだろう。

何か俺が行動(アクション)を起こすと想定外(イレギュラー)が起こるんだよな。

海水を吸い込ませるのをやめ、波の流れに身を任せる。


あぁ、何か酔ってて馬鹿になってたみたいだ。

船に置いてかれちゃったよ。


「いや、しかし。鏡がベッドの上に置いてあるからいつでも帰還は可能だ!!」


と言う訳で、今はこの状況を楽しもうじゃないか!!

海の中で俺が一人漂っているこの状況。はは、傍から見たら絶体絶命だが俺はすぐに脱出できる術を持っているのだよ!!


「船がなければ海って好きなんだけどなぁ」


俺の言葉に反応するように光る天に輝く星。

そしてその星に俺も言葉を返すように言う。


「まぁ、空飛ぶのにも慣れてないから気持ち悪くなるんだけどね」


どっちも慣れの問題だよな。うんうん。


……なんて事を思っていると、空に瞬く星がもう一度光る。

異世界……何てロマンチックな―――


キランと光ったその星は……一直線に空を翔ける。



俺に向かって。



「ぬ、あ、えぇ!?」


軽いパニック状態な俺は面白いように弾かれ水面に飛び上がる。


「ッ、第三『風星』」


空気を制御。気圧であの星を押し戻そうと考えたが、酔いのときよりは集中できるが、万全ではない。

そんなこと出来ないのでもう一度考え直す。

重力も味方に付け落ちて来る星。


「……ダメだ……回避……不能……」


もしも、支配権限が自分自身に使えたのなら避けれただろう。

しかし残念な事に、俺は世界に対する支配権限は持っているものの俺に対する支配権限など持っては居ない。

いや、持っていたとしてもあの星の落下は想定外(イレギュラー)


俺は目を瞑る。転移は出来るがもう時間は無い。


俺の顔面にかなり固い感触が触れる、あぁコレで俺も終わりか……そう思うと無性に腹立たしくなる。

最後ぐらい抗おうと目をもう一度開けると目の前には何も無かった。いや、一人の人物が空を待っている。それは俺の顔面へと落下する。


……顔面?


悲痛な音とともに俺の顔面へと固そうな靴で突っ込む人物。


「ッ、ウゥゥッ!?」

「五月蠅いな。ここは足場が無いんだ」


……意味わかんないし。って言うか俺は足場じゃねぇ!!


「退けって」

「イヤだ。ここでお前から降りたら濡れる」

「いいや。俺は気にしない」

「女の子に濡れろだと? 何だキサマ。ホモか? それともSなのか?」

「いいから、降りろ」

「命の恩人にその口の聞き方は関心しないな」


……命の恩人?

いや、後から気づいたんだが、俺は何度でも生き返れるんだ。この世界でなら。

なら死んだって別に問題ないことに気づく。つまり、コイツは命の恩人でも何でもないわけで。


「降りろッ!!」

「う、な、何を―――」


バッシャーン、と落ちる自称女の子。

クハハハハ、良い様だ。


「ま、魔族海軍の少尉である私に何と言う無礼をッ!!」

「魔族海軍? ははは、何だそりゃ」

「魔族の指揮系統の名前、守備地区を象った軍名の二つの意味がある」


……嘘を付いているようには思えないが、あえて信じないことにしよう。

とりあえず、根拠は無いんだしな。


「な、な、俺をあの船まで送ってくれないか?」

「ッ、私よりお前は年下だろう? なら、敬語を使え、敬語を」


……あ、ご都合主義とかでそういうのは無いんじゃないの?

え? キサマは私のプレイドを傷つけた?

知らないって。


そんなやり取りをしていると、突然剣を抜く魔族少尉。

残念ながら俺にはその行動の意図はわからない。って言うか、何をしてるのかね君は。


「魔獣か。魔王様の力の浸透も近いが、まだ従わない者が……」


……言っている意味はわからないけど、とりあえず敵ね?


「……がんばれ。俺は帰る」


と言う訳でポケットの中から手鏡を―――ん?


布地のざらざらとした感触だけが手に残る。


「ッ、落としたのか!? アレ全部!!」


……クソッ、帰れねぇ!!

そして、隣のニヤニヤしてるヤツをぶっ飛ばしてぇ!!


しょうがない。ここでその魔獣とやらと戦おうと言うことで唯一無事の背負った剣を―――

ダメだ。寝るところだったから剣を置いてきた!


「魔法しかねぇよな。炎よ!」


水面へと炎を灯す。ここら一帯が明るくなる。


「いくぞ、って言うか俺は補助だ。お前が行け」

「ッ、それを言うなら―――」

「仮にも騎士の癖に丸腰の奴を前衛として使うのか!!」

「い、いや……」


前衛って言っても海の中だし、それに俺だって騎士なんだけどね?

女の子前に出そうとしてるけどね? でも、それは全て生きるためなんだよ。わかってくれ生贄ちゃん一号。


少女との絡みは基本中の基本です。

それと、異世界の住民とタメ口で話してる主人公に違和感。

と言う訳で少女の登場です。


(あまりにも酷すぎる登場理由とか言わないで)

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