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第243話アディオス!!

んー、ファンタジー要素がこの頃切れてきた……。

魔王に世界を強襲させようかな。

三人で集まって話し合った結果、魔物が犯人と言う事で決まった。

って言うか人間が犯人だったら俺クラスだろうと……いや、言い方が悪かったな。怪物だと言うことだ。

……オイ、ふざけてるのかな?


「とりあえず魔法が使える奴が残ってて助かった。カサロのほうは前衛頼む。俺は休むから」


勿論、後ろからジューネが光を照らすと言う役割だ。

って言うか無音で人を攫うという技が出来るのか? 出来ないだろうが、と言う話だ。

なのでカサロを特攻させ罠の有無を確かめた後、ジューネに魔法的なことを調べさせるという念の入れた調べだ。

ただ、面倒なのでさっきの穴のところまでは安全と言う事で素通り。時間は大切にしなきゃね♪


はい、と言う訳でジューネに穴を調べさせるとやはりと言うべきか魔物の気配がするらしい。

俺が探ろうとすると俺の魔力の方が強くなってうまく探査が出来ない……らしい。ジューネに教えてもらった。

……始めて知ったぞ。今までどうして探査が出来ないのかようやくわかったわけだが、俺は協力できないとあってやはり休むしかない。


と言う訳で二人に頑張ってもらおうか。


「この穴を進んだ方が近いと思われますが……」


カサロの言葉はまぁ普通ならそれが近いだろう。

ただそれが面白いか面白くないかと言う話だ。つまり、面白そうじゃないので却下。


「……仲間が捕らえられていると言うのに……何て人だ……」


ん? ジューネが何か言ってるが聞こえないな。


穴を無視し進んでいくと一体の魔物が現れる。炎に身を包まれた魔物だ。

この世界の魔物には名前が無い……と言うのが当たり前なので言いようが無いがとりあえず炎のスライムと名付けよう。

その炎のスライムはスライムの名に相応しい雑魚さでカサロの剣で一度斬られるだけで消滅―――じゃない、分裂した!?


溶けて消えそうだったスライムは分裂し再度遅いかかる。……さて、カサロにここは任せて俺達は進むかな。


「カサロ! ここは任せたぞ!」

「了解―――いや、ここは―――」


助けないぜ。


二人で炎のスライムと戦っているカサロの脇を走りぬけスライムも二体しか居ないので楽々通り抜け奥へと向かう。

アディオスカサロ。


もはや探査も無しで走っていると、何やら鎧が動く時に起こる小さな鉄の擦れる音が聞こえてくる。

前方を見ると甲冑を着てヒョロリとした魔物が迫ってくる。面倒なので骸骨と名付ける事にしよう。

ソイツは俺のほうへと剣を振りかぶり振り下ろした。残念ながらその時にはもう俺は骸骨の後ろへと走り抜けていた。

アディオス骸骨。


鈍い動きで追おうとしている骸骨だが残念。俺のスピードには追いつけないぜ!


「も、もうダメ……」

「え?」


倒れるジューネ。

……助けないぜ!


アディオスジューネ。


俺は二人の仲間の犠牲に悲しみつつ、仇を取る為奥の魔物の巣窟へと急ぐ。

途中に出てきた複数の魔物を華麗に避け走り去るのを繰り返しているうちに一番奥らしきところへとたどり着く。


「ッ、穴ばっかだな」


奥への道……ではなさそうな小さな穴ばかりが空いている広い場所。それがここだ。

複数の種類の魔物が居て、倉庫に元々あったであろう食料を食い荒らしている。


「炎と水は使用禁止だな」


となると残るは風と雷か。


食料を燃やしたり濡らしたりするのを出来るだけ避けるためにその二つを選ぶと右手に風を、左手に雷を出現させる。

俺の魔力からすれば痛くも無い程度だが、その魔力に気づいたらしい何匹かの魔物が穴の中から姿を現す。


その何匹かのうちの一匹に風と雷の両方の魔法を使って消滅させると、俺はポケットの中から鏡を一枚取り出す。

……小麦粉か。コレは違うな。

もう一枚取り出す。

……砂糖か。コレは違うな。

更にもう一枚取り出す。

……タマゴ……。


「えぇい!! この剣一つで戦ってやろう!」


目的の槍が出なかったので背中から剣を抜く。

鏡の中には複数の鉄の槍が入ってたから雷を利用して焼き殺そうかと思ったが……お菓子の材料ばっか入れる俺が悪いんだな、うん。


「らぁぁぁぁああ!」


横薙ぎに剣を振る、と同時に骸骨がバラバラになる。

次に相手にするのは炎のスライム。コイツは分裂するので鏡の中に閉じ込めて終了。後で訓練時に使おう。


更に迫ってくる魔物達を剣一本で相手にするが、やはり魔法の補助無しでは勝てないので一度戦線を離脱。

無理な戦いをしない主義の俺は剣を一度収めると冷静に敵を見る。


……雑魚が集まっても雑魚……。

いや嘘だろ。意味のわからない言葉に意味は無い……ってのと同じぐらいの言葉だぞ?

それはお前が雑魚って呼ぶ範囲が広いだけの話だろうがよ。


まぁ、そんなわけで多いと倒すのに面倒な魔物さん達。

今回の任務内容を確認してみようか。


任務名『魔物討伐』


はい、ここ注目。別にここは味方を討伐しちゃいけないなんてかかれてないよね? うん。


任務内容。


倉庫内部を魔物の群れが占拠して住民が困っている。

魔物の討伐を要請する。


……と言う訳で、倉庫はどうなってもいいわけだ。当然中身も。

どうしてそれに気づかなかったんだろうな。あぁ、そうか。部隊で任務をこなすのが久しぶりだったからか。


「と言う訳で完全燃焼しましょうか」


『風星』の応用で空気中に魔力を満たす……と、部隊の皆さんが戦っているのが感じられたのでとりあえずそこだけは魔力を混ぜずにしておく。

……あ、無理だ。そこまでの応用は利かないや。


向こうは向こうで自分の魔力で自分の身を守ってもらう事にしよう。

拡散された魔力を使って空気に魔力が染み渡るのを確認すると、魔力を炎へと変える。

ボシュッ!! と言うなんか俺の耳に新感覚の音が届き目の前が炎へと変わる。

それも一瞬のことで、燃えるのが終わると空気中に漂う俺の魔力は消えている。

勿論魔物さんも生き物なので呼吸をする。つまり肺の中まで黒焦げと言うことだ。

あの炎のスライムはどうかわからないが……あ、蒸発してる。


「おぉーい。大丈夫かー?」


誰も居なくなって血の臭い漂う空間で叫ぶ。

魔力での探索に『風星』を使うしかない俺だが、アレは魔力をすごい使うのでイヤだ。


叫んでからキョロキョロと見回すと一つの穴から生気の無い若者達を発見する。

……それでも騎士かキサマ等!!

と言う訳で、無駄なところで『風軽』を使いその穴のところまで向かうとその若者の目の前に立つ。


「た、隊長……アナタは馬鹿か!!」

「訓練不足だなイリア君よ」

「隊長が化け物なだけです!!」


……今回に関してはノーコメントでお願いしよう。


「……ここまでやったらぁ、国の魔法部隊を連れてきて地の魔法で強度あげねぇともうこの倉庫は使えねぇんじゃねぇか?」

「……案ずるな、イリアが直してくれる」

「な、何年掛かると思っているのですか! 無理に決まっているでしょう!」

「えぇと、ギル君。コレは副隊長の責任と言う事で」

「へへへっ、了解」


……よし、後の奴等は買収するかな。


「副隊長ガンバレ!!」

「無理です! 死にます! 魔力尽き果てた魔法使いほど早く部隊から切り捨てられると言うのを知らないのですか!」

「知らんな。俺はそんなの気にしないし」


まぁ、魔力の無い魔法使いほど弱い奴は居ないが、魔力があるときと無い時で態度をコロコロと変えるのも面倒だし。


「まぁ、頑張れ」


……後でファンでも連れてくるかな。影流という餌を使って。


……しょうがない。

何か面白そうな話題を見つけてきますかな。


思いつかなかったら魔王を強襲させますか。

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