第238話天使ってやっぱり
仲間を見捨てる外道なや~つさー。
そうソイツの名前はー、ふ・う・え・い・海弟だッ!!
雲って食べられるの?
ははっ、無理に決まってるだろう?
……ちょい、爺さん起きろ。
「んぁ? なんじゃぁ?」
……殴ってやろうか……。
って言うか、何か翼の生えた変人……もとい、天使さん達に囲まれてますよオイ。
考えなしに転移とかするから。
「お前に言われたくないわい」
「知るか。何だこの変た―――天使は!!」
「変態って言いそうに―――いや、コレは変態……」
服って文化が異様過ぎるぜ!! と言う感じになっております。
何でも着ればいいってもんじゃないのよ天使さん。
「爺さん、納得してくれたようで何よりだ。そして、あの天使さん達、怒ってるように見えるのは気のせいか?」
「お前が変態変態言っとったからじゃろう」
「いや、ここに転移したのが悪い」
「そんなの設定できてないから仕方が無いじゃろう」
「ふざけんな! 何か変なところに飛んでたらどうすんだよ! って言うか、ここも十分変なところだ!」
「な、ここは見た感じ……上界じゃろう!」
……変態ばっかだな……上界。
いや、認めてはいけないッ!!
「こんな変人、変態の世界が上界? アホかッ!!」
「いや、変人、変態なのは認めるが、上界なのは譲れんッ!!」
……譲ってくれよオヤッさん。
そんな会話をしていると、超高速で飛んでくる光の弾。弾丸のような鋭さを持っているそれは、俺の足元へ。
地面に触れたその弾丸は摩擦か何かわからないがすごい突風を生み出し俺の体を吹き飛ばす。
「ッ、当たってないはずだぞ!?」
……あぁ、もう爺さんの事はいいや。
剣を抜き、中段に構える。
「……魔力を使ってるかわからないけど、使える……はず!!」
頼むぜ現代科学ッ!!
ビュオンッ!! と、俺の背後が何やら爆発する。
え? え?
……四方八方、全部囲まれてたら対処できないぞ!!
それに気づき、剣の構えを解く。
「魔法があれば楽なんだがなッ!」
もう、機械とか人間とか、神様とか天使とか、関係無い。
後々の問題とかいいから生き延びたいッ!!
振りそそぐ銃弾を避けつつ、影を探す……が見つけたって逃げれねぇじゃねぇか!!
小手調べ……にも及ばない遊びなんだろうな、変態共にとっては……。
良いだろう。外道騎士である俺の本気を見せてやろうじゃないかッ!!
降り注ぐ光。それに向かって手に持った剣を投げる。
互いに打ち消しあう……かと思いきや思いっきり俺の剣が力負けしている。が、それでいい。
剣は力負けし、二つに圧し折れる。
剣から溢れる魔力。俺は杖を取り出し翳す。
次の瞬間、協力な魔力に中てられた杖は、起動術式無しに起動する。
魔力が消えるまで、十秒ぐらいか……だが、それで十分。
ホワイトアウトしている目を瞑りそこまで考えると、薄れつつ見えてきた変態共に魔力で出来た銃弾を打ち込んでいく。
現在『魔力=空間』とイコールで繋げる世界に変わっている。つまり、魔力を弾丸にした瞬間、こいつ等は消える。
打ち出される弾丸、空間と肌が擦れるのがわかる。
二度目のホワイトアウトが終わると、さっきまであった雲の道はもはや消滅。俺の今立っている場所だってすぐに崩れそうだ。
……あぁ、大切な武器その一が失われてしまった……。
爺さんの事は知らないとして、それは大きい。
魔力が無けりゃこの銃も使えないし。
……まぁ、この事を隠していけば俺はこんな協力な技を使える奴として危険視……されないか。
神って強いんだろ? なら、挑戦されたら勝てないし。
「……帰りたいなぁ……」
まぁ、無理だろうけど……。
あのコーヒーカップごと消し飛ばしたし。
そんな感じに呆れていると、足元が揺れる。
「っとと、どっか移動しないとな」
周りを見渡すと雲の道が直り始めているのが見えた。耐久度的に不安だが行くか……。
と言う訳で、杖を持って走る。とりあえず、打撃の武器として使えそうだからな。
「ほぉ、でかいな」
神殿のような、でかい建物が見え呟いてみる。
大きさで言えばマンションぐらいか……。
まぁ、普通にでかいってぐらいだ。
「ここには天使は居ないんだな」
さっきのが全員か?
だとしたら、ラッキーなんだけどな。残念ながら今日の占いは最下位だ。
神殿の門は常に開け放たれていられるらしく、俺はそのまま門をくぐり内部へ入る。
……変態さんの件はどうしようか……いや、神だし事情知ってると思うし……いや、その事情知ってる神があの天使を送り込んだのかも知れないんだよな。
あぁ、雲って食べられるんだろうか……。
……もうそれはいいから、とりあえず進む事にしよう。
進んでいくと二つの階段が見える。無駄に豪華なシャンデリアのある大広間みたいなところだ。
……さっきマンションぐらいって言ったがもっと奥行きがありそうだな……。
そんなことを思いつつ、左側の階段を上っていく。
カチャンッ♪
「ん?」
足元を見る。
ドゴンッゴガァァァァァッ!!
「ん?」
上を見上げる。
……岩だ。転がる岩だ。
「……逃げろォォォォオオオオ!!」
下へ向かって走る。勿論……というか、罠なので避けられない仕組みになっており、ギリギリ押しつぶされそうだ。
「ラァァァァァッ!!」
階段から水平ジャァァァンプ。
階段の一番下の段で顔面着地。転がる岩のほうはと言うと階段の踊り場のようなところで跳びはね俺の頭上をジャンプ。
そして目の前を転がって外へ向かっていく岩。
「……左は危ない。右を行こう」
と、普通ならなるんだろうが、罠ってのは使い捨てだ。それを想定されて作られているだろうから、もう一度左へ行く。
安全な階段を通り大きな廊下にでる。
「……お、この剣……」
甲冑が飾られていたので剣を拝借していく。盗むんじゃない、借りるんだ。
返すのはいつかわからないけど。
人を斬るための剣じゃないので強度に不安なので二本拝借していく。
さて、神が何処に居るかはわからないが、交渉と行こうか。
……いきなり爺さんがどっかに行った……、帰ってくる日は来るのだろうか……。
きっと、三日もすれば忘れられるんだろうな。
……と言う訳で、上界へ乗り込みました海弟です。
暴れるのを期待しててください。……暴れないけどね。