第233話『市販のロイヤルミルクティー=無駄に高い粉ミルク、だと思ってるのは俺だけか?』by海弟
サブタイ長い。しかし、コレは作者の本心でもあり海弟の気になるところでもあります。
ついでなので、爺さんの居る研究所に突っ込んだ。
何のついでかって? レファミを燃やすついで。
「ブッ! お、お前、思考から実行までの時間が短くなってないか?」
扉を開けて、研究室に入るとラーメン食べてる爺さんがいた。
って言うか一言めがそれかよ。
「ねーねー、何かおれを強化するようなプログラムないの?」
「……無いが」
「おれがここで右手を挙げたらこの研究所は丸焦げに―――」
「わかった、わかったから」
渋々と言った感じで、小さな機械を取り出す。
メリケンサックのように両手に取り付けるような機械だ。
「……なにそれ?」
「脳から出される微弱な電気信号をキャッチし、体の動きをサポートするという優れものじゃ」
……オイ、剣と一緒に使えるやつ出せよ。
「……無言で威圧するな、こっちは老人じゃ」
感情は伝えられるから良いだろうが。
「……じゃあ……コッチ?」
「ほぅ、そっちは?」
「興味があることは聞くのか……。まぁ、いい。これはさっきのと仕組みは大体一緒じゃが、規模が違う」
うん、確かに。それじゃ持ち運びできないからね。
そうだね、死んでよ。
「凶器を振り回すなッ!!」
ガクンッ、と俺の体が倒れこむ。
……ん?
「何だ今の……」
「顔面から地面に突っ込んでそれだけで済ませられるお前はすごい奴じゃ」
「え、あぁ、そうだな。うん」
しかし、今の……使えるな。
思考が少し消えた感覚があるが、使える。
「それちょうだい」
「馬鹿、誰が渡すか」
……それもそうだな、俺にそれを渡したら爺さんの自衛手段が無くなりそうだからな。
「じゃあ、それに似たやつ作って」
「……お前が求めているのは予測不明さか?」
うん、そんな感じだな。
「声に出せ、声に。それなら、コレでいいじゃろ」
手渡されるのは両手で持つような……オイ、さっきの聞いてたか?
いや、見てたか?
そして読んだか?
「……片手で使えるように改造しよう。跳弾を入れれば、戦術は広がるぞ」
「連射機能が落ちるだろ」
「そこら辺は、アレじゃ。科学の進歩」
……胡散臭いなオイ。
まぁ、それはこの爺さんに頼むとして。
もっと重要な任務を言い渡そう。
「……他人から見ると少女相手に独り言してるじーさんにしか見えんじゃろうな……ワシ」
その通りだ。
「で、任務とやら―――」
「この町にあるスイーツ店を全て記載し、書類としておれに提出するべしッ!!」
いやぁ、バイトの一件で少なからず店があることはわかったし、やっぱり甘い物は網羅しておかないと。
「……まぁ、やる気が上がるのはいいことじゃな。お前、有名になる有名になる、って言ってもちっともやる気ださんし。まぁ、名前だけならこの町中に広がってるがな……」
「え? 何で?」
……友達になろーぜ、としか町に言いふらしてないんだが……。
いや、心当たりがそれしか無いんだが……。
「科学の発展じゃ」
「……インターネッツか?」
「インターネッツって……、まぁそんなとこじゃ」
まさか、インターネッツを介して名前を……ん? 名前?
「個人情報! 訴えれば勝てる!」
「どうせ、偽名じゃろ。それがバレるだけ」
……何で偽名使ったんだ俺。そうか、海弟じゃ男っぽい名前だからか。
母さん、何でこんな名前付けたんだよ。
「海ちゃんは馬鹿じゃのぅ」
「殺す」
「ここで暴れると世界が一個消えるぞ?」
……クッ、影流達か……、消すわけにはいかないよな。
「まぁ、その二つ頼んだ」
「何故じゃろ、絶対的にお前のほうがワシより偉くないはずなのに、家来のように動いてしまう」
……才能?
「イヤな才能じゃな」
いや、俺はまだまだ外道だから大丈夫。
さて晩飯と言う名の晩飯があるから帰るかな。
「結局は同じ……、ってもう帰ったか」
しかし、聞こえてはおりますよ軍曹殿。いや、閣下。
と言うわけで、舞子お姉さん(弱味に漬け込まれお姉さんと呼ばせられている)の車的な何かで桜奈の家に向かう。
「何の話してたの?」
「サイエンス」
「話す気は無いってことね。まぁ、あの後……だからね」
ごめんなさい、全く違う話をしてました。
武器とか甘い物とか、そんな話してました。本当に勘違いさせちゃってゴメンなさい。
……面白いからこの誤解は解かないけど。
それから、偶に俺が道を言ったりしてナビしつつ桜奈の家に着く。
ほとんど無言だったな。意味の無い。
「お、おかえりなさいっ。えぇと、今日はカレーです」
……ここだけの話、桜奈はカレーとインスタントラーメンとケーキしか作れなかったり……ン? 最後のおかしい?
誰だ、甘い物を侮辱する奴は!
え? そこじゃない?
ごほんっ、まぁいいだろう落ち着け。
えー、何々?
神は人を平等に救うが、元々が不平等だから、全員救ったらまた不平等になるだろう?
誰だ、こんな事を言った奴は。人を救うのはやはり甘い物だろ。果物で言う異端児スイカだろ!
え? スイカは果物じゃない?
俺的分類は果物だから果物なんだよ。
以上、車内での俺の妄想。今更だとか言わせない。
食事も終わり(舞子は断って帰ってった)、テレビを見つつボーッとしていると、風呂が沸いたようで、一緒に入らないか? と、桜奈が提案してくるので、俺は反射的に短い返事を……を、してしまった。
「あ、やった。一緒に入りましょうっ」
「え、あ、おぉぉぉぉ」
拒否する間もなく、風呂へレッツゴーしてしまった俺と桜奈。
……え? 男女の特権?
そうだな、俺の強くなった精神を見せてやる。
服を脱ぎ、体を適当に洗って風呂へ入る。よし、ここまで脳内で完璧だ。
そして、風呂への一歩め。
「あ、あの洗いっこ……しませんか?」
はい、予測不可能な爆弾が来ました。
コレはどう避けるべきか……。
「う、あ、今日はおれはその……アレなんだよ。だから、アレがこうなってアレで、そうなるかも知れないんだ。だから、やめておこう」
何がどうなるか分からない説明だが、何か小学校の保健体育は進んでいるらしく頷く桜奈。
こんな未来を誰が望んだ!
体を適当に洗い、浴槽へ。クッ、さすがは我がライバル。
俺へ甘い物以上の快楽を与えようと必死だな。しかし、甘いぞ。
何処が甘いって、アレだ。俺はぬるま湯を好む。
……それだけの理由だが?
「気持ちいいですね……」
「……んー、くくっ」
背伸びする、すると桜奈の視線が一点に集中されたような……いや、勿論俺は何処を見ているかなんてわからないよ?
腹部よりちょっと上のほうってぐらいにしかわからないよ?
「……おっきい……」
コレが、修学旅行の女子の会話か。覚えておこう。
って言うか小学生と……俺は学生じゃないが……とりあえず大人だぞ?
アレの大きさ違うのは当たり前だろうが。
「あ、あの、何を食べたら―――」
「甘い物だ」
「え、あ、そうですか」
……桜奈が甘い物を作る=俺が甘い物にありつける。
こんな方程式が素敵です。
この町のこと(科学とか複雑じゃない話)を話したりして、楽しくお風呂に入っていると電話が鳴っているのが聞こえる。
俺は、もう洗った後だしとりあえずバスタオル一枚を体に巻いて電話のところまで向かう。
「はい、もしもし?」
『出来たぞ』
「送るよろしい」
『……人の苦労を嘲笑うタイプじゃな』
「俺は苦しくてその先にある楽しさより、楽しくてそれが継続する楽しさが一番好きなんだ」
『まぁ、継続するための努力も……いや、お前はもっと苦労すべきだと―――』
「んじゃ」
お前は俺の親か?
いや、親と呼べなくも無いが……。今度、お父さんって呼んで見よう。
そう決め、廊下に乱雑に置かれているクローゼット(邪魔)から取り出して着る。
……あ、下着忘れた。そして、もう一度脱ぐ。
……女の生活は慣れないな……。
はい、サブタイと関係ない内容きたー。
と思っているアナタ。
はい、その通りです。




