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第227話とある方程式&お約束

笑ってくれたら嬉しいです。

さてさて、俺は風詠海ちゃんになったこと―――。


ちょっと吐き気が……。女になったって再認識させられたよ……。


ん、ゴホンッ。俺は風詠海、ん? ここでちゃんを付けなければよかったんじゃないか?


いや、閑話休題。


俺は風詠―――


もう、この始まりいいや。やめとこ。




えぇ、ただいま俺は白熱した論議を何故か眺めています。


「だからッ、女とはだな―――」

「言わせなーい。だってやっぱり―――」

「言わせろッ!! と言うか、その口調の癖に割り込むなッ!!」


……始まりは俺の一言でした。


『普通の女の子ってどんなのだと思う?』


はい、この一言です。

少しでも参考になればいいかと思って聞いたんだが……この二人は俺が思っているより変人らしい。

何故か普通の女の子の論戦が始まった。


「も、もういいから。お、おーい、誰か止めて」


ここだ。正義の味方はこの争いを止めるべきだ。大怪獣なんてやっつけなくていいからこっちを助けてくれ。

大怪獣の一匹ごとき、良い指揮官と団結力さえあれば倒せるから。


と言う事で、現れろ正義の味方―――


はい、現れないね。現実、都合の良いものじゃないね……ホントに。


もはや俺も傍観者となっているわけだが―――ん? 俺……『も』?

誰だ。オイ、誰が見ているんだ。


周りを見回すと、赤を基調とした服を着ている男が見えた。

……誰?


俺が気づくと、近づいてくる男。

遠くからじゃわからなかったが、ピアスとか穴開けて、かなりチャラチャラしているように見える。

こういう奴ホントに居るんだね。俺の感想は、蟹ミソで脳ミソ補っとけって感じだな。


『ねぇ、キミた―――』

「五月蠅いッ!!!」

「あ、それ同感」


と言うわけで、二人して殴る乙女達。


……え?

この人の登場コレで終わり?


……可哀想に。


「さて、ゴミが増えたから片付けないとな」

「あー、いいですねー。私も手伝いますよー」

「そうか、じゃあコレ」


そう言って、渡される釘バ―――


「飛んでけー」

「あー、釘バ―――」

「はい、口閉じろー」

「何をす―――」

「この二人の何処が乙女なんだ!?」


と言うわけで、天高く舞い上がる釘バット。別に釘バットは禁句ではありません。

その釘バットはと言うと、空中……およそ十メートルくらいのところで止まり重力に従い落ちる。


そして、その先は―――アヒルさんボート。


バゴギリッ!!


「逃亡開始ー」

「この三角地帯邪魔ー」

「飛び越えりゃいいだろうが!!」


と言うわけで、一足先に逃げる舞子。見捨てられたー!


ようやく、二人で三角地帯を逃げ出し逃走。そして、音に気づいて出てきた店主さん俺達を見つけ激怒。

何この逃走劇ッ!!


「うわぁぁぁ、キツいー。苦しー。でも楽しー」


ハッハッハ、二十歳になるまで悪戯OKなのが俺の主義なんだよ。と言うわけで、お前も免許皆伝―――


目の前にあるのは、公園の出口。そこを佐奈は……直進して進みやがりました。

つまり、目の前道路。車が走ってきます。


「あ」


気づいたのか、間抜けな声を出す佐奈。

俺も何とかしようと思うが、距離がある。俺との位置は反対方向なのだ。


急いで舞子を探すが、見つからない。となると、最後に頼れるのは―――


「店主さーん、お願いします。助けてー」

『え? あ? おう、任せろ!!』


……ん? 何?

何でコイツが出てくるんだ? とか思ってるの? って言うか俺は誰に話しかけてるの?

まぁ、いいや。


使えるものは全て使うってここまで徹底してやらないと言っちゃいけない言葉なんだよ。

そう、それが怒っている最中のおじさんでも……。


おじさんは、手のひらに氷を生み出し地面へと投げる。

氷は拡大し坂道となる。その下に居る佐奈は、無事……らしい。


そして、氷の坂へと突っ込む車。しかし、チェーンも填めていないタイヤだ、上れずに勢いが削がれ滑り落ちる。


「おじさん、ナイスッ!! ありがとうっ!」

『え? あ、いや、おう!!』


……そして、さようなら……。


「逃亡開始ー!!」

「あ、無理ー。腰が―――」


……その後、俺と佐奈はおじさんにこっ酷く叱られましたとさ。

はは、何だよ。俺ばっかり不幸じゃないか。


『もういいから。反省したでしょ?』

「勿論ですっ♪」


勿論、反省してません。

今度復讐しようと考えております。


『ん、じゃあ帰っていいから』


……普通なら、ここで住所と電話番号聞いて親とかに連絡するんだろうけど……、ここの奴等は親が居ないからな。

それに、このおじさんの説教も、普通より短いような……うーん優しさってやつ?


いや、労わり……か?

それとも甘さ?


うーん、ここに住む奴等は独特の感性を持ってるんだな。

俺は一応、普通の親が一名居るから(他一名は普通じゃ無いものとする)な……。

でも、授業参観のときとか……悲しかったような気がするな。


もう忘れたけど。


「ハッ、つまりおじさん=優しさ=好青年の方程式!?」

「そこは優男でしょー」

「それもそうだな」


久しぶりに見る夕日が赤かった……。





「……あいつ何やっとるんじゃろうか……」


とある老人の呟きだった……。


それが引きつった笑いじゃない事を祈ります。


って言うか、おっさんが……。

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