第19話到着と来た理由
ハードルを地面に着けて~。
ふぅ、馬車に揺られてもう3日。
そろそろ着いてもいいころだ。
いや、途中に魔物に襲われたり、崖に落ちたり、近くの盗賊の基地に急襲などしたが、時間通りならもう着くはずだ。
ちなみに、俺の隣には金貨まみれの師匠がいる。もちろん、盗賊から奪った物だ。
「ディティさん、見えてきましたよ」
「あはは~、ん?」
商人が、金貨で遊んでいたディティに言う。ディティいわく、盗賊より、私に使われた方が金貨も喜ぶ!!らしい。
だが、盗賊としては偶々基地を見つけられて偶々襲われたのだ。迷惑極まりない。
で、倒した後に打倒依頼を受けてその場で依頼人から報酬をもらうなどのこともやってしまうディティもディティだった。
経験からして、海弟と商人は関わらないが、商人は報酬の一部貰ってしまったので同罪だ。
「見えた?」
「はい」
海弟も見ると、まだ小さな集落的なところがあった。
たぶんそこだろう。
「ちっちゃ」
「それ、言ったら終わりでしょうが」
影流、フォローはしといたぞ。
まだ見ぬ影流にとりあえず心の中で言っておく。
「それにしても、警備が厳しいね~」
「ここは、全ての国から兵が送られてきてるんです」
「新しい兵もいるらしいですけど」
「それで、あの兵の数ってことね」
「「は?」」
見ると、こっちにたくさんの人が詰め寄ってくる。
俺的には盗賊の件だと思うが、騎士まで出てこなくていいでしょ普通。
冷静に分析する俺だが、商人さんは焦りまくって、馬を走らせる。
「ちょ、はや!!」
「頭打ったよ!!」
「軍隊相手に勝てますか!!」
「勝てます」
言っちゃったよこの人。
俺もこの人なら勝てると思いますが…。
「でも、いくら強い魔法使いでも最強魔法使いファンがここにいる限り勝てませんって」
「嗚呼、無気力の魔法使いか」
「は?無気力の魔法使い?」
「あのこの二つ名とでもいいますか」
偶然、からかいがいのある情報をゲットした俺はファンに会ったときに言ってみよ。と誓う。誰にかはわからない。
「さて、逃げるのやめにしません?」
「捕まりますよ!!」
「捕まるような悪いことしてませんって」
「私は捕まるから!!」
つまるところ、この商人さんは捕まるような悪いことをしてたってことだね。
それに、この国は罰則が厳しい=捕まったら死刑。的な構図になるとかなんとか。
「影流に頼んでやりますよ」
「は?」
そのその気の緩みで、3人とも馬車から投げ出される。が、海弟とディティは風の魔法で着地。商人は顔から着地。
「お前ら!!」
隊長的な人が言う。
「こんにちわ」
俺は挨拶をする。
「ふざけるなっ!!」
隊長キレる。
「いや、お昼過ぎはこんにちわでしょ」
俺、反論。誰かつこっんでくれ。
「そうだな」
隊長納得。俺のこれまでの苦労が……そんなにないけど…。
「さて、我々について来い。王妃様がお呼びだ」
王妃といったら青空かな?
「ちょっと待ったぁああ~~」
ここで、師匠登場。いや、さっきからいたけど。
「なんだ貴様!!」
「見ての通り通りすがりのエルフです」
いろいろな疑問があるが、俺はあえてスルー。俺達の不利になるようなことはしない。
「ナニッ!!エルフ……」
隊長は、師匠の体をみる。後で3発ほど殴られるだろう。
「我が弟子が捕まるのはいいとして……」
よかねぇよ!!いや、ここで叫ぶのはよそう。たぶん黒焦げになる。
「私も連れてけ!!」
「ちっが~う!!」
おっと、つい突っ込んでしまったが炎は避けれたぞ。
「っち、避けられたか」
そんなこともありましたが、今いるのは豪華な部屋です。
いきなり飛んで失礼しましたね。でもホントに部隊の面々の動きが速過ぎてついていけないんですよね。
「さて、何でこの国きたんですか?」
俺は、そのせいでここにいる。
隣の商人は巻き込まれている。
「決まっているじゃないか」
「何がです?」
「ここだけにある、日本食とか言うのが食べたかったからに決まってるだろ」
「じゃあ、食べたら帰ってください」
正直、今日あまり食べてない理由がわかった気がします。
金の強奪もわかった気がします。
許すから帰ってほしいです。
「無理」
俺は、これからどうしよう。
さて、問題です。
俺は、これからどうすればいいでしょう。
① ここで、暮らす。(望み薄
② 師匠をおいて旅に出る(それがいい
③ 自殺(これは出来る限りやりたくない
④ 意地でも影流に会って、この豪華な城でのんびり過ごす(いいと思うが、俺的には帰りたいです
⑤ 元の世界に帰る(今すぐには無理です
さて、捕まった(豪華な部屋にいるが)俺たちはどうすればいいんだ?
今回、ちょっとテキトーすぎましたかね?
気にしない、気にしない。