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第215話完結した姿vs全異世界革命組織(仮)

……いやぁ、やりすぎた。


作者の自分でもそう思う。

さて、協力とは言ったが、これからやるのは独走だ。

俺は外道だからなぁ。皆が走った分だけ俺が楽になるんだ。いやぁ、頑張ってくれた。うん、良い働きっぷりだったよ。


……んまぁ、今回は俺もキツかったが……。


「……報酬と仕事の割が合わないィィィィィイイイ!!」

「ま、マヤさん、怒るな。朝っぱらからそんな大声だすと近所迷惑だ!」

「オレッチは、んな都合知らないッ!! こうなったら、海弟の秘密を暴露してやる!!」


さて、コイツの脳内から俺の秘密とやらを削除しますか。


「え? あれ?」

「よっしゃー、これやるからこの世界を観光してこーい」

「え? わーい、ありがとー!!」


……フッ、世界の支配者とはこういうものさ……。


「さて、本拠地もわかったし……」


この、大酒飲みを連れて攻め込みますか。


「うひぃー、はぁ」

「うわ、酒クサッ!!」


……師匠、置いてこうかな……。

いや、勝率を上げるために連れて行こう。


「んと、影流ん()にも寄ってって、青空は……置いてくか」


母さんも連れてきたいけど、旅行中なんだよな……。

何て自由な親だ。そして、兄さん。ガンバッ♪


「はい、ししょー。行くぞ」

「どこぉぇぇえぇ?」

「吐くなッ!!」


うわ、きたねぇ……。

床に吐きやがった……。

今拭くか……、帰ってきてから拭くか……。


「アハハッ、俺は何も見てないよ♪」


よっしゃー、影流の家まで走るぜーー!!






「うぷっ、酔っ払いの腕を掴んで走るって何よ!!」

「飲むな」

「向こうの世界の常識的に考えて、こっちで酒飲むのいいでしょうが!!」


……ん? いいのか?

まぁ、そんな事どうでも良い。師匠が飲んだ酒は全て汗へと変わったからな。


俺はインターホンを押して、影流の名前を連呼する(大声)。


「ふぁぁぁ、近所迷惑だぞ」

「遅い。遅すぎるッ!! 俺に叫ばせるな!!」

「いや、叫んだのはお前の判断だろうが」


それもそうだな。うん、そうだ。


ここで、使って良い時間なんて限られてる。そう、一分だ。

という訳で、早速行くか。


「はい、これ」

「ん? 何だ?」


……師匠、影流に何を飲ませ―――酒!?

あんた、まだ持ってたのか!! しかも、人肌に暖められて生ぬるそうだし!!


「お、おへっ」

「おい、影流が何か変な声をあげて地面にひれ伏したぞ!!」

「ん、大丈夫よ。死にはしないわ」


俺の死ぬ確率が上がったよぉぉぉぉおおお!

バーカ。バーカ。ババァ!!


……何か、目つきが鋭くなったような……。

とりあえず、影流を背負って行くか。


「『林我』」


えっと、確か場所は廃工場の地下だっけか?

政府側の人間が手伝ってるなら、工事を装って自由に出入りが出来るからな。


「師匠、どっちだっけ?」

「えっと……酒飲んだら忘れたわ」


使えね。


「はぁ……」


マヤからもらった紙をポケットから取り出す。

南か。海に近い工場……、まぁそうだろうな。下水道は海へと流れていくし。


「よし、行くぞ」

「はいはい」


ここで、師匠を殴ったらまた戦力が減る……我慢だ海弟。





「ラッシャァァィ!!」

「何その、元気の良いラーメン屋の店主みたいな掛け声! って言うか、その掛け声で人造人間を五体ぐらい倒した!?」


現在、見張りと交戦中。流れ弾が危険です。


「ししょー、早く倒して!」

「馬鹿、コイツ等普通の人間の何倍も強いのよ!」


……普通の人間の数百倍も強い奴が何を言うか。


師匠は「海弟死ね!」とか「海弟殺す!」とか言いながら……って言うか、本人居る場所でそう言うこと言わないで!!

そして、人造人間をその掛け声で倒さないで!!


「終わった……かしら?」

「さぁ?」


俺も、感知できないし。

上書きって卑怯だよなぁ。まぁ、対抗策を練った俺が言うのもアレだが……。


……でも、アレ使いたくねぇな……。あ、アレだ……、対抗策を使ったらもう俺は人間じゃないぞ?

我ながら意味不明だな……。まぁ、そんなところなので、出来るだけ使いたくありません。なので、戦いたくありません。

影流ー、目を覚ましてー。


「それじゃ、師匠罠の有無を確認してきてください」

「あんたが行きなさいよ」

「俺は触れた瞬間に死ぬから」

「……はぁ」


何その溜息! 酷い!!


やる気の無い足取りで歩いていく師匠。

俺は後ろからそれを見守る。


ガシャガシャガシャーンッ!!


罠が発動した、檻が落ちてくる。

師匠の攻撃、檻を炎で溶かす。

俺の内心、この人ヤベー。


この一連の動作(?)をしながら、どんどん先へと進んでいく師匠。

俺も影流を背負いつつ進んでいく。地下らしい、入り口があり、そこから師匠は中へ入っていく。

師匠が入ったとたん、閉まり始めたので俺も急いで中に入る。


すると、周りの壁が白く現代的な物に変わる。そして、目の前には……大量の銃器を持った人造人間さん達が居る。


勿論、逃げ場は無い。師匠は……俺の後ろに隠れて親指をグッとしている。

もうこの人を師匠と呼ぶまい……。


「盾になれと?」

「よくわかったわ。ご褒美に私の盾にしてあげる」

「俺は一発当たったら爆発しますよ? いいんですか?」

「近寄るな! 爆発するな!」


……薄情者……。

まぁいい。もう敵の本拠地内だろうから、俺もアレを使ってやろう。


……気乗りしないが……。

うん、メチャクチャ気乗りしない。


正直、ヤダ。


でも、撃たれて死ぬのはもっとヤダ。

影流を師匠に預かってもらい、防御魔法をかけて守ってもらう。


……まぁ、防御魔法なんて使ったって限界がある限りいつかは蜂の巣になるんだろうけどな。


「はぁ……。極力……、力を……、現す」


世界。それは俺が自由に動かせる物。

誰にも、渡すものか。こんな面白い玩具。


「我が体は、世界。我が魂は、悪。生まれながらにして、世の理を破壊する者」


世界とこの体を、同義にする。

つまり、俺の体が現すのは世界。……これ、俺の体を変化させるってことね。もはや、魔王しかやらない最終形態ってのを見せてやる。


体が縮んでいくのがわかる。

今の世界は、狭すぎる。


「無駄を省け。いや、無駄を(かて)としろ。膨張しろッ!!」


体が一気に、人間らしい物へと変わる。

それは、男にも女にも見えて、存在するだけで完結した存在。誰からの命令も受け付けない。


「そう。誰からの命令も受け付けないんだ。上書きの命令文さえも、消し飛ばす……」


世界をインターネットと考えればいい。

電気信号が流れる空間に、全てを寄せ付けない生命体が居たとしたら。

それは、世界を食い尽くす。


(うつ)すのは世界、宿(やど)すは自身……ってか? クハハ、わかるか? お前らが俺を消せる無駄が無くなったんだよ」


全ては確率の問題。

無駄が一つ、遊び心が一つでもあれば、確率はグンッと跳ね上がる。

その無駄を省けば、確率はグンッと下がるわけだ。


「俺と世界は同義。だからこそ、世界に自我が生まれる」


俺が世界に与えるのは知識、世界が俺に与えるのは権利。


そう、生命として完結する権利だ。


「神だって、通過点に過ぎない。今は、神も、支配者も越えて、世界そのものだ。クハハッ、世界は完結していたんだよォ!!」


人造人間が銃弾を放つ。それは、俺の皮膚に触れた途端に、砕け散る。


「俺は、世界と言う意味そのものを完結させたんだ。提出された作品はもう上書きなんてできねぇぞ?」


背中の剣を引き抜く。世界の意思だ。我を乗っ取ろうとする者よ、死ね。滅びろ!


爆発が起こる。

それは、建物を傷つけないし、人間を巻き込まない。

ただ、世界の支配者を敵に回したヤツだけを滅ぼす。


「上書き能力は俺が受け継ごうか」


この状態なら、触れても平気だしな。

俺は剣を鞘に戻して、人造人間の方を見る。残骸すら残さない。酷い殺し方だったな。


「んじゃ、元に戻そうか」


提出者から、提出作品を奪い取れば、完了と。


「……何かさ、さっきの姿……」

「んーと、アレが世界の完結した姿って事だけわかってればいいだろ?」

「……まぁ、聞かないどこうかしらね。それよりも、何でこんなの隠してたのよ」

「この姿になると、何て言うか……自覚が無くなるんだよ」


人間って自覚、生物って自覚……ほんの些細な自覚すら忘れてしまう。

空が青いのも、雲が白いのも、忘れそうになる。


「そういや、影流は?」

「…………」


何で、静かに目を逸らすんだ……。

って言うか、影流を何処にやった! さっきは腕の中に居ただろ?


「投げた」

「投げた!?」


……影流を捜索しようか。

……アハハ、収拾がつかなくなっちった♪



……と言うのは嘘で、前半戦終了です。ん? 何? もう終わってるだろ?


……海弟の卑怯な戦法をまだ見てないじゃないですか!!

アレは、修行の成果に過ぎません。それを踏まえ、外道な策を……ふふふ。


ん? じゃあ、敵は何処に居るのかって?


そうですねー……何でしょうね。何かです。


それじゃ、影流を探すの手伝いに行くかな。

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