第213話『ん? 攻城? 違う違う、工場破壊だ』by海弟
最近、海弟のやる気無さの歯止めが利かない……。
しかも、今回は他人に解決を……。
まぁ、今回は地味に伏線入れてますし……、それに気づいた人は居るかな?
真夜中トランプ……キツい……。
あ、……マヤさん招集ー!!
「……あのさ、後は帰るだけだった―――」
「あーあーあー、キコエナーイ。キコエナーイ」
キコエナーイ。
「とりあえず、依頼……と言うより、お願いだ」
「オレッチに? いきなり……なに?」
「それがな―――」
いろんなところを省いて説明する。
「と言うわけだ、地下工場から運ばれていく人造人間の行方を追ってくれ」
「……王様に任せるんじゃなかったの?」
「そう、俺が今からやるのは人員確保だ。その人員にちょっとした頼みをしているだけだろ?」
「ちょっとした、ね。オレッチに出来る範囲のことはやってみるよ」
そう言って、外へ出て行くマヤ。
……さて、次は―――
「情報屋ですか?」
「人造人間Aこと……いや、他に呼び名が無いな」
「ワタシですか? ワタシの名は、『情報0192』です。識別番号ですが……」
「……それで、人造人間A子さんは―――」
「殺しますよ?」
……ダメらしい。
「あんたでいいや。で、あんたにも頼みたい事がある」
真夜中トランプの仲だし。
「……許容しよう。何だ?」
「おぉ、さすが。頼みってのは―――」
ただの、工場破壊ですよ?
「……人造人間が製造されている場所ッ!? 何故、それを早く言わない!!」
「いやぁ、俺もぉ、さっき知ったばかり?」
実は、前から知ってましたけど。
「破壊する?」
「……上の許可が―――」
「俺が許可する。なので、逝って来い!!」
「お前の許可なんてもらっても意味はな―――」
「無くてもOK!! じゃあ、行こうぜッ!!」
「い、行くって何処―――」
あーあーあー、キコエナーイ!!!
☆
「ここを、真っ直ぐだな。俺はちょいと、やる事があるのであんた一人でGOして逝って来い!!」
「ここまでいい加減なヤツは始めて会った……」
何を言うか!! 真夜中トランプの仲じゃないか!!
「なんだ、その意外そうな顔は……」
「フッ、堅苦しい(表側だけ)ヤツがいっぱい居るところで働いてるんだもんな。わかる。わかるぞ」
「何だかわからないが、同情してくれているのか? ワタシの何処に同情したかはわからないが、感謝しよう」
……何処に同情してるかわかったら殺されそうだな。
「よし、って訳で、逝って来い」
そう言って、剣を渡す。
「……いや、戦闘用に作られていないので扱えないのだが……」
……誤算だったぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!
「す、少しでも戦闘能力は無いのか? なぁ?」
俺の中の予想ではアルんだ! ここで、無けりゃ人造人間の製造が止まらない!!
「……中学生ぐらいの力ならあるが……」
「それは、男子? 女子?」
「女子」
……フッ、終わったぜ。
「まさか、だな……。しょうがない……」
影流を呼ぶか。
『……ッ、誰だ!』
あ、見つかった!!
「政府、GO!!」
「ワタシに戦闘能力は無いと―――」
俺、民間人だぜイェイ!!
「う、裏切り者ぉ!!」
ハッ、しょせん真夜中トランプの仲とはその程度なんだよ!!
『一人逃走しました。援軍を―――』
水の中へGO!!
「汚ッ!!」
滞空時間、三秒。
バッシャーン!!
「な、何て罠だ。水を濁して潜れないように―――」
上を向くと……そこには、生物兵器の皆様が。
『連行する』
だから、俺は笑顔で―――
「無理♪」
と言うわけで、天井へ向かって水を放つ。
天井を破壊し、生物兵器を押しつぶす。
「あ、俺はどうしよ―――」
潜るしかないね。
息を吸い、水中へ潜る。
「第二『流亜』」
腕の動きと足の動きの力の方向を後ろに変えて……と。
コレで俺は足と手をバタバタさせているだけで前に進めると言うわけだ。
溺れた人のようにバタバタ足と手を動かす。
水に波紋は一切立てず、ベルトコンベヤに乗っているみたいにスーと横へ動き出す。
それが、ビュンッへと、変わるのは一瞬だった。
「のぼがっ!?」
水飲んじゃったじゃん!!
そして、何処かへぶつかる。
「のぐぉぉ!?」
そのまま仰け反って陸に顔を出す。
「見捨てたな?」
「あ、あらぁ? 見捨てたって誰のことで―――」
鬼の形相でした♪
「ここにも伏兵が!」
「違うッ!!」
バシィィンと、頬を叩かれる。
……戦闘能力あるじゃん……。
「し、しまった……。叩くだけで落ちるとは……」
「落ちてないわッ!!」
ドッバァァと水飛沫を上げて陸に上がる。
「まぁ、この件は不問にするとして―――」
「それはワタシの台詞ではないのか?」
「まぁ、頑張れ」
「……ん? 何故、応援されたのだ?」
今のは応援じゃないよ。
はぐらかしただけなんだいっ♪
って訳で、本題に移ろう。
「何か、証拠になる物とか持ってきた?」
「あの状態で……、まぁ無い事はないが。ワタシの中でお前はまだ一般人だからな」
「悪友の悪ノリで見せてくれよー。なぁ、見せてくれよー」
真夜中トランプの仲から、悪友にレベル……アップ(?)。
「……まぁ、いいだろう。理解できない文章ばかりだからな」
文章? と、思ったが口には出さない。
「これ、何処で手に入れた?」
「工場内」
……コイツの身軽さはヤバイです。
「騒ぎに乗じて入ったのだ、それはもう―――」
俺の耳、シャットダウーン。ッてわけで、解読に勤しもうか。
んー、何々?
『神、殺します』
もう、いいや。
これ、破いて捨てよ。
「いや、待て。文章と言ってたな」
まだ続いている可能性が……。
『人造人間を作り、神の―――』
うわー、すごーい。『神、殺します』の詳しい説明が書かれてるー。
「はい、ポーイ」
ピチャという音と共に水面に付くと、そのまま流れていく。
「なぁッ!!」
「まぁ、頑張れ」
さて、マヤさんの方の収穫に期待するかなー。
とりあえず、『神、殺します』は自分も省きすぎだと思います。
そして、海弟の気持ちがすごくわかります。
そして、マヤさんはどんな情報を入手したのか楽しみでございます。(ございます!?
んでは、伏線を次回……は、無理か。次の次ぐらいで回収しようかね。
(※:作者が忘れている場合もあります。ご注意ください)