第212話めんどくさい下準備 『放棄』
その1をやっといて、放棄する作者。
影があれば光があると言うが、光も影も無かったら、残るのは闇だろう?
理屈じゃないし、理論でもない。
「よし、大体無駄を削るの終わりっと。これで、勝てるな」
逃げるのだってバッチリだ!!
「次は―――」
何にしようか……。
『何で、俺のパスポートがそこに!』
『行くのよ! そう、海外へッ!!』
『な、今から!?』
ご愁傷様です兄さん。
おみあげよろしくね。
「さて、俺はあまり今回の事に関われないし、寝るかな」
と言うわけで、脳を休ませようっ♪
☆もダメだが、♪もダメだな……。
☆
「う、何だぁ?」
頭が何か重いような……。
見ると、銃が突きつけられてました。
「馬鹿な!?」
「喋らないで。と言うか、動いたら殺しますよ」
人造人間っぽいな。でも、銃が触れてるのに死んでない。
OK、政府側か?
マテ、OKじゃない。何で、政府側の人造人間が俺を襲っているのですかァ?
「おっと、ノリでやってしまいました」
……ノリらしいです。
ってことで、今のは冗談と捕らえていいんですね?
「ここらで、不法な人造人間の製造が行われています。その場所を知りませんか?」
……お前こそ、不法侵入だよ。
……あ、人造人間に人権無いし、当てはまらないのか。
いや、人権が無い事自体が罪なんじゃないか?
「知らない……と言う事でいいんですね? 政府関係者を回っているんですが……、一向に当たりが出る気配がありません」
……まぁ、人造人間の設計図は政府側の研究部しか持ってない―――ん?
「主犯は、政府なのか?」
……ちょい、待ち。
この子の登場で俺の怒りゲージが物凄く上がりましたよ。
いや、この子に怒っている訳ではなくて。
「主犯? いえ、政府側がそんな不法な事を……、あなたやはり何か知ってますね? まだ回る場所があるのですが、知っている事があるなら教えてください」
教える前に、俺の中で整理させてもらおうか。
全異世界革命組織(笑)の主犯は、政府側の人間。
何か、世界の非科学の部分まで知っていて、それでいて科学の中で権力のある人物。
そして、世界の支配者の座を狙って、世界破壊兵器を持ち出す。
影流達が対応に当たっているが、全く成果無し。
……つまり、そうとう人殺しに手馴れている人物だ。
こりゃぁ、相当の大物だな。
「議員とか、全員殺してこよう」
「その前にあなたをワタシが殺しますよ」
「チッ、その方が手っ取り早いのに」
「そのような外道な策は認められません」
……俺が認めます!
「まぁ、俺一人の力なんてたいしたこと無いんだけどね。んで、名前も知らない人造人間Aさんや、俺に情報を聞きたいと」
「……知っているのですか?」
「主犯は知らないけど、情報は掴んでるよ。と、その前にベッドから降りようね」
何で、人造人間(女)とベッドの上で二人きりなんだよ。
「性的興奮を感じますか?」
「機械油のにおいで俺は興奮しないぞ?」
「し、失礼な」
……今のは、製作者側の趣味だな。このリアクションを、政府が求めたとは思えない。
「まぁ、俺も適当なとこまでたどり着けたので、情報ぐらい与えてやる」
「その前に……、あなたも容疑者の一員となっていることをお忘れなく」
「……手荒な真似はヤメテね」
嫌味ったらしく言ったつもりだが、相手は気にしてない様子。
こういう相手イヤだなぁ。
「まず、犯人が政府側、それも多きな権力を持っていて、道路工事とかに精通している人物……と言う事はわかるな?」
いや、最後のわからんだろうが。
「……道路工事?」
「HAHAHA、そこら辺は自分で考える事だZE!!」
無理な話だがなァ!!
「次に、非科学に興味を持っている、または変人」
後者の性格のほうが俺は好きだ。
阿呆を相手に罵倒するのが大好きだッ!!
「オカルト? 魔法を使える者という事ですか?」
「あぁ、違う違う。全然違う」
まだ異世界が発見されてない昔にも戦争あったみたいだし、魔法が使えるとか使えないとか関係無いと思うぞ。
「で、最後に裏の世界に精通している人物、だ」
最後のはほとんどだな。
「……あなた、何者です? 議員の息子と言うだけではないでしょう」
「その鋭さが死を招く事もあるぞ。以後気をつけろ」
脅すような口調で言ったがあまり関係ないだろう。
まぁ、いいがな。
「ん? そう言えば、母さんと兄さんは―――」
俺の部屋の小さなテーブルの上。
そこに、小さな紙切れが置いてある。
そこには『旅行に行って来るッ!!』と書かれていた。
「……馬鹿なッ!!」
今は……三時!! ん? 外真っ暗!!
えっと、寝たのは……五時?
「いつ、出て行ったんだ!!」
兄さん夜ご飯作ってってくれたかな……。
「何を騒いでいるのです? 近所迷惑ですよ。それと、窓が開けっ放しだったので閉めさせてもらいました」
……コイツ、窓から入りやがったな……。
「それじゃあ、俺の都合も考えて起こさないでくれよ」
「こちらの都合が優先されています」
俺の中では下の下だ。
「ん? 下の下って何か―――(下の下)」
何だろう……心が温まってきた。
「(下▽下) これでどうです?」
「ナイスだ!! 素敵過ぎるぜ!!」
初心者にしては上出来だ。
「さて、気分がよくなったところで、寝るかな」
晩御飯作るの面倒……。
「では、ワタシはコレで」
「出来れば玄関から帰って欲しいな」
「鍵が開けっ放しになりますが……」
「あぁ、大丈夫」
魔法使って閉めるから。
「……それでは」
「はいよ、おやすみー」
……寝れないぞコレ!!
昼寝しすぎて寝れないぞコレ!!
「待てぃッ!!」
「ん? 何ですか?」
「トランプしよーぜ」
朝まで。
「……馬鹿ですか? ワタシは忙しいんです」
「はい、はい、それは百回以上聞いたから」
「まだ、二回―――」
「知るか☆」
って訳で、人類vs兵器! の第三戦争(第一『生物兵器の反乱』 第二『異世界大戦争』)が始まったのだった……。
うわー、機械vs人類(神?)の戦いが始まったー(棒読み)。
意外なとこでの第三戦!!
ってな訳で、海弟と人造人間Aは真夜中トランプへ直行です!!