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第211話めんどくさい下準備 その1

……最後のほう、やってしまった……。

新しい魔法を開発する。

……意外に難しいんだなコレが。


「無駄な部分を省いていかないと前の襲撃みたいに不意打ち見たいな事をしないといけなくなるからな……」


何度も不意打ちはできないものなのだよ。


「忍者の分身の術のような感じの……」


考えてくれ。忍者は戦闘のプロじゃない。

(おも)に間諜みたいな事をするのが忍者だ。なら、分身の術に意味はあるのか?

戦闘を主にしない忍者には必要ない技だろう。だから、コレは人々の妄想だ。

こういう俺の思考の中に潜む無駄を省いていく作業をしないといけない。


「面倒過ぎる作業だ」


……んまぁ、こういうのが出来るヤツこそが魔法使いになるべきなんだろうけどな。


「こんなにマジメになる海弟さんは年に三回あるか無いかですよ」


さて、まずは魔法の基礎からあまり外れない範囲の身体強化でも作るかな。


「主に強くするのは脚部、それ以外を弱体化して」


『流亜』を応用して、体内の力の入れ方と力の働き方を変化させると……。


「……筋肉痛になりそうな魔法だな……」


まぁ、大体魔法はこんなもんだが……。

一般感覚から俺がずれているから、遠距離砲撃のような魔法は一瞬の思考が面倒なんだよな。正確性を取るなら俺のほうがいいと思うんだが……何度も撃ち合う個人戦闘の最中だとどうも邪魔だ。


「おぉ、海弟がマジメになんかやってるわ。邪魔しましょう」

「風よ」


部屋に入ってくる前に扉を閉める。

バシンッという音がしたから顔にでもぶつかったかな……。


「イツツ……女の顔に傷を付けるとはどういう会見よ」

「意図的なミスだ」

「態とってことね」


当たり前だろう。って言うか、さっきまで無駄を全部忘れただろうが!!


「ん~、何か落ち込んでるようだけどどーしたのかなぁ?」

「死して償ってくれれば俺は何も言わない」

「意味がわからないけど……まぁ、手伝える事ある?」


……コレが……感動……。


「ある。出てってくれ」

「冷たいわね。黙りなさい」


……うん、俺がこの部屋から出て行くよ。


「身体強化……これは、適当な修行で鍛えりゃいいか」


面倒だが確かな方法だな。


「はい、次。……魔力爆発ってのをやってみたいな……」


家の中じゃ無理だけど。

『重火』もそうだけど、魔法で爆発系は『扱いやすい攻撃力の高い魔法』だ。


「極めりゃ最強って魔法だな……」


単調な攻撃こそが、真の最強だったりするんだよ。


「……外国行きたぁい~」


この母親、どうにかして。

って言うか、俺に旅行雑誌を見せてくるな!!


「チッ、海兄んとこ行ってくるか」


……嵐のように過ぎ去っていく母親よ。もう来ないでと祈るばかりだ。


「まずは、魔力量……連想で出来るだけ無駄を省いて……」


攻撃力だけに特化させる。

……核爆弾並みの威力になったんだが……。いや、比較しちゃいけないな。

それこそ無駄な情報だ。


『海外旅行行くかぁッ!!』

『うわっ、何だ! ちょ、その縄はなん―――』


……ご愁傷様です兄さん。


「さて、唯一の安全地帯(?)の異世界にでも行くか」





ふっ、俺には安全地帯なんて無かったぜ……。


「隊長ッ!! 何故、私達を置いて先陣へ―――」

「違うぜ!! アレは後退なんだぜッ!!」

「ふざけてると斬りますよ!!」


イリアさん怖くなってるZE!!


「ヘレンバリアーッ!!」

「うわぁっ!! ちょ、な、あぶっ!!」

「おぉっと、すまない」

「剣を振り回すなぁぁーー!!」


……賑やかじゃのぉ。


「寝よ」

「部隊が出来た時より神経が図太くなってるな隊長」


……だって……アレだろ?





さて、今は……五時か。

朝の。


「遅刻するッ!!」

「何にですか?」

「そりゃ、がっこ―――」


……誰?

って言うか、まだ秘密だよね。


と言うわけで、誰が居るのか見る。


……リアルメイドが居るぜオイ!!


……まぁ、普通なんだけどね。


「がっこ? がっこ、何ですか? 続きがあるんでしょう?」


……メイドin俺の膝。

何をやってるんだろう俺……。


「何ですか?」


俺を見つめてくるメイド。

残念ながら、そういう属性を俺は持ち合わせていないぜ!!


「HAHAHA、何を言ってるんだい? 俺も寝ぼけてたんだろうSA!! HAHAHAHA!!」

「ふふ~、私にはわかりますよ~。学校でしょう。学校なんですね。騎士様、学校に通ってるんですか? そうなんですね。そうなんでしょう。これは、いい噂をゲットしました」


殴ろうか? よし、殴ろう。


「ルリャァァ!!」

「ちょ、私メイドですよぉぉぉぉ!!」


フッ、終わったぜ。


「い、痛い……。女の子相手によく本気で殴れますねッ!!」


いや、メイドだし?


「いつっ……、クリンさんに言いつけてやるぅぅぅううう!!」

「その前に、口を裂かせろ!!」

「この人、怖いッ!!」


いや、お前をほっとくと俺が不利益を被る事になりそうだからな。


「安心しろ。裂くだけだ」

「それが怖いんですッ!!」


……何が?


「あ、クリンさ―――」

「……ッ!」


後ろ!?


ドカッという音の後に、俺の視界が揺れる。


……何か、俺がどんどん弱くなっているように感じるのは気のせいか……。


「ッ、誰だ?」

「あなたこそ、メイドを襲うとは、本当に騎士……?」


あ、またメイドだ。


「俺は外道なので、騎士でもそういう精神の持ち主じゃないんだよ」

「……と言う事は……、あの有名な……」


何で有名かは聞かないでおこう。


「とりあえず、口止めね。はい、爆弾」

「はい?」


さっきのメイドに魔力爆弾を貼り付ける。

……ファンでも解除できないと思うぞ。


「魔力爆弾ですか。あなたらしいです」

「俺の何を知っているかは知らないが、あんまり関わらない方がいいよ? お前はたまに青空と居るところ見るし、青空と仲良くしてやってくれ」

「そうですか」



……影流にもっとメイド選びの注意をしとけって言っとくか。

それよりも、今は―――


学校だ!!


こう……疑問な事ってありますよね?


本編の忍者の分身みたいな。諜報活動に必要無いと思うんですよ。

その『変な常識』を削り取っていくのが下準備なのですよ奥さんッ!!


そして、メイド相手に容赦しない男、海弟でした。

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