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第210話人間を縛るにはまず法律では無理

前半戦も最後のほうになってきました!!


後半戦では、前半戦の影流達の動きも重要になってくる……かも?


現在、襲撃中。……まぁ、敵の目標は俺だししょうがなくはあるんだが……影流サン?


という訳で、隣を走る影流に文句の一つでも言う事にする。


「影流サン? これは一体どういうことで?」

「すまん。余裕は無い」


……戦闘狂モードですか? 影流が前線に出るとなると、一気に片付けようとしてくれてたのか……文句が言えんな。

ただ、相手が最新鋭の武器とか使ってたら影流も逃げるしか無いよな。じゃんけんみたいに、グーはパーに弱くて、パーはチョキに弱くて、チョキはグーに弱いみたいに。

影流の弱点、それは人を殴れない事が一つ、もう一つは気配が無く目視できない物に対応できないって事。馬鹿でかい爆弾なら殴って終わりなんだが、銃弾みたいのだと避けるしかない。

しかも、相手が人造人間を使ってくるので、避けた後の追撃も早い。


これを、簡略化すると―――




俺は影流に弱く、影流は武器を持った人造人間に弱い、人造人間は俺に弱いと。こうなるわけだが……。



「相手が持ってる武器が世界破壊用の武器じゃぁ俺も無理だ」

「わかるのか?」

「あぁ、大体な」


上書きされているわけだし、目視できている物と感覚的なズレを照らし合わせればわかる。

……前は人間を取り込んで少女の形とか言ってたから……今回は最新型の銃か。俺はそういうのに疎いからわからないが、結構な反動があるに違いない。コンクリートを簡単に削っているからな。

それに対応できる人造人間もすごいな。


「……さて、俺が標的になってしまったようですよ、影流クン」

「わかってる。何とかするさ」


そう言って俺の服を掴む……と言うより握る影流。何か、ヒロイン少女がやるみたいのじゃなくて、思いっきり皺ができるぐらいの握力で掴まれている。

そして、影流は無理な体勢から俺を……投げた!?


「え? ちょ、影流サァァァァァァン!!」

「囮だ。頑張れ」


……影流の戦闘狂も考え物だなジョニー。


「はぁ……。第二『風軽』」


来た道を逆走し始める俺。それに合わせ、人造人間達も俺を狙って後ろを向く。

そこへ、影流が一気ずつその拳で人造人間達を破壊していく。


「ちょ、危ないッ!!」


銃弾を剣で弾きながら俺は逃げ続ける。

影流サン、早く全部撃破してくださいな。


こんなところを、クラスメイトとか知り合いに見られた―――


「チェストォォォォォォオオオッッ!!」


おっし、目は潰した。


「ウギャァァァァァァァァ!! ちょ、痛い……、痛いッ!!」

「ガンバッ♪」


今のは、生徒会長の彼氏か。

皆、俺は皆の呪詛を受け取って天罰を与えたよ!!


「ッ、増援!?」


何か浮かれていたら増援が目の前に増援が現れる。

仕方が無いので、人造人間と、その弾丸に当たらないように剣だけをうまく使って手首を切り落としていく。

これで武器は使えないはずだ。


「神の洗礼を受けてない武器しか、使えない状況でこれは有効だな」


逆に言えば、(これ)さえ手放したらもう死ねると言うことだ。HAHAHA、俺が本気で人に感謝する時が来たとはね。


人造人間は何処からかまだまだ沸いてくる。手首の無い奴等まで追ってくるので数が半端ない。……三十……いや、また増えた。

ざっと五十くらいか……影流だけじゃ対処しきれないな。


「……もう一人巻き込ませてもらうとしよう」


というわけで、隣の豪邸へと突っ込む。

運のいいことに、玄関先で水都を発見!!


「刀持ってマスカ?」

「は? 海弟? えっと、後ろの何?」

「いいから!! 刀は?」

「一応……持ってるけど」

「じゃあ、頼んだッ!!」

「あ、ちょっと―――」


全部聞く前に建物内へと移動する。

扉を閉め、俺は高みの見物でもしますか。


ズシャッバキッという音が外から聞こえてくる。


『ッ、合体!?』


とか、最後のほう聞こえてきたが俺には関係無い事だ。


「やぁ、助かったよ。ありがとう」

「そのニヤケ顔は鳥肌が立つかもね。で、コレは何? 政府の人造人間とは違うようだけど……」

「フッ、お前は既に巻き込まれているのさッ!! ッてわけで、影流を数時間寝かせた後、聞いてくれ。俺は標的になってるらしいから、相手を振り切らないといけないからなッ!!」


たぶん、まだ俺の居場所は相手に知られているはずだ。

毎日監視はされていると思うが、一般人の前ではさすがに襲ってこれないらしく、そこまで行けば安全だろう。


「……はぁ、この際、手数を増やすのもいいかもな……」


俺はポケットから鏡をいくつか出して中に入っている武器を確認する。


花火が大量に入っている鏡、剣や槍が入っている鏡、棍棒や槌が入っている鏡、杖が入っている鏡、遠距離から狙い撃つ弓や銃が入っている鏡。

一応、銃はエアーガンだ。……こっちの世界の武器商人と精通してないからな、俺。


「手数少ないな……。今度、鞭とか入手しようか……」


操れるようになったら便利だろう。


「まぁ、今は逃げることに専念しますか」


後ろをチラリと見て口の中だけで言う。

また大量の人造人間が何処からとも無く集まって来ていた。


「炎よッ!!」


人造人間ではなく、地面を狙う。地面なら当たるはずッ!!


しかし、その直前に炎は掻き消される。


「銃で撃ったか……」


俺の放った攻撃は全て感知され消滅させられるらしい。手札を全て封じられた……と言うことか。

ただ、甘いぞ。


「第二『流亜』」


流れを異質化する魔法。

説明している俺すら、意味がわからないが、簡単に言うと、様々な物の向きを変える魔法だ。

ただ、一つ制限がある。それは、気分的な問題……例えば、妙に体が重いとか……そういうのは流れを変えることが出来ない。

それと、着ている物や自分の体も軽くしたり出来ない。自分に触れる重力を少し操れるが、それによる攻撃は相手に触れなければ無理。って言うか、触れたら俺が先に死ぬ。


「簡単に言えば、俺が前へ進もうとする力を逆向きにしたらどうなるか……」


俺達はF1レーサーもビックリのスピードで走っている。その中に居る、一人。俺の向きを逆にするとどうなるか……簡単だ。相手の動きを相手の筋肉を見て先読みする人造人間達は、感覚を狂わされる。前へ進むのが≪普通≫なのに、後ろへ走る≪異常≫が起きているのだから。

元々は相手のダメージ分散を狙って作った魔法だが、こんな使い方もあるのだ。


グンッと、後ろ髪を引っ張られたように一気に後ろへ吹き飛ぶ俺の体。

背中に剣を当て、人造人間に触れないようにする。すると、いくつかの人造人間を吹き飛ばしながらも、一気に人造人間達の後ろへと回り込む事が出来た。

情報を共有しているらしい、人造人間達は混乱しているように見える。


「『鏡』」


あ、卑怯とか言うのナシね? 混乱に乗じて逃げるのは当たり前だよ。

普通に『鏡』を使っても人海戦術で見つけられるけど、混乱中に逃げ出せば……まぁ、逃げる事は出来るだろう。

機械ってのは一つでも齟齬(そご)を生み出せば解決を優先して、止まってくれる。勿論、解決策なんて無い。科学が魔法の領域へ踏み込む事は不可能。

魔法で起こっている惨事を科学で解決できるかと言うと、無理だ。

魔法使いで科学に喧嘩を売るヤツなんて大抵、独自の世界を創り独自の魔法を開発しているヤツだ。

そういう奴に対抗できるのは、毅然としてある方程式じゃない。同じ、独自の魔法だ。


「つまり、科学側の惨事の解決方法じゃ魔法側の惨事の解決方法に適応できないと」


これは何度やっても変わらない。


「へぇ~、で母さんにこの苦いのを喰らえというのか息子」

「サラダを食べて苦いとか言うのは母さんぐらいだよ。味覚がおかしくなってない?」

「……甘い物ばっかのお前に言われたくはないわね」


……あ、靴を玄関に置いてこないと。


「はぁ……、何か解決策は無いかな……」

「日本沈没」

「すごく根本的な場所で間違ってるから」


俺でもわかるよ?


「こ、コレはッ!!」

「ん? 何?」

「塩酸を掛けるとサラダは溶けるのか!?」

「態とやってるだろ」


机も……あぁ、床も溶けてるよ。この母親の常識はどうなってるんだ? ……いや、俺も言えないけどさ。


「あぁ~、今回そのスパッ!! と、する解決方法が無いからアレだなぁ……」

「どっかに主人公を助ける主人公的何かは現れない物か……」


大抵、脇役の意図の無い行動がそういうのなんだけどね。

……今回、もう塩酸ぶちまけて終了でいいんじゃないのか? いや、いいはずだ。


「よし、調達してくるわ!!」

「出来るだけ安く、多くね」

「了解!!」


さて、母さんの持ってった特殊なビンの中に小さな鏡を貼り付けて……そうすると、一向に中身が溜まっていかないからグラムとかで決める薬物世界でこれほどの裏技があるだろうか?

いや、無いだろう。


「全ては鏡の中に……」

「鏡すら溶かすわよ」


……その可能性は考えて無かったよ。


これを機に、海弟の魔法開発開始!!


次回からは、物凄く地味になります。

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