第209話『……何をやってるんだろう俺……』by海弟
ノリとテンションだけで書いた幻の一作。
もう直ぐ、GWことゴールデンウィークですね。……俺は、あの全異世界革命組織の野郎がいる限り、不用意に外に出れないんだよ。
つまり、GWには引きこもり確定と……、ハハハ今日の帰りにでもゲームを買うかな。
『はい、ここを……海弟、解いてみろ』
「グハッ!?」
クッ、さすがは俺のライバルだ……学校……侮れんッ!!
『つまり、解けないってことね~。はぁ、一番簡単なヤツなんだけどね~』
「追い討ち!?」
ら、ライバル……やるな!!
……ん?
こ、コレは!!
一方的な攻撃! つまり、生徒虐待だ!!
『勉強が嫌いと素直に言いましょうね~』
フッ、俺の苦手なものは理屈ばかりを言う、年上ッ!!
『そろそろ、保健室に行きましょうか』
「じゃあ、その鎖は捨ててください」
あんた本当に教師か?
その瞬間……先生の瞳が何か輝いた気がした……。
俺は勿論……逃げた。
☆
……保健室って何処だっけ?
……さすがは俺のライバル……何て卑怯な手だ!!
「ん? こ、これは……」
一方的な展開、相手を惑わす。
「つまり、無敵!!」
一方的な展開を作り、反撃のチャンスを揉み消し、相手を惑わし隙を作る。
コレは、魔法で出来ないだろうか……。うん、出来るな。
「後で、考えよ。で、今は保健室」
……もう、校長室が俺の保健室ってことでいいよね?
ダメか。
はぁ……、探すの再開。
……ん? アレは、保険医ッ!!
アレを追えば保健室にたどり着くはず……。
隠れるように移動し体を隠す。気配も消す。足音も消す。
完璧だ。盗人根性はすごかった……。
保険医は、そのまま廊下を歩いていき一番奥のところで止まると隣にある扉を開けて部屋の中に入る。
それを確認した俺は、そのままその扉の前まで移動する。
「……カウンセリング室?」
こんな部屋あったっけ? まぁ、実際にあるんだしあったんだろう。
そんな事を思いつつ、扉を薄く開ける。
「こ、コレは!!」
シンプルな部屋だった。
その中には、一人の少年と保険医が……HAHAHA、まさか……ね?
「いや、待てよ……アレは見たことあるぞ」
……確か……生徒会長の彼氏? ……アレも、悩みが多そうだからな……。わかるぞ。
少年は、保険医に悩みを告げていく。俺もその中のいくつかを紹介してやろう。
『毎日、毎日……皆が苛めより恐ろしい……殺気のある目で見てくるんです……』
……何だろうな、俺もアレは勘違いのまま俺に殺意を向けさせとけばよかったと思うよ。
勝手にそっちは付き合っててくれていいから。
『包丁を持って皆が襲ってくるんです』
……ピーポーピーポー。
『安全な場所が生徒会室しかないんです!!』
心からの叫びだ。俺はこの叫びのそれ以外の表現方法を知らない。
「……可哀想に。でも、もうすぐ楽になれるさ……」
どんな形かは知らないけどね。
……さて、放送室は何処だったかな?
☆
ピンポンパンポーン
「あ~、あ~、お知らせで~す」
……騒ぎ大好き海弟くんからの嬉しいお知らせです。
「生徒会長のカレシこと、少年……名前知らん、が、カウンセリング室なる場所へ―――」
足音が既に聞こえたぜ……。
……叫び声も聞こえたぜ……。
何か、生徒会の面々が放送室に……ヤバイなコレ。
「また、あなたッ!!」
「俺じゃないッ!!」
「じゃあ、誰よ……」
……誰だろう。
「考えてるでしょ」
「そ、そんな事は無いで……あるかも知れないけど、無いですよ?」
圧力が強すぎる!!
お、俺が押されていると言うのか!!
「クッ、こうなったら」
ガラガラと窓を開ける。
そして、そこから飛び降りる。
「飛べる。飛べ―――」
は、吐き気OK?
「ノゥッ!!」
グシャリッ!!
「ち、ちぃゆ!!」
白い光が俺を包む。ついでに生徒会の面々が俺を囲む。
「な、何てこった」
しくじったぜ……。って言うか、速いぞ生徒会。
「はい、生徒会室に来ましょうか」
「た、助けなくていいのか?」
「大丈夫よ!!」
何処からその自信が湧き出てくるんだろう……。包丁だよ?
その時……俺も含め、二人の悲鳴が学校へと響いた……。
もう一人は……言わずともわかるだろう。
あ、ちなみに、俺は逃げたぜ……魔法最高!
海弟の為に呪詛を送りましょう。
はい、呪詛です。呪いです。神様仏様、海弟に不幸という名の天罰をお与えください。
『わしが? 海弟に? ……面倒』
この機械の神は、いけませんね。はい、一回解体しなくちゃ。
『わ、わしは逃げるっ!』
……チッ、無駄に元気だ。