第208話今回は何も知らない表にいる海弟は何か、普通に楽しんでいる。
……でも、物語は進んでいく。
ハッ、主人公が絡まないと物語が進まないと思うなよ!!
「ただい―――」
「なぐ……なぐなぐ……なぐ……」
何か、母さんがヤバイ状態なのですがぁぁぁぁ!!
え? これ、どうしたらいいの? ねぇ?
「なぐ……ふふふ」
バタリッ
「かあぁぁぁぁぁぁぁあああん!!!!!!!!!」
な、何が……もしや、襲撃!?
いや、俺の家は向こうに知られて居ないはずだ。知っていたとしても非合法な手段……。
「う、うるさい……」
「母さん!!」
な、何があったんだよ一体!!
「……飯を作れよ息子」
「もう……寝てていいよ」
そう言えば、昨日忙しくて忘れちゃったー。兄さんが作ってくれてもいいのにー(母さんの昼飯、兄さんと一日交代。
「あぁ、最後に」
「……なに?」
「『なぐ』って何?」
「ふふふ、風詠家の七つの謎よ」
初耳だよ母さん。
「とりあえず、外で襲撃されないように当分は家の中にいないとな」
「ん? 襲撃? 何かやらかしたの?」
「い~や、俺が関わらなくても物語は始まるんだぞー」
「そろそろ、その口調……やめろ。空腹でイライラ」
ゴメン、その手の包丁を仕舞って。
「まぁ、向こう……と言うか、全異世界革命組織(仮)が行動を起こしたんだよ。世界の統括者から聞いた話だと、かつて反乱を起こした者の末裔……らしいよ」
「そりゃぁ、大変。あんたはいかなくていいわけ?」
「俺を一瞬にして無力化&殺す兵器(?)を相手は持ってるから近づけないんだよ」
「……危ない危ない。まぁ、暇なんでしょ? なら、飯を作れー!! 家事をしろー!! 料理のレパートリー増やせー!!」
「俺は兄さんの見よう見まねしか出来ないし!! しかも、何が危ないわけ!?」
「……い、いや、そのぉ。死ぬとこみたいなって」
可愛らしく言ってもダメです。
「さて、寝るか」
「ゴメンなさぁーいぃぃぃぃぃぃ!!」
……母親絶対服従!!
何て家庭だ!! ……自分の家庭の事情なんだが……。
「さて、今日は……めんど、カップラーメンで」
「手抜きキター!!」
HAHAHA!! 三分でできる料理なんてカップラーメンかゆで卵(半熟)ぐらいだろ。
「つまぁり! カップラーメンの上に卵(半熟)を乗せるべしと言う事なのだ!」
「新たなる理論の登場よ!! って言うか、食べれれば何でもいいの」
コイツ……幽霊状態が長すぎて食への関心が薄れたな……。
「よし、菓子を作ろう。世界中の菓子を俺は作れるぞ」
「……ゴメンなさい。さっき、冷蔵庫の中の餡子を舐めて胸焼けを起こしたところなの……」
何てことを!
「まぁ、通ならやれるぞ。愛で」
「通ならやれるのか。私が甘かった……餡子よりもな……」
「わかってくれたならそれでいい」
うんうん、お菓子は世界を救う。……たぶんッ!!
「よしよし、気分がいいからパフェ作ろう。パフェ」
「キサマッ!! さっきの私の話を聞いていたのか!?」
「HAHAHA、その上でのパァフェさ!!」
「な、何て事を……。キサマと私はここで戦う運命にあるらしい……」
「あぁ、そうみたいだ。俺が勝てばパァフェ。母さんが勝てば―――」
「御節!!」
無理難題がきましたよ皆さんッ!!
「あ、あぁ、いいだろう」
適当にお惣菜を詰めたやつ出してやる。
「よし、闘いを始めようじゃないか!!」
「親と子の対決……か」
そう、その競技方法は元来から使用され、長い歴史の元、さまざまな流派を作り、形を変え、色々な遊びへと加えられている。
しかしッ!! 俺達がやるのは、原初の……最初から皆に愛され続ける国民的協議!!
「サイ」
「ショハ」
「「グー!!」」
≪ジャンケン≫
「ポンッ!!」
俺は、チョキ、相手は……何ィ!!
「フッ、私に勝とうなど……百億年早いわぁぁぁぁ!!」
「でも、それパーじゃ―――」
「グーよ!! これは、グーよ!! なんなら、チョキでもいいわ!!」
「いや、パーじゃ―――」
「チョキね! わかったわ。チョキがいいのね!!」
「いや、それ―――」
「ね?」
「……はい」
怖いです大佐!!
☆
「ジャンケン」
「ポンッ」
俺 グー
母さん チョキ
「……よわッ!!」
「こ、これはパーよ!! 百歩譲って、グー!!」
あんたに譲るだけの余裕があるのか!
「いや、無いだろ」
「あるッ!!」
が、崖が見える!!
ま、まさか、飛び降りる気じゃぁ!!
「私の覚悟……見てくれ……」
「待って、待ってくれ母さん。もう一度だ。あんたの決意はよくわかった」
「さすが、私の息子!!」
……何だか、さすがにここまで来ると面倒だな。適当に後出しして負けるか。
☆
一方母親。
『後出しして勝つッ!!』
これじゃ、勝負は着かないだろ。
☆
「はい、ジャーン」
「ケーン」
「ポンッ!!」
…………。
「な、何で出さないのよ!!」
「そっちだって……」
こ、これじゃあ負けることが出来ないッ!!
もう、やるしかないのか!!
母さんと俺、同時に腕を挙げ、振り下ろす。
「グーよ」
「俺は……」
何か、殴られた。
「私の勝ち……ね」
「いつから、ジャンケンはそんな勝負になったんだ!!」
すげぇ!! こりゃぁ、ボクシングより流行るぞジャンケン!! ハハハ、国民的じゃなくなるけどな!! ハハハ。
「って言うか、ジャンケンに殺傷能力をプラスするなッ!!」
「コレはストレス発散よ!」
もっと、悪いよ。
他人殴るのは……いくら外道の俺でも戸惑うかな。何処を殴るかとか。
「チョキじゃないだけマシ」
「この前、チョキでやったのは何処の誰だよ」
「誰でしょうかね。HAHAHA」
マザーチェンジッ!! マザーチェンジッ!! マザーチェェェェェェェェェンジ!!!!!!!!!!!
「はい、御節頑張れ。甘いのしか食べないけど」
何か、作る人の努力を悉く無碍にしている気がする。
「はい、作れー!!」
……はいはい。
……今日は、zooに行ってきたので早めに更新して寝ます。足が痛いです。
……あぁ、それと、勇者様の『なぐ……』ってのは、『殴り殺す!!』ってのじゃありませんから。……ホントデスヨ?




