第206話海弟不参加(影ながらコソコソ)
今回、海弟はあまり参加できませんね。……前半戦は(ボソッ
「なっ、テメェ!!」
「……ッ」
クソッ、失敗したか。
相手もある程度の身体能力があるようで、奇襲に失敗する。
『アレには神を同等の能力を使用者に与える効果がある……らしい。詳しくはわからない』
まぁ、そうだろうな。神と同等……俺は世界の支配者の権限とか抜いたら、それぐらいだ。魔法も含めて。
相手は、身体能力+世界の破壊と来た。勝算は奇襲にしか無かったんだがな……。
「はぁ、早いなぁオイ。世界の手先かなんかか? 独善の癖によぉ」
「知るか」
相手もなんか事情を持っているみたいだが、知らん。
罠の配置を変更。オーケー、準備完了。勝算が三パーセント上がった。
「炎よ!」
「魔法? 魔法も使うのかッ!!」
避ける相手。しかし、甘い!!
炎は、拡散し、花火の導火線に火を付ける。
パンパンッ!! と言う断続的な音に相手の注意は後ろに逸れる。
「テリャァッ!!」
手に持った剣で男を斬る。
「ッ、避けられた!?」
ありえないぞ、コレ。
「こっちも戦闘のプロなんでね」
……ただの高校生+神の力じゃ勝てないわけだ。戦闘のプロ+世界を破壊できる力には。
『どうする? 黒機でも増援に出す?』
「アレか。アレは色々弱点がある」
後から気づいたものなんだがな。まぁ、アレの弱点ってのは仲間との連携がとりにくいってのが一つだな。図体がでかい。
それに、アレに直接的な攻撃力が無い。しかも、世界の支配者の力で作られてるからあんま意味無いと、弱点の大盤振る舞いだ。
「まさかの、ピーンチ。俺は修行せずに強くなるタイプの人間なんだが……まぁ、ここらで一発修行でもしてみるか?」
三日で飽きると思うが……。
「テメェ、コレの使い方知らないだろ? コレは世界には扱えない一品だからな」
そう言って、少女を見せる。まるで道具のような扱いだな。
「ここでお前は殺す。だから、コレの使い方を教えてやろう」
おぉ、何処かにある弱点を探す。
「コレはな、物体を吸収し、形を得ることで真の力を得る武器なんだよ。そう、今回は人間を吸収しちまったみてぇだがな」
……何ていうか、こんな簡単に事が進むと恐ろしいね。
……まぁ、今のところ勝算が無いのですが……ん? 俺は数字を信じないよ?
例え、一パーセントの確率でも成功する可能性があるんだったら、成功か、不成功かで、半分半分だろうが。何度もやって始めてわかる確率だ。
時は止まらないし、巻き戻る事も無い。刻まれた時を消す事はできるが、それは巻き戻るとは言わない。
「って言うか、人間? 人間を吸収した?」
「しんねぇのか。やっぱな。世界はやっぱり愚かだ」
「黙れ偽善者が。俺も結構な外道だが、人に言われるほど―――」
あれ? これ以上先が喋れない。
「偽善じゃねぇよ。偽善じゃねぇ。……チッ、オレはこれ以上言えねぇが、お前等はオレ達を裏切ったんだ!!」
「? お前、会ったことあるっけ?」
「クソがッ!! 死ねぇぇぇ!!」
そう言って、何やら紙のような物を投げてく相手。
「そんなかには、世界を壊せる、コイツの髪の毛が入ってる。触ったら……テメェは消えるんだ!!」
……ん~、俺は元々人間だし、クォンみたいな光から生まれたってわけじゃないから、大丈夫じゃない?
俺の中を満たしているのは、ほとんど神の力だから、あんまり効果無いと思うよ?
『詳しい情報はこっちに来ないからわからないけど、声だけ聞いてると、それは危ない。体の中の力のバランスが崩れてほかの力が暴走する可能性がある』
「マジ?」
『うん』
「馬路?」
『うん』
……そりゃぁ、大変だ。力のバランスとか考えて無かったよ。避けないと。
って、もう目の前に!?
何か……ん? これ、紙じゃん。
「風よ」
ひゅ~と、転がっていく紙。
「弱ッ!?」
「なッ、何てことをッ!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!? 俺が悪いの!?」
ちょ、悪いのは紙に包んだと言うか、紙にしか包めなかったんだろうけども、それに包んだあんたが悪いよ!
「チッ、逃げるってのは性にあわないが―――」
知らないよ。
「待て。逃がすと思うか?」
スイッチ、スイッチ……オーケー、見つけた。
「スイッチィィィィィィィィイイイ!! オンッッッ!!」
と、同時に俺は空気中に火薬を撒く。
「第二『流亜』」
流れをあの男一人に向けて……、爆発しやがれッ!!
バチンッと言う音と共に炎が増し、爆発する。それは俺とあの少女を避け、あの男のみに収束する。
「遅いぞ」
爆発が収束していく。
アレの影は……無いか。
「逃げられた」
『そう。でも、よく頑張った』
「それって、お前のキャラか?」
『関係無い。神は寛大』
そうかぁ?
よし、ここで俺の悲しい自論を紹介しよう。
ここに一つの宗教集団があったとする。それは神を信仰していたとして、神はそれを救うか? と、言われれば救わない。
何故か? 簡単。神は馬鹿だから。
神は、己を信じている者には奇跡を与えない。神は、己を信じていない者に奇跡を与える。
理由は簡単。信仰してくれる奴を増やす為。もう、神を信じている奴を救うんじゃなくて、神を信じていない奴を救うことで信じてくれる奴を増やす。
こういう事だ。
「ははは、悲しい。悲しいぞ神の頭」
『そっちの神にも協力させる?』
……ヤメロ!!
今、急すぎて声にならなかったぞ。
「それにしても、追えないってのが辛いよな」
世界の記録の削除なら、消えている部分を探せばいいんだが……上書きだとな……。
不審な点が見つからないんだよな。
「って言うか、今回意外にピンチだなぁ。俺のみを対象にした、破壊道具、逃げようかなぁ」
『向こうが、正しいアレの使い方を知ったら世界とか関係なく、自分の意思で上書きされる。逃げても無意味だ』
……今回は高みの見物させてもらおう。
『あまり人を巻き込んで欲しくない―――』
「俺に言う言葉じゃないな」
さて、そろそろ出席日数は大丈夫か?
俺は関係無いけど。
☆
「と言うわけで、頑張って欲しいんだ」
「俺達に出来る事なんて限られてるぞ? いくら異世界と友好的になったからって、無理があるとは思わないのか?」
「俺の権限をフルに活用して欲しい」
「まぁ、名前を出せば向こうに行く……ことぐらいはできるかも知れないが……」
「魔法を持たず、武器も扱えない奴……か」
うん、一人しか知らんな。
「俺に当てがあるんだが……」
「……俺は、向こうに提案してくる。当てっていうのに絶対成功させろよ」
「わかってる」
さぁて、マヤさんとこ行くかな。
☆
「えぇ~、オレッチがぁ~」
「向こうに甘い物がいっぱいあるぞ」
さぁ、来るがいい!!
「オレッチは海弟じゃないよ」
……何か、馬鹿にされているような……。
「まぁ、……みんなにおみあげってことなら……」
素直じゃない奴だ。
「よし、城いくぞ城」
「し、城!? ……そういえば、騎士だったね。忘れてた」
……何か、馬鹿にされているような……。
前書きに気になる一言を載せる兎桜!!
そこへ、現るヒント!!
『今回の敵=世界に何か革命起こそうとしている奴等、○○○の○○○』
……ん? もちょっと?
『ゲ○○の○配○』
……はい、わかった人挙手!! あ~んど、ネタバレ禁止!!
妙にテンション高めなのは昨日更新できなかったから!!
アデュー!! HAHAHAHAHA!!