第199話『政治的関与(後始末)は俺の仕事じゃないし』by海弟
辞書
海弟 意味、ハチャメチャな事。悪魔的であり、やっている事が非人道である事。
例文)『金魚を海へ投げ込むなんて、君は海弟だ!』
『この恨みは海弟な君へのものだ!』
「宴じゃ宴!! 花見しよーぜ!!」
「……いや、お前はこっちに来てから年中騒いでる気がするんだが……」
「うぐっ……。まぁまぁ、向こうの世界に公式で行き来できるんだからさ、他の国の王様とか誘ってさ、いいじゃん」
「……まぁ、親交を深めると言う意味合いではいいと思うが……俺たちはどうするんだ?」
「勿論参加!」
「いや、向こうの人間にバレるだろう」
……う、そういえば……。
本当に花を見てるだけになるじゃん……。
「か、仮面で―――」
「近くで見たらさすがにバレるだろう。俺と青空は大丈夫でも、お前はキツいと思うぞ」
……俺は政治家の息子なんかに生まれたくなかった。
「えぇい、バレてもかまうものか!!」
「いや、不利益になるからやめてくれ」
……影流……そう言われるとやりたくなるのが人間なんだぞ?
「よっしゃー、行くぜ!!」
扉を開け、閉める。
仮面装着!
「あ、お前、ドアを錬金して! 馬鹿か!」
「外から中の様子が丸見えだなー」
いやぁ~、俺が本気をだせば簡単なことよ。
「『鏡』」
とりあえず……総理大臣なる人のところに行くかな。
☆
「や!」
「うおッ!」
スッと総理大臣を守るように動く警備の人……ボディーガード?
「いやはや、驚かせてすまない。俺は、向こうからの使いだ」
それでわかったんだろう、少しホッとする大臣。面倒なので大ちゃんでいいか。
「それで、大ちゃんさぁ、花見してくない? 花見?」
「は?」
「花見だよ。異界文化! 素晴らしき花見! クハハハ、食い物いっぱいだ!」
「はぁ……」
「で、こっちの提案……飲んでくれる?」
……まぁ、相手はことわれねぇよな。
断ったら魔法部隊がこっちに乗り込んでくる……とでも思ってるんだろうし。
「は、はい」
おし、コレで豪華な食事はゲットできたも同然。
「あぁ、他の国の大ちゃんにも言っとくように。それじゃ。『鏡』」
異世界へと戻る。
もうドラゴンに乗る必要も無いし、仮面を取って一箇所ずつ『鏡』を使って回る。
終わる頃には、もう日が沈む頃だった。
「……いやぁ、腹を空かせて……いや、首を長くして待つとするかなぁ」
無駄に豪華なの開いてもらうとしますか。
☆
当日。
国立ナントカ公園と言うところを貸しきって花見が行われた。
勿論、そこには異世界の面々と守る為に付いてきた騎士達も居る。
「日本酒ってのうまいわ! これもういっぽーん!!」
……今のはゼッカスの王女様だ。
花見を楽しんでるようで何より……。
「やっぱ、いいよなー」
「んー!」
ふぇーも連れてきたわけだが……嵌る仮面が無かったから俺が作ろうとしたけど影流が怖かったから桜さんに少し借りる事にした。木を。
「いやぁ~、桜の木の下で豆大福。いいねぇ~」
「んー」
桜が散っていく。
あぁ~、何て人口的な風なんでしょう。
「ビル風じゃ風流じゃねぇよ!!」
「よっ!」
……こうなったらここを新地に変えてやろうか……。
いや、桜さんまで無くなるからやめといてやろう。
「影―――王~」
……影王って何か魔王の配下にいそうだな……。
って、間違えるところだった。
「ん? 何だ? 海―――近衛隊長」
……まぁ、ギリギリセーフだろ。
「何か豪華なのはいいけど言葉通じないな」
「ん? そうか?」
そう言って、話しかけてきた外国人の相手をする影流。
……影流って天才だな……。忘れてたけど。忘れられるぐらい平凡なんだけど天才。
何を言ってるんだろう俺。
「んじゃ、宴を始めようか!!」
飲んで食うだけじゃただの花見! ただ、ここからが宴なのだ!
「『直感勝負! ロシアンルゥゥゥゥゥレット!!』」
普通の人間なら死ぬな。
ただ、それが面白い。
「ッてわけで、そことそことそことそことそこと―――ん、その人も参加ね。後は俺と」
拳銃を錬金しまくって百発入れれるようになった改造銃を取り出す。
「この中に……九十九発球を入れます」
「一発にしろ」
「王に言われたので一発にします。それで、シャッフルします。止めます。はい、時計回りで」
俺の目の前に居た影流に話しかけた外国人に渡す。
「死ぬのは自己責任で」
影流が通訳する。
冷や汗を流す外国人。
いやぁ、楽しいなぁ。
俺の手の中で踊ってくれる人が踊らされているとわかっているのにやめられない。
ハハハハ、楽しいな。
「魔王だな」
「ハハハ、悪魔程度にしてくれ」
……ん? 生きていく中で楽しむ心は必要だろう?
ズガンッ!!
空砲?
あ、見てなかった。
「はい、もう一発」
「……!?」
あ~、抗議は一切受け付けません。俺がルールです。
「はい、もう一発!」
ズガンッ!
ハズレ。
「じゃ、次の人!」
ズガンッ!
またハズレ。
「ん~? じゃあ、俺も行こうか」
ズガァァァァン!!
額を触る。
血は出てないな。
「よし、第二回戦だ!」
この場に居る全員が恐怖と畏怖を感じていたことだろう。
ハハハ、友好的にね。
「いやぁ~、楽しいよな」
「いや、鬼畜だよ」
影流はお気に召さないらしいな。
まぁ、いいけど。
「続きだ!」
……前書きは何が書きたかったんだろう……。
さぁ、深く考えてみようじゃないか。
……うんうん、海弟の存在意義について少し考えてみたんだね。
はい。では、次回! 二百話ですよ~。
物凄い勘違いから始まりますよ~。