第198話罰はしっかり受けましょう
最近、暇だ……。
結果的に、この世界の科学力じゃあの世界には勝てないと判断されなんか向こうから謝ってきた。
都合のいい奴等だ。ボロ雑巾にしてくれよう……と言う俺の意思は影流に却下され、世界間で友好を深めていこうと言うことになった。
まぁ、戦争が終わった後、人造人間がこの世界に紛れ込んでいると俺が影流に言っておいたからそっちの捜索が俺の主な活動に……なるはずだったんだけどね。
「何故俺は神社にいるのか……」
「そりゃぁ、始末書の代わりでしょう?」
「う……」
そう、始末書の代わりに神の下働きでもして来いと言われたのだ。
だから、今日は神社で働きます。あぁ、巫女さん居ないかなぁ。何でこんなに坊主ばっかなんだよ……。
そうか……純潔を守れる女性が減ったのが原因か。
「何か自己完結してるのはいいけどさ。何でこっち向かないのよ」
「……いやだって―――」
肉声。母さんのものだ。体を取り戻してから久々に聞いた気がする……。
まぁ、そんな事はどうでもいい。
「何で母親の巫女服姿を見なきゃならんわけですか?」
「親心を無碍にするもんじゃないわよ~」
……何だその若干の自信は……。
しかし、母さんの肉体年齢(精神はもっと幼いが)は二十代前半だからなぁ。
似合ってるっちゃ似合ってる。ただ何故自分の母親(巫女服)と共に神社のボランティアをせにゃらないんのだと。
「まぁ、ゴミ拾いなんて簡単でしょう?」
「簡単……本気で言ってる?」
「いや、若干冗談入ってるけど……」
……この神社の境内は広すぎる!!
って訳だ。これが簡単? ハハハハ、ゴミ拾いチャンピョンだよ君。
「もう、風を操ってパパッとやりたいなぁ……」
「使用禁止って言われてる癖に」
「馬鹿だなぁ、バレなきゃ―――」
『御託はいいんだよ』←(世界の統括長さんの声)
……バレてるね。
って言うか、一々俺固体を見つけるの苦労しない?
『いつも見てるから大丈夫』
……それはいつも神のご加護があるってこと?
やった、幸運……いや神の正体知っちゃうと幸運半減しちゃうよ。
「いや、その前に女の子に見られているってことを意識しなさい」
「一々態度変えるの面倒じゃん」
「……まぁ、自分の人生よ。人付き合いぐらいできるようにした方が特だと母さんからは言っておくわ」
……これでも通用するだろ。この世には脅しと言う最終兵器あるし。
「あぁ~、もうここに卑弥呼様でも召喚しちゃおうかな……」
「何かその暇だから散歩でもするかな程度の物言いで実行しちゃうあんたすごいわ」
「いや、やる気は無いから大丈夫だよ」
って言うか、歴史上の人物に会って見たいと言う夢を俺は独占しませんよ?
「まぁ、会った一分後にはマスコミが来て、五分後には警察が来て、一時間後には政府で厳重になんか捕獲されてるんだろうけどね」
「才能のある人物ってのがわかってるんだからその頭がほしいのよね」
……あぁ、何で神社内部でオーバーな政治の話してるんだろう。ほんと、オーバーな。
「お、巫女さん発見!!」
「え? 何処何処?」
「まずはその手に持っているカメラを仕舞おうか」
「渋谷あたりで高く売れるわよ。ふふふ、体があってよかったわ」
勇者なんだからもっと世の中の為になる事をしなさい。
「ん? 騒がシいな」
……テメェ、何でここに居るんだよ!!
いや、巫女服着ているけども……消えたはずだろう?
「何だ? オ前たちは何ヲしに着たンだ?」
おっと、向こうは量産型だ。一々驚いていちゃいけないな。
「俺たち―――」
「何で死んでないのよ」
この人、馬鹿だ!!
「ん? 死んだ? 何のコとだ?」
「はぁ? あの戦―――」
「馬鹿! 母さん? 阿呆!」
とりあえず、隅で説得(説明)する。
って言うか、この人何でコイツが戦場に居た事しってんだ?
「そうだったのねぇ」
……この人、絶対俺がピンチになるまで監視してやがったな……。
ちなみに、俺の雰囲気センサーは母さんの異常をしっかりキャッチしているぜ。
「いやぁ、友人と間違えたわ」
この人、墓穴掘る天才だ。
何で死んだ友人を指差して『何で死んでないの?』とか言ってるんだよ。普通じゃないぞオイ。
「そうナのか」
「そうそう」
……アレ?
「ところであなたはなんでここに?」
「私カ? 私は、白衣の人間ニ失敗作と呼ばレた。そシて、捨てられテいたところをこコの人間に拾わレた」
「へぇ~」
……やっぱ、戦争は嫌いだなぁ……って、思わされる一面だな……。
「私ハ、失敗作なノでゴミ拾いヤ、掃除しカできまセんがここで住み込ませテもらってマす。本当ニ感謝シている……」
……しかし……何処が失敗したんだ?
見てくれは変わらないんだが……。何処を失敗したんだろう……。
「そレで、貴方達ハ?」
「私たちもゴミ拾いね。ボランティアってやつよ」
「……ソう。いいことしてる。偉い」
……何か違和感があるなぁ。
「二人は姉弟カ?」
う~ん、この喋り方……まるで―――
「そう、そうだ!!」
「は? 違うでしょう」
「いや、違わないだろ!」
「じゃあ、いつから私たち姉弟になったのよ」
「……は? 何言ってるんだ? 俺たちは姉弟? 馬鹿じゃないの?」
「……いい加減怒るわよ?」
「いや、俺が言いたいのは、こいつ自我があるんじゃないかってことだよ。ついでに感情も」
……いや、今回はついでの方が余計だったのか。
人を殺すことに躊躇いのある人造人間じゃダメだから。
「……う~ん、父さんの職業に疑問がでてくるなぁ」
「ハハハ、父親殺しはやめてよ」
……何処の神話ですか貴方。
俺は一人っ子じゃないから大丈夫だって。
「ま、ゴミ拾いを続けるか」
……あ、名前聞くの忘れた……。
と思ったのは家に帰った後だった……。
身の回りの変な人の情報募集。
例えば、自分は異世界の住人だとか宇宙から侵略しに来たとか言ってる人。
特に何もありませんが、自分がパソコンの目の前で情報を眺めながら笑います。