第17話新しい国と魔法石 後編
「ここですか……」
ここは、とある穴の中……。簡単に言うと、魔法石採掘場。
そこには、作業員達がいる中にエイラ・ベーレ・その他諸々がいた。
その、異様な雰囲気を出している集団は怒れるお姫様をなだめていた。
「ちょっと!!普通の炭鉱とかわらないじゃないですか!!」
「いや、そうですけど」
「私は、洞窟内が魔法石でピッカピカとか想像してたのにぃ~」
「しょうがないですよ」
「魔法石は、あんなに綺麗なのに……」
「なんですかその無言」
正直、この老いた体でツッコミをすると思っても見なかったベーレであった…。
「さて、入りましょう」
「結局、入るんですか…」
そう言いながらも、集団は入って行く。
途中、敬礼する人や、頭を地面に擦り付けている人もいたが、ベーレがエイラの目隠しをしていたので無事だ。
慈悲深いエイラはこういう人をみたら、10時間喋り続けるだろう。
「ここ?」
「そうです」
終点は結構大きくなっていて、人が100人は入れるくらいの大きさだった。
「デカイですね」
「あそこです。あそこで作業をしています」
そう言って、作業員がたくさんいるところを指す。
実は、ベーレは前に1回視察に行ったことがあるのだ。
前は、貴族のお偉いさんだったが、今度は王女様ときたもんだ。正直、俺の人生はどうなっているんだ…と40歳越えのおじちゃんが思うことでない気もすることを気にするベーレ。
お偉いさんの時は、偉そうにし過ぎててむかついたので殴ったということもあったが、その後何故か大将軍に何故かなっている。2回言っちゃった…。
「すごい綺麗です」
「ええ」
すごく綺麗な石がたくさん転がっている。
この国には、このような土地が後5個ほどある。3つほどは魔物の出現と共に閉じてしまった物があるが、ここはもういないと判断されたため使われている。
魔法石の力で身体能力が上がっている魔物は倒しにくいのだ。
「おっおい!!」
「んあ?なんだ!!」
「まものだぁ!!」
出たらしい。が、王女集団の半分ほどが止めに入っている。
見ると、鹿とライオンとワニをたして3で割ったような生き物だ。魔法も使うらしいので厄介だ。
だが、魔法が使える=話す事ができる。なので、話し合いが出来るかもしれない。ベーレはそう思っていた。
考えることが出来る、魔物が単体でこんなとこにくるはずも無いのに……
「王女は任せたぞ」
「「はっ!!」」
多少頼りないが、居ないよりましである。ベーレは何かを言う王女を置き去りにして走る。
「覚悟!!」
『グギャァアア』
咆哮と共に、放出された魔力で吹き飛ばされる。
「おい!!なぜこんなところにいる!!」
『主人が襲えと言ったのでな』
「主人…」
だが、考えている時間がまずかった。
考えている間に放った魔法に当たる。氷の魔法だ。
「くっ、固まった」
『これ以上は話せん』
そう言って、角で突き上げられる。が、やっと起きてきた兵達の攻撃が当たる。槍だ。
『グギギギ』
それと共に、放されるベーレ。
「大将軍!!」
「気にするな!!突っ込め」
そういったものの、武器が刺さったままなので突っ込める兵はほとんど居ない。
なので、自分が突っ込む。
「はぁああ!!」
横薙ぎの一閃。コレにより、ツノが落とされる。
周りから歓声があがるが、コレで終わったわけじゃない。
『クッ、だが魔法がある』
角を無くした、魔物が言う。基本この世界では魔物に名前が付いていないのである。
「悪いな」
そう言って、ベーレがもう1本の剣を抜き、さっきまで使っていた剣を捨てる。
その剣には、魔法が刻まれている。
『無効化か?』
「その通り」
そう言って、突っ込む。
この魔物には、角だけしか硬い部分がないのでコレで戦っても十分勝てる。
そして、10分後。
色々なところから歓声があがる。
たっているのは、ベーレだ。
だが、すベてよかった訳ではない。逃げられてしまったのだ。
「クソッ」
「気になさることありません」
「え?」
そこには、王女がいる。とりあえず、守っていた2人を睨む。気づいているかどうかは別の話。
「大丈夫、もう襲っては来ないでしょう」
たしかに、ここは1人では運営できないし、第一負けると分かっていてくるはずがない。勿論、いつでもいれるわけではないが、大将軍はたいてい暇なのである。戦争がない国ならではであろう。
「はい、じゃあもう帰りましょうか」
「そうですね」
そう言って、出口に向かっていく集団。
その後、怒っている宰相に魔法石のプレゼントをしたエイラであった…
海弟が次…復活する!!