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第196話『ん? 今は冷静な魔王が流行り? 知るか!』by海弟

う~ん、何か違うような……。

敵は来た……一週間か……長いようで短いな……。


「くはぁ……。最後に確認する。お前ら大丈夫だな?」

「お前らって……。ま、大丈夫よ」

「慣れたくはなかったがな」

「でも、これは最強よ? 勇者と魔王なんて死神と天使が手を組むようなものなんだから」


母さんは死神すら切り倒しちゃいそうだな……。天使には罵倒を浴びせ死神を斬る勇者。

……まるで魔王じゃないか!


「失礼な事考えなかった?」

「い、イエ、カンガエテマセンヨ?」

「……まぁ、怒る気力も無いし今は不問にするわ。それじゃ、頑張ってきてね」

「俺が前線を保っている間、しっかり休めよ」

「わかっているわよ」

「しかし……本当にやるのか?」

「怖気づいたの?」

「阿呆。相手に何か対策があったらどうする」


……ま、こっから先は聞かないくていいだろう。

俺は影流の居る部屋まで歩いていく。

扉を開けると、各将軍達の顔ぶれがある。

貴族差別しない影流だから実力がある奴等ばかりだろうな。


「ん? 海弟か。それじゃあ、説明するぞ。まず、相手は生物兵器を前線に置いてくる。一度攻められているからわかると思うが強力だ。だから、魔法部隊にそちらは頼む。その援護と言う形で残りの部隊は回ってもらう。いいな?」


頷く周りの人。


「ただお前の部隊はどちらにも左右されないからなぁ。まぁ、妙に息があってるから前線にでても大丈夫か?」

「あぁ、そっちの方がやりやすい」


……影流にも俺の計画は言ってないが何と無くわかるんだな。

まぁ、そっちの方が俺にとって有利だ。


「それでは、各部隊表へでろ。相手は人じゃない、戦うことをためらうな!」


声を揃え、各個人答えると部屋をでていく。

ただ、俺は出て行かない。


「……少し自由に動いていいか?」

「定位置から動かなければな」

「わかった。んじゃ、()ってくる」

「顔だけはわからないようにしろよ」


……仮面でも付けるか。


「おい、そこの鹿の顔の剥製(はくせい)を持っていこうとするな」

「ん? コレじゃダメか?」

「当たり前だろう!!」


……そんなに鹿が好きなのか。

しょうがない。


魔法の詠唱の邪魔にならないよう目の周りだけの仮面にしよう。

という訳で、影流の机(木製)から仮面に錬金する。


「……なぁ、面倒だからってそれは無いだろ?」

「知るか」


それだけ言って、部屋をでる。

魔法石はゼッカスとかレティナから支給されているからかなり魔法は使える。


「さぁて、行くぞォ!!」


部隊の扉を蹴り破り叫ぶ。


「隊長……何でもいいんですが、ここ一週間何してました?」

「何って……修行?」

「……では、私の言いたいこと……わかりますか?」


……ん~、何だろう。

俺はイリアじゃないしわかんないな~。

もしかして、『さすが隊長! 見えないところでも努力を怠ってないのですね!』とかか?

……いや、アレはそういうキャラじゃない。


「……私の言いたいこと……それは、何故一週間……顔を出さなかったという事です。どれだけ心配したか……」

「……ハハハ、死なないんだぜ俺」

「……うわぁ、雰囲気ぶち壊しだ……」

「いや、今は感傷に浸っている場合ではないと隊長は遠まわしに言っているのです。さぁ、皆さん立ち上がりましょう!」

「カハハッ、バカか? オレ達に隊長がそんな事言うかよ」

「む? やる時はやるのが隊長ですぞ」


……何でもいいけど、早く行こうよ。

特徴的な口調がギル君しかないからわかりにくいし。





って訳で戦場。

ここまで波乱があったが割愛させていただく。


「ハァァァ!!」


鏡の中から黒の剣を引き抜き生物兵器を斬る。

中からなんかコードとかでているが気にしない。


「チッ、第二『風軽』」


敵方の生物兵器は量産型なだけあって弱いが数が多い。

しかも、無駄に硬い。その分のスピードは無いが、メチャクチャ硬いんだ。

戦鋼の取引しててよかったな影流。


「闇よ場を支配しろ!」


別空間には飛ばせないが俺の有利な地形にぐらいなら変えることができる。

他の人? 知るか。部隊の奴等と俺に有利ならそれでいいんだよ。


「たぁぁぁッ!」


闇を踏み締めダッシュする。

今は空中を走っている感じだ。


「ハァッ!!」


斬る。斬る。斬る……その繰り返し。

おい、きりが無いぞ。


「隊長! 数が多すぎます!」

「戦って倒せば減るだろうが!!」

「む、むりでーす」


……無理らしいな。


「俺にもう少し魔力があったら周りも強化できるんだろうが、生憎と制限付きなんだ。あまり無駄な魔力は抑えたい。その分俺一人のスピードを上げて効率を良くするから」


さすがと言うべきか黒の剣なら生物兵器の装甲一枚なんて軽く斬ることが出来る。

他の者が苦戦していても、大丈夫と言う事だ。

何度も切り付けないといけないなんて面倒な事だな。


……という訳で、俺が限界以上の力をだして減らし続けるのです。


「ん? アレは……」


あの兵からして前の小さな国の人たちか。小さな国って言っても住民は小さくないからな!!


『今だけは共闘してやろう。だが、コレが終わった後は―――』


俺が闇を使って耳を塞ぎました。

……だって、恐ろしいんだもん。


「さぁて、数が多くなってきたという事はそろそろ……」


そう、そろそろ大将がでてくる頃だろう。

腕が疲れてるんだが、仕方が無い。適当にメチャクチャ生物兵器が密集しているところを探してみるか。


「影流には移動するなと言われているが、これは隊長からの後退命令って事で……。現場の指示が第一なんだよね。ッてわけで、後退しろぉぉぉぉぉおおお!!」


と言う声と共に、前進する俺の部隊。

ん? 後退中ですが何か?


「チッ、やっぱ多い。しかも何か強いのもでてきてるし」


まぁ、主力がでてきたってことだろう。


「ッてわけで、ここらへんでいいか」


魔力を練る。


「闇よ。世界を支配しその意思を消せ。我は支配者なりてその場を動かそう」


その声と共に、このあたり一帯が夜になる。

クハハハハ、こっからがこっちだって本領発揮ってわけだ。


「大地よ変動しろ! 天よ怒れ! 正義など潰してしまえ!!」


何か、後ろの部隊の奴等が俺のほう指差して言ってるが俺は聞こえないんだよな。

まぁ、大体わかるけど。


「これが人間だったら説得可能だったのだが……残念だったな!!」


父さんの演説能力と母さんの嘘つき能力。

……おぉ、こう考えれば納得できる。


大地が揺れ、空気は振動し、生物兵器は闇へ飲まれていく。


「クハハハハ!! やっべぇ、楽しい。このまま本陣へ乗り込むぜぇェ!!」


風で自分の速度を上げる。

これはあくまで後退だ。死守しろと言われているから前進なんてしちゃいけないんだよ?

できるだけ被害を少なくしたいと影流が言ってるから進軍しちゃいけないんだよ?


「ってわけで、これは後退だバカヤロウ!!」


その一言で目の前の生物兵器がぶっ飛ぶ。

よっしゃぁ、本陣見えてきた。

士気も上がってきたし最高だ。


「テメェ! そこで待ってやがれ!! クハハハハハハハハ!!」


『……アレって……』

『完全に魔王だなぁッ!!』

『こっちの被害もすごいですよ!!』

『ただ死人がでてないのが幸いだな……』


空耳だバカヤロウ!

部隊の面々を説明するのが途轍もなく面倒と感じる兎桜!

そこへ救いの手は差し伸べられるのか!!



……こういうのって、三人称のが書きやすいのです……。



それと、海弟の魔力が増幅したとか思ってる人に一つ言っておくと、魔法石で常時回復してるのですよ。


……相手は生物兵器……ならば、敵将は?

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