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第194話 ○○失格

誰からの反応も無いので問題のこと忘れてた……。

酷いや……グスッ。

空を見上げる。


……何か憂鬱……。


「はぁ……」


溜息をつき、手を何度か握り直す。


「よしッ、んじゃ行くか」

「こんなでかいドラゴンに乗るなんて初めてだから緊張するなぁ」


……おい、姫様。何で俺の後ろに乗るんだよ。しかも、しがみつくなッ!! ッてか、母さん?

憑依してくれないとちょ、吐き気が……。


「ひ、姫様……」


おっさんナイス!


「こうやって攻撃力を無効化してるの」

「……では、後ろを守りましょうか」


うわ、説得された!

……まぁ、後ろは絶対に死角になるし攻撃はできないわな。

魔力も尽きたし、安全圏だ。


「いやぁ、こういう手もありっちゃありねぇ……」

「しみじみ言うな! っていうかこういう手はナシだ!!」

「いや、案外いい案かもよ?」


……ゴメン、後ろに伏兵居た。

しかも、本人って言う……。


「六十字以内でその案を説明しなさい。したら許可しよう」

「結婚しよう!」


うわ、何て簡単な説明!


「だ、誰と誰がかわからないんだが?」


……まだ、手はある。


「……全ての人間は私の支配化にあるべきだ!」


うわ、もっと残虐なの来たよ。

しかも、もっと酷いよ。


「適当にスルーでいいわよ。冗談だし」

「それぐらい普通よ」


……とりあえず後で仕返しするか。





「いやぁ、それでね―――」

「へぇ、でも―――」


俺の口を使って勝手に喋らないで欲しい。


ここは上空。

そして、そこで何気ない会話をする二人。


アホじゃないだろうか……。


「後で死刑」


呪うぞ?


「無理ね」


……断言された。

まぁ、無理なんだけどね。


さて、空の上じゃ何もすることないし、小一時間ぐらい時間が掛かるので(魔力があれば『鏡』を使えたんだが)暇だ。


よし、魔法研究でもしてみるか。


まず、魔法の基礎だ。炎とか水とかなのだが、それを想像することから始まる。

そして、水や炎を完全に再現なんてするなんて無理だ。って言うか人間には不可能。

だから、想像したってそれは不完全。

不完全なものを完全にするのが魔法だ。

不完全なものを自分の世界に出現させたら……それは完全にならないか?


そう、完全になるんだ。


それが魔法の独創性の部分で、基礎を炎が熱いとかそういう基礎をぶち壊した世界だ。

特殊魔法を手に入れると同時に見出す世界とも呼ばれている。


……そっからは魔法書に頼らず独創性を追及できるってわけ。

そのまま、魔法使いでいるか魔法研究者になるか……分かれるんだなこれが。


俺は中立だな。研究もするし魔法で戦う。


で、今回はさっき言ったとおり常識をぶち破る魔法を作ろうと……。


魔力コントロールは人一倍うまい俺だから、簡単にできるはずなんだが、想像力がうまく働かない。


……ドラゴンのせいだ!!


忌まわしいドラゴンめ……ここで成敗してくれようか……。


「何か腹のあたりに邪気を感じるんだけど……」

「気のせいじゃない?」


……おっと、俺のせいか。


「そろそろ見えてきたわよ」

「やっぱり最低限の武装だけみんなしてるか」


……緊急招集だからな。

軍隊連れてくるとか阿呆だ。最低限の武装をし、少数精鋭の部隊でここに集まる。

それが最優先。


「それじゃあ、行きましょうか」


そう言って、ドラゴンを地面に降ろす。

何事かと上を見上げていた奴等が驚くが俺の顔を見て納得する面々もいる。

……おい、何か失礼なこと考えなかったか?


【それじゃ、後は頼んだわ】

「ん、おう」


……俺の中にはいるようだが外にはでないんだな。


「帰っていいぞ」

「グギュルッ!」


空へと飛び立つドラゴン。

ハハハ、帰るときどうするかだって?

何言ってんだよ、ここがこっちの陣営の本拠地になるんだぞ? 帰るのは戦いが終わった後だろうに。


「えぇと、面倒な挨拶は抜きにして、手短に説明します」


……中では影流達が準備しているはずだから俺は俺の仕事だけしようか。


「文面のとおり、この世界に侵入者が現れています。俺たちのことを知っている皆さんはまず先に俺たちを疑うかもしれないですけど、それは違いますから安心してください」


騙すのは得意だ。


「俺たちは最善を尽くします。相手方の情報も提供しましょう。向こうが戦う決意をしたところでこちらに飛んで来たのであまり有効な情報はないかと思いますが、何か聞きたいことがあったら言ってください。会議の前にできるだけ疑問は減らした方がいいでしょうし」

『ならば……、証拠は? 我等の味方という証拠はあるのか?』


……誰だよあんた。


「証拠……ね。いいでしょう」


俺は腰に刺さっているナイフを抜く。

国の紋章が描かれていてその国の兵士であることを示す物だ。

影流からもらったやつとはまた別ね。


俺はそのナイフを逆手に持つ。


まさかと言う雰囲気が周りに流れる。

……俺にもそれぐらいの決意はあるよ?


グシュリと言う音。

まさか、こんな時がくるとはな……。


「証拠……これで十分か?」

『……十二分です』


……これ、絶対腕の脈切れてるぞ。

利き手に刺したからヤベェかも。


「すごい事するね。まぁ、それはそれで退屈じゃないからいいけど。ほら、腕だして」

「……は?」

「そのままにしとくと、君、死ぬよ?」


……それはヤダな。

今は体を大切にしなくちゃいけないってのに。


「頼んだ」

「任せるがいい」


……魔法を使う王様初めてみたよ。

さすが、魔法大国!





王様とその警備の人が中に入ったところで俺は暇になった。

……腕が痛い……。


「専門が違うからって少々乱暴じゃねぇのか?」


……出血止めただけだぞバカヤロウ!!

まぁ、その後で何かさっきの証拠がなんちゃら~とか言ってた人に助けられたけど。


「あ、そういえば母さんは……」


……何か、神殿の扉に埋まってるんだが……。


「あの、そこのお尻さん?」

「お尻じゃない! その声は愛しの息子ちゃん?」

「助けんぞ?」

「ごめんなさい」


とりあえず門を開け―――。


「片手じゃ無理だ!!」

「何でこんなにバカなのか……」


たぶんあんたの血が流れているから。


「それで、何で扉に埋まってるの?」

「何か、幽霊は入れない空間らしいのよ。で、無理矢理突っ込んだら半分だけ入って半分が……半分が……」


……俺も尻を母さんと呼びたくないから手伝うよ。


「たぶんこの神殿に魔力が流れているから入れないと思うんだけど?」

「そうするとあんたよりでかい魔力ってことになるわよ?」


……まぁ、それは保留だ。


「体当たりしたら……肩が砕けるだろうなぁ……」

「なら足を引っ張って!!」


……肩がたぶん抜けるよ。


「誰か呼んでくる」

「それはダメ! こんな姿を……他人に見せるなんて!」


いや、たぶん見せるほうより見せられた方の方が混乱するぞこの光景は。


「こういうときは痩せるのを待つと相場が決まっているだろう」

「幽霊よ?」

「はい、無理だね。諦めろ」

「母親裏切るなんて家族失格よ!」


お前は勇者失格だよ!!


「ん? 待って。とりあえず私を中へ押してみてよ」

「こう?」


中へと押す。


スルスル。


あ、消えた。


……たぶん向こうで喜んでいるんだろうけど出るときどうするんだろうね。


……誰かの中に入ってくるのかな?


って訳で、答え。


A、毒の入った料理。



一口食べたら天国行き!

って訳で、次回!

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