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第191話憎悪の国々

省いていた小さな国々が出ます。


……うん、ここは一致団結しなきゃね!!

次はレティネだ。

……今思うと、別に城に侵入しなくてもよかったと思う。


「お、海弟様ですか」

「ん~、お勤めごくろう」

「ごくろうねー」


……前言撤回。

この国の未来が心配です。


城の中を通り王の間(俺がそう呼んでる)に着く。

無駄に豪華だが……あの王のことだ、ハマネさんに言われて適当に国民に見栄を張れるぐらいの装飾にしてるんだろうな。

この国には金持ち多いし。


「あっれぇ~、居ないわね」


……あの王様……逃げたな。


「あっ、海弟様! 国王様見ませんでしたか?」


後ろから声が掛かる。

ハマネさんか。……この手紙預かってもらおう。信用できる人だしな。


「あの、この手紙預かってくれませんか? 見つかったらあの王に渡してください」

「ん? 何か用? ……密書か何かかな?」


……やっぱこの人頭いいなぁ。


「それじゃあ、次があるんで」

「……次……ね」


……何かカッコいいなぁ。


「アレは私のいいパシリだったわ」


……気の弱いところ以外……いや、気が弱いんじゃなくて律儀なんだな。

いい人だ。


「それじゃ、行くかな」

「次は何か買い物したいわね」


……その為にもこの世界を守らないとな。


「次は……中小国へ行くか」


……地図で見るとアレなんだが確かに小さな国が存在するんだよ。

エルフの里ぐらいの大きさの首都があって、小さな領地がぽつぽつと……。


協力してくれるとは思えないんだけどな。


「ん? 次はゼッカスじゃないの?」

「いや、こっちに行こうと思うんだが……」

「……正気?」

「は?」


……何かあるのか?


「……ふふふ、まぁ一度は行ったほうがいいのかもね。弾圧された国々に……」

「……何だか恐ろしい気配がするんだが……」

「来てからのお楽しみってやつよ」


……行きたくなくなったから行かない!!


「何か露骨に嫌がってるのが表情にでてるんだけど……って、ドラゴンに無理矢理そういう表情させない」


そう言って、俺の手(ドラゴンの顔を支えている)を払う母さん。

……えぇー、行きたくなーい。


「憑依」


……うわ、卑怯な!!


「ふふふ、親にも勝てないようじゃまだまだね」


今回は世界の支配者の力を使っちゃいけないんだよ。

あくまで、使っていい力の範囲は支配者になる前の力だ。


「言い訳は見苦しいわよっ!!」


そう言って、ドラゴンを飛ばす母さん。

……もう嫌だ……。





その頃の城では……。


「うぅ、暇だよー」

「ガウゥ~」


青空は、王妃としての仕事も一時停止、向こう側に居ても危険があるかも知れないのでこちら側に来ているということだ。

しかし、向こう側は向こう側で騒ぎになっていることを三人の内、誰も考えていない……。


「……私も強かったら戦えるのにな……」


力も無いし、魔法も使えない青空は少し二人に対して劣等感を感じていたが、何か出来る事はと探してみる。

しかし、見つからない。だから暇だ。


「……柔道とかだったらできるかなー……」


テレビを見ると女の人でもやっているのをたまに見るため口に出してみるが、師匠が居ない事に気づきダメだ……と諦める。


「ほんと役立たずだよ私……」

「グルルッ?」


警戒しているのか喉を鳴らすドラゴン。

青空は『どら君』とか『どらちゃん』とか色々呼んでいるがしっくり来るものが無いので保留にしている。


「やっほー、暇だから遊びに来ましたよー」


そう言って、入ってくるディティ。

……海弟弄りは勇者に取られたので彼女も暇なのだろう。


「あ、こんにちわ」

「律儀すぎるわよ。それで、話は聞かせてもらったわ」


……一々説明するのが面倒だが、ディティはエルフなので途轍もなく地獄耳だ。

青空の呟きも最初から最後まで聞いていたに違いない。


「……そろそろ作者を殺る時期かしら?」

「? 何の話です?」

「いや、なんでもないのよ」


そう言って、コホンッと一息ついて懐から一冊の本を出す。

本から流れているのは魔力で、これが魔法書ということがわかる。


「……何に使うんですか? この部屋破壊しないでくださいね」

「信用無いわね。まぁ、いいわ。この本……きっとあなたの役に立つ内容が書かれているのだけれど……どう? いる?」

「えぇと、どういう事ですか?」


疑問符を浮かべながらディティに聞く青空。

フフンッと鼻をならし説明するディティ。


「この本は使い魔との連携魔法が書かれている本なのよ。簡単に言えば魔力の共有。あなたのはドラゴンだからかなりの魔力を秘めているに違いないわ。その魔力を相棒である人間が使用する魔法。そんな感じね」

「えぇ!? そんなすごい魔法があるんですか?」

「……悔しいけどあるのよね。ただ色々準備が必要よ? 血を見ることがあるかも知れないし……」

「それでもやります! きっとできます!」

「……すごい自信ね……。まぁ、いいわ。色々書かれているから読んでみなさい」

「はいっ!!」


そう言って、本を置いて部屋から出て行くディティ。

そこで、本を開いて読み始める青空。


「……ふふっ、これが吉と出るか……凶とでるかよね……。アレは連携魔法なんかじゃなくて、魔法道具から魔力を抜くための魔法なのよね」


そう、魔力の共有ではない。

魔力の吸血をする魔法。それに魔力はいらず、才能だけで使用可能か決まる。

魔力が無いものにも才能があるのだ。


「生き物にあの魔法を使ったら……しかもドラゴン……楽しみだわぁ……」


そう言って、青空の部屋の前から立ち去るディティ。

……青空が魔法が使えるようになるかはわからない……。





「つ、着いたぁ」

「ここは出来るだけ避けたいところなのよね」

「成仏するのを許す!」

「しわいわよ」


……コイツ怨むぞ。


周りはジャングルに囲まれ開拓されていない事がわかる。

政治能力の無い国なのか?

いや、無かったら国が成り立たない……小さな村が国だと言い張ってるだけとか?


「……さて、死にに逝きますか!!」

「か、漢字が違う!!」


……俺は知っている。

この人は冗談は言うが嘘は付かないと!!


……ん? どっちがどっちだかわからないだろ?

……そこら辺は何かわかるからいいんだよ。


ビュッ!!


……お、矢ゲット。


「触れない方がいいわよ……」

「ん? 何で?」

「人体に触れたら爆発するルーンが刻まれてるから」


……うわ、相手怖いな……。


「念の為……。第三『風星』」


……って、囲まれてる!?


「……ヤバイわね」

「不法侵入者だしね」


……魔法を使って撃退する?

いや、相手を攻撃したら交渉の余地とか無くなるな。


「あ、あ~と、話聞いてもらえませんかね?」


ビュビュビュビュビュビュビュッ!!


……正統防衛を発動させていただきます。


「風よ!!」


……木から人が落ちる。


海弟の主な武器。



長剣、魔法、支配。



……最後のがメチャクチャ卑怯だ。

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