第178話『ゲーム感覚ですることじゃないと思うんだが……』by影流
エイプリルフールの次の日のことでした……。
っと、影流がサブタイ進出してきました。
何かと気苦労の多い彼です。
「死有さんから逃げるため、別の世界に非難しようと思います」
「でも魔族も異次元を……」
「愚問だな。俺の世界を支配する特権があれば魔族など……」
「なら、死有さん拘束すればいいのに」
……気づかなかった……。
まぁ、ここは押し通そう。
「最近、暑かったり寒かったりするじゃん?」
「室内ばっかいるからだよ」
……最近、青空が厳しいことばっか言うよぅ……。
「俺は今回はパスだな。忙しい」
「取引頑張れよ~」
「おう」
……今乗って『王』と『おう』を掛けてる?
まぁ、いいや。
「青空はどうするんだ?」
「できれば行きたいな~って……」
「……まぁ、大丈夫だろ」
……影流の了解が必要なのか。王様と王女様すげ~。
って、本物だ!! 本物の王様と王女様だ!! すげ~。
もう、飽きた。
「ふぇーは置いてくか。兄さんがケーキ作ってるみたいだし」
「あれ? 海弟は食べないの?」
……兄さんに禁止されたんだよ……食べすぎって……。
「それじゃ、行くか」
「そうだね」
「そうだな」
……うん、母さん邪魔。
「ほほ、母さんが影からこの男女の行く末を見守って……」
守護霊交代!! いや、いらないッ!!
「それじゃあ、行ってみるか。ゲーム感覚で」
「……不死だもんな……」
影流……それ傷つく。
まぁ、特権使って次元をゆがめて……考古学者もビックリ!? ここに入れば異世界だぜGOだ。
「頭の中が幸せそうね」
「何か無性に悲しくなってきた……」
こういうときは無駄にはしゃぐもんだろ?
なぁ、そうなんだろ?
「んじゃ、行くかな」
「ふふ……立場の無い二人……」
そりゃぁ、強制的に呼ばれるわけじゃないし、あまり立場は無いわな。
うん。
「あ、ドラゴ―――」
「なぁ、青空……それは反則だ」
「へ?」
……君のその純粋が怨めかしい……。
「私が預かるわ」
「えぇと……大丈夫なんですか? ……幽霊ですけど……」
「海兄の肉体を奪……借りるわよ」
「それじゃケーキ作りできないじゃん!?」
「突っ込むところ違うと思うぞ」
……あ。
「兄さんの自由は?」
「無いわね」
もう、知らない。
「昏睡状態の時が一番操りやすいのよ」
……いらない情報をありがとう。
……いや、役に立つときがくるかもな……俺って死ぬのも生きるのも自由だし。
「生霊って手もあるわよ」
「それはさすがに嫌だ」
「何処からがOK何だ……」
……さぁ?
「それじゃあ、行くか」
「そうだね」
そう言って、黒いゆがみに入っていく俺たち。
目の前が真っ暗になった(ポケ○ン風)。
☆
目が覚めるとそこは異世界だった。
何か無難だな。
えぇと、ここは……闘技場? 人と人が戦っている。そしてその真ん中に俺たちが居る。
って、あぶねぇ!
「テメェの召喚獣か? 二人ってのはすげぇが弱そうだなぁ」
「なっ、俺のじゃネェよ。もっとすゲェんだからな」
……子供。
って言うか召喚獣? 何かすごそうだなこの世界。
使い魔と似てるものかな?
「えぇと……にんにくもりもり……」
青空がちょっとヤバイ状態だな。
気絶させとこう。
とりあえず安全なところに非難する。
入り口なのかはわからないがぽっかりとあいた穴に逃げる。
『オォット、クレイジー選手の召喚獣(?)が逃げたぁぁぁぁ!!』
クレイジーって……迷惑そうな名前だな……。
俺は青空を担いで……やっぱ負んぶして(体勢的にいいので)……走る。
情報収集でもしたいが、この状態じゃな……。
「しかし召喚獣ね……詳しそうな人に聞く……いや待てよ。俺も使えるな……準備が色々いるけど」
……召喚獣の本を開く(鏡の中)。
「えぇと……個人契約? 不確定な要素を取り除き、一人一人と魂の契約をして呼び寄せます。おぉ、すごそう。魔力いっぱいの今ならできそうだ」
……強い召喚獣がいいな。
……どっかに居ないかな……。
そういえば、人でもいいんだっけ?
……俺の中での最強は……師匠?
いや、あの人と魂の契約なんかしたくない。したらこっちが召使のように働かされる。
「はぁ……帰ろうかな……」
今回のキーワードは『遊び』です。
はい、所詮全ては海弟の手の内の中。
そう、全て遊びなのです。
……海弟って最強って次元を超えてるなぁ……。
あぁ、それと海弟をツッコミ役に復帰させようかと検討中です。
準ヒロイン達が次々と犠牲になっていく姿をもう見たくない……。




