第167話手っ取り早く強くなるには
新たなる作戦到来!!
さて、俺は二人のダークエルフ(一人か?)と感動を分かち合ってから地上へと戻るため、歩いていた。
「……これを防具にしたら……」
で、カブトムシ魔物の皮を剥いでいた。
どうやら無効化効果があるのは皮膚らしいのでそれを錬金して防具を作る予定だ。
鏡の中に皮膚を入れて……よし、地上を目指そう。
「……辛いな」
勿論、帰りは坂道だった……。
☆
途中、風呂を回収しようと思ったが、やっぱりやめておいた。
代わりに置手紙を置いておく。
『風呂入れ』
よし。
風呂を小さくして軽くして……完成。
で、地上。
「さて、どうしようか」
地下に潜ったけど力関係は変わらなかったしな……。
って言うか、出鼻を挫かれたからな……。
「しょうがないか……」
俺が聞いた話ではこの黒の剣はエルフにとって脅威ってことだからな。
コレ使って脅せば……うん、いけるな。
「しかし、あくまで秘密兵器」
鏡の中に仕舞う。
「他の奴等集めて作戦会議をするかな」
決めて、ふぇーの所へ戻る。
……ここは平和そうに見えるんだけどなぁ。
俺が、部屋へ戻るとふぇーが寝ていた。
……まぁ、構わんよ。
廊下に誰かいないか確認して、目立ちそうもない青年が居たので声をかけてとりあえず地下拠点で適当に決めた隊長みたいな奴等を集めてもらう。
五分後、一人を除いて集まっていた。
「あと一人は?」
「偵察に……」
……あのときか……。
なんて事だ。
死んでも怨まないでくれ。
「集められた理由はわかっているだろう?」
「だいぶ遅かったじゃねぇか」
……五月蠅いな。忙しいんだよ。
「……では、何か策はないか?」
……何かこの口調疲れるなぁ。
……俺はもう何も考えんぞ。
「突撃!」
「却下」
戦力的に見て無理。
数は多いけど質が悪い、兵の方向性がバラバラだ。
「何だ。お前は考えてないのに却下と……」
考えたけどでないから聞いてるんだよ。
「独り言なら人に聞かれないようにしろ」
「五月蠅い奴め」
……気にしない気にしない。
「他には?」
『……』
無策ですか……。
「しょうがない。あの作戦で行くか……」
……さっき思いついたやつだ。
しかし、俺に不幸がすごく降りかかってくる。
「……突撃準備」
「説明なしですか?」
……なくてもいける。
「いや、信じているさ!!」
「俺たちを信じてる奴なんてお前だけだろうよ」
……俺もお前らに託したくないよ!!
☆
偵察してきた人が帰ってきました。
何かエルフの少女連れてきました。
とりあえず、殴りました。
「誰だよ!!」
……気絶してました。
「帰ってよし」
「……あのぉ」
「何だ?」
「縄を解いて欲しいんですが……」
……縄をしたまま帰った方が面白い気がするんだが……。
まぁ、動きにくいからいいだろう。
少女の縄を解く。
……何かアレだな。
「……エルフだな」
「……そんないやらしい目つきで見ないで!!」
……違うさ。
俺はエルフに恐怖しか抱いてないさ。
「早く行け」
「このご恩は―――」
敵に恩を抱かないでください。
「俺はさ。あの上官みたいな奴だから。恩とかいらないから」
「そうですかぁ。偉いんですねぇ」
……フッ、偉いに決まって―――おっと、ノリに流されるところだった。
「お前逃げろよ」
「あぁ、そうでした」
……いい加減怒るぞ。
敵にこんな事言われてんじゃねぇって怒るぞ。
俺の怒りは収まれねぇぞ!!
と、まぁここらへんで終わりにして逃げてくれるそうなので作業の続きに戻ろう。
「ここらへんはこうか……」
「耳はもう少し長いですよ」
「そうなのか……」
現在、エルフに変装するために鏡を使って考え中。
「……って、何で居るんだよ!!」
「? あれ? ここ何所ですか?」
……もういい。
「誰か。コイツ牢屋に入れといて」
扉が開いて少女を連れて行く。
あっはっは、抗うがいい。
「雷よ」
ドバチッ!!
……魔法は使わないで。
こっちは使えない人たちばかりなんだから。
「……気絶しちゃいました?」
……たぶん、死んでは無いね。臨死だね。
気絶じゃないね。
「……治癒」
……治してやるよ。
理由は哀れだからね。
「う、うぅ……死ぬかと思った……」
俺が居なかったら死んでたよ。
根本的な原因を作ったのも俺だけど。
「魔法を使うな。そして、牢屋でそれを反省してろ」
「何をはんせいすればいいのかわかりませんが了解しました!!」
……人質は嫌なんだけどなぁ。
俺も人質になった事があるからな……。
「さて、続けるか」
エルフの男はあまり見たことないからな手こずる……。
明確に伝えないところが白黒クオリティ……。
……誤魔化しました!! すいません!!
まぁ、作戦の内容はわかりますよね?
でも世の中、わかりきった事なんてないのですよ。
そう、海弟が居る限り!!
うんうん、人質は外道の極みということで海弟もやらないんですね。
今日は褒めます。
そろそろ海弟に潜入させますか。