第163話海弟とダンジョン
海弟の苦悩……。
暇だ。
地下からでて、地上の光を浴びて……。
やる事なくて……だるい。
「学校行ったら影流と青空に怒られるだろーなー」
うん、全て無気力。
無駄にこの部屋豪勢だし。あっはっは、やっぱり似合わないね。
「さて、そろそろ逃げようか」
二つの勢力相手にして勝てる見込みは無いし、偵察に行かせたって勢力の大きさの確認しかできないし。
小細工とか見破られると思うし。
地形的にも向こうが有利。
補助魔法と攻撃魔法を向こうは使ってくる、こっちは近距離での攻撃しかできない。
無理でしょ。
「物語の中とかだったら策とか主人公の頭に閃くんであろうけど……」
俺は犯罪者ですよ?
……まぁ、政府そのものの体制を変えちゃえば犯罪者から解放されるのだけれども。
それよりも他国の……親しい国に逃げちゃった方が早い。
「……おぉ、心が腐っていくのがわかる」
ふぇーは疲れているのか眠っているけど。
……俺はどうしようか。
「ここに居ても勝てる見込みが無いんだしな……」
きっと、神様は人選を間違えたんだ。
俺はあくまで一般人。魔力とか無理矢理引き上げて、魔法で体とか強化しても一般人なんだ。
死んでも生き返るけど……。きっと、一般人だ。
人はそれを一般人と呼ばないと思うけど一般人なんだ。
「……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
俺、一般の人じゃないよ!!
一般人じゃないよ!!
「まぁ、苦悩は面倒なのでそこら辺に置いといて」
後で踏み潰そう。
「さて、今後は真剣に考えないとな……」
逃げるのは確定だ。
ただ、タイミング。
自分だけ逃げるのは気が引けるからな。
「もう、ここはアレしかないな」
知略戦は得意だ。
うん、たぶんだけど。
「二人を呼ぼう。向こうに知られてない戦力をね」
しかし、どうやってバレずに影流の城に忍び込むか……。
マヤの方は教会に行って拉致すればいいとして……。
あの恋愛怪物君は……って、恋愛怪物君は長いな……、恋怪君でいいか。
メチャクチャ怪しいけど。
「気配を消すような魔法が欲しいな」
影流は魔法を使えないから丁度いい。
気配さえ消せればいける。
「エルフの国には魔法が書かれた本とかあるよな」
確信は無いけど。
「地下に潜ってみるか」
監獄や貯蔵庫よりもっと下の。
たぶん、そこら辺に丸秘な魔法とかあるだろう。
「よし、あると仮定して……」
影流の城に潜り込む。
……もうここで逃げたいけど我慢だ。
俺にも責任感ぐらいある。
「恋怪君を連れて……」
教会は何か居心地悪いから少し破壊して……。
あ、金は取らない。孤児院の役目もしているみたいだからな。
「それだけじゃまだ舞台は整わない」
圧倒的不利の中じゃどんな小細工をしたって意味は無い。
それを積み重ねるだけの時間なんて無い。
だから、全てを劣った状態で勝つ。
「つまり、裏切り者を作ると」
うん、金だけは勝ってるからね。
勝てるな。
「よし、欲望へ漬け込もう作戦を実行して……」
ふむ、偵察の奴に聞くか。
「まずは、地下だな」
それ以降のやつは覚えれないから考えない!!
記憶力いいのは漫画とかの主人公だけ!!
おし、行こうか。
☆
ジメジメは今のところ無し。
視界良好。
魔法で照らせばいいし松明とか無し。
って言うか、最終的に壁伝いで行けばいいし。
「魔物とか……居ないよな?」
まぁ、ここらへんは安全だろう。
妖精の魔力(水)はエルフに守られているから手に入れられないと言われてるんだし、魔物とかは居ないはずだ。
よし、進もう。
☆
……暗くてジメジメしている。
いや、それはいい。いいんだよ。
そうだ、ここ裏ダンジョンだろ?
強い魔物がザックッザックいるよ?
「『風雅』」
風系の魔法は大体コントロールできるようになったから洞窟内でも安心だ。
「……剣も使えるといいんだけどなぁ」
狭い。
すごく狭い。
なので、ナイフを使わせてもらいますよ。
「『鏡』」
とりあえず光のナイフ。
おぉ、何かこのナイフの光が温かみを……。
治癒効果でもあるのか?
まぁ、いい。
「グァァァァァァァァアア!」
……一体撃破。
さて、次から次へと湧いてくる魔物(昆虫?)を倒して先へ進もうか。
「『林我』」
ちなみに、念には念を入れます。
☆
進んだ。
靴が溶けた。
「コイツの体液どうなってんだ!?」
強い酸性だ。いや、わからないけどさ。
「しょうがない、石で……」
壁を押さえている石を一つとって靴にくっ付ける。
よし、石でコーティング完了。……錬金ってやっぱ覚えててよかったな。
「また溶けるといけないから……」
体液を全部鏡の中に仕舞うことにする。
溶けるんだぞ?
いい攻撃道具になるじゃないか。
血なまぐさいのが欠点だが……。
「ナイフは溶けないんだな」
少し感心する。
目の前の敵はまだまだ来るが『風星』を使えばもうチート並みだ。
あっはっは、散るがいい雑魚めが。
「普通の剣も風を纏わせれば……」
……そうすると攻撃力変わりそうだな……。
まぁ、進むか。
思考は放棄して、着実に課題をクリアしてかなければな。
放棄しました。