第161話『準備→作戦→ガンガン逝こうぜ』
もう、何も聞かないでください。
準備満タン、睡眠もしっかりした。
よし、今が攻めどきだ!!
って訳でもなく、戦いに不慣れな奴や一人で突っ込む阿呆を出さない為にも一度訓練しておく。
武器は木製で作ったナイフやら槍やら……。
剣は……もう見たくない。
「よし、戦闘経験がある者を中心として訓練してくれ」
……まぁ、何も無いよりはマシってくらいだけどそれでも変わる奴は変わるからな。
「さて、俺も」
右と左のポケットから見るからに高価そうな鏡を取り出す。
ふふふ、コレこそが白の剣と黒の剣が封印されし鏡なのだ。
「さて、片手で扱うには両方重過ぎるな」
重量を軽く……いや、形を変えてみるか。
まずは、忍者刀スタイル。
二刀流では使いやすいが一本になったときアレだ。
なので却下。
「ってわけで日本刀スタイル」
……これは重いな。
没。
「ナイフだな」
うん、今回犯罪者風ってことで。
リーチが短いけど使い方多用だ。
「案山子をっと」
土で案山子を作り目の前へ出す。
……何か脆そうだ。
「木に変えるか」
木材なら森へ行ってまた取ってくればいいし。
「で、鉄で防具を作って」
案山子に着ける。
まぁ、エルフだし重装備の奴なんて居ないと思うが念には念をと。
「何処を攻撃すりゃいいんだ……」
やっぱり……首か?
いやぁ、でも血は見たくないしなぁ。
……どうやって戦えばいいんだ?
……今気づいたんだが、戦争やったら血が流れるよなぁ。
「……お、そうだ」
戦争をやらなければいいんじゃ。
……いや、ここは心を鬼にして戦争しなければ……。
でもなぁ。
「悩むのも面倒だ」
って言うか、ここまで来ないと気づかないとは……。
いや、見ないようにしていただけか。
「……盗む。盗むねぇ」
誰も殺さずに国を盗む。
……詐欺?
いや、どうやって……。
「……選挙だ。うん、選挙やろう。すごく平和的だ」
……それだと復讐にならないような……。
でもなぁ。
俺の中の人間の心らしき物が反対しまくっているんだよなぁ。
それはもう、携帯の振動もビックリするくらいに。
誰か止めてくれよ。あぁ、俺の心か。
「よし、戦争は最後の最後の方法として、まずは選挙……その次、戦争と」
民主主義だぜ。
さて、そうなると考えないとなぁ。
って言うか、さっきから訓練の音五月蠅い。
今は戦争じゃなくて選挙ね。
「決まりとか知らないからなぁ。どうしようか……」
……ここは知っている奴に聞くか……。
少しルールは変えさせてもらうけど……。
「よし、行こうか」
『出陣!!』
「あ」
……さっき声上げた奴、出てきなさい。
罰を与えます。
「『鏡』」
とりあえず魔力を飛ばして鏡を作り入り口を塞ぐ。
……間に合ったぜ。
「さて、作戦を立てずに勝てると思っている皆さん。はい、そうです。作戦立てましょうか」
……あれ?
『あぁ、そういう意味ですか』
「そうなんだよ」
……俺の口が止まらないぜ!!
誰か止めてほしいぜ!!
って言うか、平和的は? 何処行った俺の良心!!
「まず、入り口を占拠するために―――」
何か説明していらっしゃるのですが……。
って、楽しんでいる自分がここに!?
……ついに魔王人格が表へ……。
って、支配されるのは嫌いなんだよ!!
「えぇい、面倒だ。突っ込め」
魔王が全て投げ捨てた!?
『了解しました!』
「え? あ? ちょ、了解しないで!!」
出て行く皆さん。
俺の意思をないがしろにしないで!!
魔王さん、逃げないで!!
……楽しい事は突き通す。
……それが俺流。
「よし、戦場へ逝こうか」
一応、構想立てたけど……。
しかし、四月になるまでにこれ終わるかなぁ。
一日には海弟にとって大切な日、エイプルフールがあるんだけどなぁ。
嘘つきまくってやるんだけどなぁ。
どうしようかなぁ。