第158話海弟の魔法の欠点
(※誰にでも欠点はあるものです)
現在進行形で微笑ましい姿を目視しております。
「う、うごけなぃー」
……何か和むねこれ。
「まぁ、結果的に何も盗っていないから解放しよう。……たぶん」
「たぶんは余計なのです!!」
ごろごろと目の前を転がる名前も知らぬ妖精(盗)。
……何だか眠くなってきた……。
「寝よ」
「……私も寝ましょうか」
☆
「隊長、寝るのはいいですが、その……隣にいる人は?」
「……眠い」
「……ネムイさん?」
……誰だよそれ。
って言うか、イリアもボケるんだな……いや、この場合天然!!
「保護動物!?」
「……地味な嫌がらせですか?」
……いやぁ、まさか希少価値がある人物が俺の部隊に居るとは、HAHAHA鼻が高いぞよ。
さて、そろそろ怒られるから元に戻って。
「この妖精(盗)は―――」
「あの、(盗)って何ですか?」
コードネーム町娘ことアオルが聞いてくる。
……存在感を放つアイテム探しに今度でかけてみよう。
「それはな。名前に羞恥心をプラスするためのものだ。アオル(盗)って、恥ずかしいだろ?」
「え、えぇ」
わかったならよし。
「ん、ではとても恥ずかしい妖精(盗)は―――」
「私を辱めないで!!」
……俺に話させろ。
「まぁ、いい。妖精(煩)は―――」
「……何かまた付いているんですが……」
煩わしいからだ。
「んで、そういうわけだ」
「いや、説明してもらってないんですが」
「説明できないから纏めた」
そうしたら最後だけ残ったんだよ。
「私を逃がしてくれたら嬉しいな(ハート)」
死刑はいつ決行されるのかな?
「ちょ、死刑はダメ!! 我が身ほろびーず!!」
……顔にでてた?
「まぁ、いいや。人前に出られないような噂をこの町の連中に広めるだけにしておいてやろう」
「……妖精は外では一人で生きていけないんですよ?」
……相棒を見つけろ。
「んじゃ、そっちは終わったようだし―――って、その怪我どうしたんだ?」
「えぇと、恥ずかしながら苦戦中です。しかも、負けそうです」
「……エルフって恐い生き物だ」
……何で俺、一時戦おうとか決意したのかな……。
「じゃあ、逃げよう」
「隊長がここは出るべきですよ!!」
「………」
「そんな顔しないで」
無理矢理連れて行かれる俺。
外はそりゃぁ荒れ果てていた。
まぁ、小規模の町だったからな。
「あぁ? また、新し―――」
バシィィィン!!
今のは、俺があのエルフの目の前でシンバルを叩いた音です。
うん、俺は空気の振動を操って聞こえないけどね。
エルフって耳がいいんでしょ?
なら、コレはかなり有効なはず。
「何やってんだ?」
……何で聞かないのさ親分!!
「えぇい、まどろっこしいのは嫌いだ。『風雅』」
風を操り鎌鼬を連続で放つ。
「弱いな」
魔力の壁で防御するエルフ男性(髭)。
ちなみに、鬣じゃなくて髭ね。
「弱い?」
鎌鼬の数倍増。
バシィン、バシィン、バシィン……
連続して聞こえる音。
すごく地味な戦いだが、相手の魔力を確実に削っている。
……俺はだいぶ魔力が多くなったから、まだまだいける。
「……お前が何を狙っているのかはわかるがぁ。俺は一切魔力を消費してないぞ?」
……魔道具か何かか?
って、攻撃は緩めない。反撃のチャンスは与えないのが基本だ。
「どういう意味だ?」
「魔力をそのまま防御に使っているからな」
……俺と同じ?
たぶん、相手が俺と同じなら、俺も魔力そのものを操っているのが分かるはず。
……決着が付かない戦い?
「勝ってやろうじゃん」
鎌鼬を止め、全力疾走し相手に近づく。
「第三『林影』」
目の前から襲ってくる魔力を吸い取り、自分の魔力に変える。
そして、魔力を発動させず、体に宿し殴る。
ドッゴーン!!
吹き飛び、近くの壁(小さい)にぶつかるエルフ。
相手の魔力は吸い取られ、自分の魔力は強化される。
……魔道をかじった俺は自分の攻略方法がわかっているんだぜ☆
……☆はやめといた方がいいな。
「な、魔法が効かない?」
「いや、魔力を吸い取っているだけさ」
そう。
そして、今現在空中に魔力は全く無い。
「第三『風星』」
魔力で空間を支配する。
「動けば死ぬよ?」
「……クッ……」
基本、俺の戦い方は魔力を外に出せなければ発動できない。
しかし、魔道を覚えた事により体に魔力を宿して発動する事ができるようになった。
「つまり、お前は始めから負け決定なんだよ」
俺が空間を支配している間は、あのエルフは魔法を使えない。
……強くない奴には効かないって何かあれだな。
枷みたいなものか。
「そんじゃ、後は妖精とエルフ、両方に任せた」
政治的なことはわからないからな。
そして、欠点は補える物なのです。
海弟は逆手にとって反撃してましたしね。
さて、ひと騒ぎしますか。