第148話海弟と大掃除
私用で短くなってしまいました。
それと、遅く……。
すいませんでした。
一応、言っておくと明日も……。(かも)
部屋を掃除していると、懐かしい物など思い出のある品がでてくる事がある。
それは、一生大切にしたい物だったり、自分を縛っておく枷の役割をしている物まである。
そして、俺の目の前にある、コレはどちらなのだろうか?
「……絵……かな」
「……綺麗な油絵だな。オレッチ感動かも」
……母さんと師匠の絵だ。
誰が書いたかはわからないがうまい。
師匠と母さんの腹黒い部分をうまく描かないようにしている。
たぶん、コレを描いた人に出会ったら神様と崇めてしまうかも知れない。
……無いと思うけど……。
「これはな。勇者とエルフの絵なんだ」
「わかるんですか?」
……さて、何処まで説明したものか……。
絵を見ながら考える……。
「まぁ……色々調べてるからな」
「へぇ……ここに勇者様も立ち寄ったんですか……同じところに今居る……感動だぁ!!」
……本人に会っても感動しないと思うよ?
「そういえば!!ジパング国に勇者様がいるそうじゃないか!!オレッチ会いたい!騎士なんだろぉ?」
色気の無い奴にまな板を押し付けられても痛いだけなので離れる。
「会わせて!!」
「……俺のような奴が会えるわけ無いだろ?見たかったら……城門で見張りでもしてろよ」
……何か考えている様子のマヤ。
「わかった。やってみせる。オレッチが我慢強いと評判なんだ!!」
……一生真実は闇へ葬ろう。
幼き少女の人生を弄んでしまったこの少年をお許しください神様……。
いや、許せ。
「さて、掃除も一通り終わり。師匠の家もだいぶ片付いたな……」
「師匠?」
……しまった……。
そこから事情聴取が始まり、何とか真顔で嘘を付き乗り越える。
すると、どうだろうか。
嘘
勇者は逞しい。
勇者は伝説的破壊力を持つ魔法を使える。
勇者は数万のドラゴンと敵対できる力を持っている。
勇者はこの大陸を消し飛ばす事ができる。
勇者は一子相伝の技をいくつも受け継いでいる。
勇者は拳一つで悪魔を倒す。
勇者は光を操り一撃必殺の技を出す事ができる。
などとなってしまった。
事実は、
勇者はぐうたら。
勇者は肉体が無いので魔力が無い。
勇者は一体のドラゴンになら乗っ取れる。
勇者はこの大陸の上空を浮遊して一望することはできる。
勇者は一子相伝の技をいくつも受け継いでたかも知れないが死んだ時点で全て歴史は終わった。
勇者は拳一つでは語れないといつでも言い教育と言う親の特権を使い殴ってくる。
勇者は光を操り偶にガーデニングしている。
……攻撃力のある母親だな……。
「さて、そろそろ行くか……と、いいたいところだが今日はここで休もう。部屋は三つあるから、師匠の部屋の隣を使ってくれ」
ヘレンの部屋だった部屋だ。
とりあえず、俺は一番端の部屋となっている。
「……オレッチ寝るね」
「あぁ、永遠の眠りについてくれ」
食事は後で部屋にもって行くとして、適当に料理を作ることにする。
「唐辛子……一味……」
勿論、こちらの世界ではありえない調味料がふんだんに使われている。
☆
結果。
辛い辛いというマヤが眠らなく、俺を起こしてくるので二人とも眠れませんでした。
恐るべし……辛味……。
「辛かった……痛かった……」
「あぁ、残念ながら水がなかったからな。果物を取りに行った俺の身にもなってほしい……」
さて、果物と言っても涼しい地下に保管してあるところへ取りに行ったぐらいだが、それでも苦労はしたのだ!!
眠気って強敵だと思うよ……。
「さて、近くの町まで歩こうか」
「…………」
何にも聞こえないし見えないし感じないからね。
はい、女に歩かせるのか!!って感じの目つきでこっちを見ておりますよ。
「オレッチ疲れた」
「そうか。じゃあ、役所に突き出して―――」
「歩くよ。歩けばいいんだろう」
……俺って、死をも恐れていないからこんな感じに生きているんだよなぁ……。
あぁダメだ。一般論から突き抜けてちゃダメだ。
……無理だ。
ファンタジーな世界に住むならそれなりに飛びぬけた思考じゃないと。
ちょびっとしか進みませんね。ええ。