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第131話ドビュボーンガー

思いっきり、効果音。

一体、倒し。俺の魔力も風前の灯となったところで帰ろうとした。

したんだ。

俺が『鏡』を発動して、疲れた体を無理矢理起こして入ろうとしていた時には、皆もう入ったのか、居なかった。

……俺が入ろうとした時、爆発した。

主に、俺の周りが。


で、魔力の無い俺は、勿論気絶する。


で、今現在。


「ここ何所?」

「………」


えぇと、この少女はなんでしょうか?

みつめあっている状況なのですが、この瞳、カチカチと音を立てながらまわっています。

あ、表現が悪かった。

瞳の中の歯車がカチカチと音を立てて回っています。

何故、俺は爆発に巻き込まれたのに生きているんだろう……。

あ、俺は人質ってやつですか?

だから、治療したと……。


利用価値無かったら殺されちゃうね。


「じゃあ、さようなら『キョ―――」

「………」


無言で、ビンタはやめて欲しい。

頬が赤くなってるよ?


「………」

「はい?」


何か喋ったような気がしたんだが……。

気のせいか?


「……作れ」

「???」


うん、ハテナ。

何を作れって?


「ケーキ作れ」

「……はい」





……何この光景……。

可笑しいよ。

可笑しいよ。


「ゴメン、トイレ何処……」

「右」


あぁ、説明すらわかんないよ。

トイレで一人で泣こうと思ったのに……。


「あっ、海弟。こんにちわ」

「おおぅ。同志よ久しぶりだな」


……やっぱり、ここって敵の基地とかそんなところですか?

しかし、生活観溢れる基地だなぁ~。

誰が料理とか作ってるんだろう……。

まぁ、いいや。どうせ、生物兵器を作れるぐらいの技術があるんだから自動的に運ばれてきたりすんだろ?

夢が無いな……。

イッツ・ア・アメリカンドリーム。

……アメリカンは無くてもいいけどさ。


「はむっ……おかわり」

「はいよ……じゃないよ!!何故、ケーキを作らされてるの?」

「僕の友達。だから、働かせちゃダメだよ」

「………」


クソッ、あいつの思考がよめねぇ……。

敵はこんなに巨大だったのか……今気づいたぜ……。


「……友達……」


手を出してくるチビッコ少女。

……握手……かな?


俺も、手を差し出して握手する。


……何この光景……。


「ダメだ!!こんなのじゃダメなんだ。そう、皆で盛り上がらなきゃダメなんだ!!」

「三人しか居ないよ?」


生物兵器も(にん)で数えるのか。

まぁ、心の中では(たい)で数えるけど。


「そう、そうだ。チキンレースの始まりだ!!」

「意味わかんない……」

「……人間……難しい……」

「よし。罰ゲームは顔面から硫酸を掛ける。きっと安らかに眠るための促進剤となってるれるだろう」

「眠るという行為は必要ないんだけど……」

「………」

「よし、じゃあ作る工程から……あぁ、作っている最中に飽きるからやめ。で、何をやろうか」

「………」

「………」


面倒だ……。

しかも、帰ろうとすると殴られるし……。

俺はもうちょっと人生を楽しみたかったよ。


「はぁ……」

「………」

「……ねぇ……」


ここは、反応した方がいいんだろうか?

椅子に座りながらじっくり十分くらい考えてみる。

そして、考え終わって目を覚ましたら白い壁が見えた。

……ん?


「えぇと、ここは……」


毛布。

チビッコ。

……えぇえ!!


「さぁ、俺。脳の中の記憶を呼び戻せ。俺が考えているうちに何があった?」


……考えたくも無いね。

今なら帰れそうだな……。

どうしよう。帰ろうかな?


って言うか、俺は何故生物兵器相手に戦っているんだろう。

まずは、説得。平和的解決。

……男は拳でしか語れねぇ!!


「さぁ、何処にでも例外はあるものさ……」


俺の脳と、俺の心と、俺の体が喧嘩しています。


脳「折角基地に居て自由なんだ。基地ごと吹き飛ばしてやれよ」

心「だから、何故戦わないといけないんだ。疲れるだろう」

体「そうだ。一番疲れるのは俺なんだぞ?」


満場一致で、逃げるが選択させました。


「『キョブッ―――」


な、中々いいパンチだぜ……。


「……友達。……帰る?」

「あ、あはは。友達ね」


友達でも、男女一緒にベッドで寝ません。

しかも、俺は健全な男子です。いや、オイルの臭い漂う少女を襲おうとは思いません。


「帰る。断言させていただきましょう。帰りたい!!この望みは叶いますか?」

「無理」


断言されちゃったよ。

まいったね。


「『キョブッ―――」

「………」

「『キョブッ―――」

「ダメ。友達」


寝ている間に帰ればよかった……。

しかし、何がどうなってどう変化したらこんな状況になるんだろう?」

あ、そういえば。


「後ろから攻撃したの君?」

「……いつ?」

「………」


な、何てカウンターだ。

気絶してたのがいつまでか分からないから言いようが―――。

あるね。


「俺を気絶させたのは君?そして、ここに運んだのも君?」

「………」


あ、逃げた。

………。


「『キョウブッ―――」


な、何て反射神経……。

しかも、胸部(キョウブ)って……。


「ペッチャンコの癖に生意気な……」

「……うん」


……うんって何よ……。


「気絶。運んだ」


あ、その話。

かみ合わないな……。


「そうか。そうなの『鏡ブブブブブブブブブブ―――」


な、不意打ちのはず……。


「……私の友達……」

「海弟?大丈夫?」

「クハハハハ、俺の眠りを妨げ―――」


何か、変な人格が目覚めたような気がする……。


……裏切ってOK?

イヤ、キイタダケデスヨー?


眠い……。

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