第126話か~み~の~け~さ~らさら~
サブタイトル考えるのがめんどくさくなってきた……。
自分の手に合うように作った木刀は中々振り心地がいい。
大きな動作で二度ほど振る。
そして、動作が終わった瞬間ベルに向かって突っ込む。
「はあっ!!」
強化した体に、重力やらその他の何かが加わって豪快な音が聞こえる。
その状態のまま剣を振る。
―――シュッ
感触が無い事を確かめず上を見上げる。
「ッ!下か……」
下から突き上げるような形で、ベルの突きが放たれる。
それを、ジャンプして避ける。
本当は、後ろに下がりたかったのだがあのスピードでは無理だった。
「武器が木刀だけというのは何気に不便ですね」
そういいながらも、地面の砂を投擲する。
空中では、勿論避けれない。
それは目を狙ったものなので、目を覆うように木刀を調節する。
瞬間、腹に何かが当たった感触を味わう。
勿論、それは感触としてしか俺には感じられないわけだが、痛みと分かる。
「クッ、頭を使ってきたな……」
「あの程度でやられませんか……。やはり下克上と言うのは中々難しいですね」
「これが下克上?ハッ、この程度か。俺が本気を……っ」
話している間に攻撃はしないで欲しい。
突きという素晴らしいスピードで放たれる技に関心しながら思う。
「見切った」
相手の手首を突き上げるように下から剣戟を放つ。
―――ガッ
木刀と木刀がぶつかり合う音が聞こえる。
それも、一瞬。
聞こえた後、遠くでザッという砂を踏みしめた音が聞こえる。
「まじめにやっても強いですね」
「外道と言う隠れ蓑に隠れた人間が全員弱いと思うなよ?」
外道とは、まだ人間の範囲内だ。
……俺はまだ人間。うん、きっとそうだ。
「ただ、普通じゃ体験できないことをやっているだけさ」
「自分に言い聞かせてますね?」
「言うな」
……きっと、これは心の汗だ……。
この切ない感情を紛らわせるようにもう一度強化の魔法をかける。
「一つ思ったのですが……」
「発言を許そう」
「……魔法ってなしですよね?」
「……これが無かったら俺はミジンコ以下の体力だぞ!!」
「スッゴイ頼ってますね!!」
いや、草履虫……かなぶんかな……。
生命力はゴキブリ並みとして。
「さて、再開だ。っていうか、中断していない」
「こっちも、いきなり泣かれたら困ります」
……すごく傷ついた……。
そのまま、身を倒すように全身する。
倒れる前に一歩踏み出す事を繰り返す。
重力を味方につけた走りは速く、その一撃は重い。
「ッ……!!」
たぶん、当たったら骨が折れるであろう攻撃に避けを繰り返す食べる……でなくてベル。
俺は、足に負担が少ないのでその分有利だ。ッてことは、理解できた向こうが何か動きを見せるはずだ。
「―――」
理解の及ばない範囲ってのは意外にあるものだ。
……現実的に言えば、魔力が切れて魔法が続かなくなりそれを見切ったベルが俺の木刀を弾き首筋に木刀を当てた……と。
「……太陽のバカヤローーーーー!!」
「変な雰囲気が消えたと思ったら戦闘力が一気に減りましたね」
「きっとそれは、アレさ。アレ」
「どれですか?」
「……さぁ?」
「すごく貴方を殺害したい気分です。貴方は世界にとってゴミでしかないのでは?」
酷い言われようだ。
ゴミの知り合いに神様は居ないだろう。……殺人兵器も……。
「案ずるな。ちょっと不思議な体験をしている人間だ。人間」
「自分に言い聞かせましたね」
「誰かに、俺は人間だと言ってもらいたい……」
「私は言いませんよ?」
「俺は一体なんなんだ!!」
「いや……生物兵器の私に言われても……」
この場にはお前しかいないんだから!!
「……そうですね。生物兵器から見ても外道の道を平然と突き進み悪に染まっていないがお馬鹿である一人の人間……かと思えばそれ以上の力を持ち―――」
何を説明しているのか途中からわからなくなった。
まぁ、とりあえず聞いておこう。
「―――何も恐れないその感情は、全ての生物から見て恐ろしく、恐い人物。たぶん、主人が師匠と呼ぶ人外からの遺伝。そして―――」
他人から遺伝するんだろうか?
まぁ、師匠に感化されたのは必然だな。アレだし。
染まらなきゃ弟子にはなれない。
「―――突き進んでいる方向は間違っていないが、手段を選ばないその外道っぷりには世界を司っている神もビックリだろう。神の中には―――」
何故、この生物兵器は神をこんなにも信仰しているんだろう。
地味の母親だったら信仰してもいいが、地味は信仰できない。何故なら俺が自称と呼ぶ限り神様(仮)だから。
「―――外道。と、こんな感じですかね」
「すごく最後の外道の前が気になるが聞かないで置こう。寛大な心を持っているというところを追加しておけ」
「………」
それは拒否と受け取ってもいいのだろうか?
「まぁ、俺の負けと言う事で。いや~強いね」
「……負けたら……死!!」
「俺にプライドなど無いので死にません」
「やはり外道……」
「少し期待していたお前は心優しい人間だ。これからは何処かで平和に暮らすといい」
「ただ単に、適当に納得させて厄介者払いをしたいだけでしょう。ここには二人しかいないんですから、一箇所にいたほうがいいです」
……チッ……。
「さて、俺の忍耐的な何かが爆発し、前みたいに魔王状態(記憶アリ)にならないうちに寝よう。冷静になるには一番だ」
「主人、水が足りません」
「なるほど、いざとなったら地下水脈を掘り当てよう」
「あるんですか?」
「知りません」
俺に頼るな。
「……寝る」
「消費労力を抑えようと言う作戦ですね?」
「おい、それは今まで実践と言うメチャクチャ労力を使う事をさせた奴が言う言葉か?」
「一応謝りましょう」
すごく危険。うん、俺の心よどうしたらいいんだい?
『アハハ、シネバ?』
とりあえず、この聞いてはいけない心の声は聞かなかったことにしよう。
そう、寝ればいいんだ。
そのまま、寝た。
極限の逃げ人生。
しかし、時に戦う。
って言うか、海弟負けてる!?
作者にも予想外でしたね~。
魔法も万能じゃないってことですね。
じゃ、修行は次回が最後ってことで。