第121話海弟とシリア―――ス?
一つ言います。
何かゴメンなさい。
うん、それが言いたかったの。
俺が死を予言されてしまったのは知っているだろう。
……自称神に……。
「海弟~、そろそろ出てきたら?」
「青空、これは俺の命が掛かってるんだ。容易に出るべきではないんだ」
俺の周りには無数の鏡が設置されている。
これでどんな攻撃でも跳ね返すという最強にして最悪なカウンターを作ることに成功した。
まぁ……エルフ戦の応用的なものなんだが……。
―――ガチャン
俺の部屋から誰か出て行く。
たぶん、青空だろう。
―――ガチャン
誰か入ってくる。
たぶん、青空だろう。
って、早いな……。
「ケーキ持って―――」
俺は風になった……。
「……相変わらずだね……」
俺は、防御シェルター(今命名)の中でケーキを食べながら答える。
「ほふ?」
「ケーキってどうやったら口の中につめすぎるって状態が起きるのかな……」
「そうか?」
「……あれは、確か―――」
声も反射しておこう。
何か聞いてはいけないような気がする……。
さて、今気づいたのだがこの状態を続けさせられるのは残り五分くらいだ。
……もっと俺に強大な魔力をください。
七個のボールだって集めてやるから。
~~五分後~~
俺は魔力枯渇状態。
青空は元気に話を続けておりますです。はい。
「じゃあ、トイレ行ってくる」
「え?あ、ちょっと待ってよ~」
後ろから付いてくる青空。
俺は戦力アップの為にこれから魔力をあげる訓練をする予定だ。
「あ、りゅー君だ」
りゅーとは、青空のドラゴンの名前で……逃げろ!!総員退避だ!!
「あ、海弟……」
「ぎゅるる」
俺の弱点を付いてくるとはやるな!
だが、俺は負けない。
何故なら俺は俺だから!!(意味不明)
中庭まで逃げると、イリアが居た。
これは、戦うしかないだろう。
何故この思考が来るか分からないが……。
「よう、戦おうぜ」
「とうとう頭が壊れましたか?」
し、失礼な……。
「俺の戦力アップの為だ」
「隊長というのは自分の戦力より隊員の戦力に気を使うべきです。何故なら、隊長一人が強くなってもそれが隊の強さというわけでは―――」
この女も厄介だったらしい。
強者とは、馬鹿ということか……。
外道の俺がいえないけど……。
「そうだな、頭を鍛えよう」
影流の所に行こうか。
たぶん、政務をやっているに違いない。
人口が爆発的に(向こうの人間を連れてきたため)増えたから食糧問題とかが発生しているに違いない。
「お、海弟。いいところに来た。お前の特殊魔法で食料を―――」
君等は俺を殺したいんですか?
魔力枯渇状態でできるわけないだろーーー!!
と、怒りたいね。
「まぁ、断れないけど……」
色々と恩があるし……。
魔力石あるからギリギリ大丈夫だと思うし……。
甘い物があると食べてしまう恐れがあるため、白米を増やし続ける。
小さいので効率的だし、腹も膨れる。
とても俺の魔力事情をわかってくれているな……。
単純作業の中で俺はふと思う。
「いつ死ぬんだ?」
―――グサッ
はい?
目の前の白米が赤米になってるよ?
え、えぇと?
俺の腹には……剣……かな?
「……死んだ?」
「そうでしょうね」
聞いたこと無い声だ。
誰だ?
「お前誰だ?」
「いわゆる敵ですね」
必要最低限しかはなさねぇコイツ。
「何故ここに?」
「あなた達が間違えて回収したんでしょう!!」
「え?あれ?そうなの?」
う~ん、しっかりと人だけを回収したはずなんだが……。
というか、死が迫ってるのに俺は何故こんなにも冷静なんだろう?
「ったく、形が人間だからといって侮らないでくださいね」
「あぁ、それで」
やっかいだな……。
これじゃ虫とか動物とかをこっちに連れて来れないな。
絶滅しても謝らないからな。
「納得したところで死んでもらいましょう。もう少し血を流せば死ねるでしょうし」
「あぁ……無理」
だって、俺は魔王だから?
いや、自分でも言っている意味はわからないけどさ……。
ふらりと立ち上がり相手を見つめる。
うん、意外と美人だ。
顔は攻撃しないでやろう。
「第三『炎鎧』」
「炎の……鎧ですか?」
「残念ながら翼です」
そして、右の手に魔力を集中する。
「不特定のエネルギーが右手に集まっている……」
「『風雅』」
右手に風の爪。
「左手にはナイフだ」
近距離でも遠距離でも戦えるようにしないとな……。
「血が出てるのにご苦労な事ですね。私はここで背を向けてもいいのですが……いいでしょう。掛かってきなさい」
海弟って馬鹿だなぁ~と、今思った人はキング・オブ・ザ・バッカァアンの称号を渡しましょう。
人型ってアンドロイドですか!!ってツッコミはなしの方向で……。