第109話海弟と双子仲間
海弟は卑劣な手段で戦った末、色々なものを失いました。
反省はしません。
だって、海弟だから。
さて、この免許皆伝試験とやらで、俺の結果をみてみよう。
精霊との友好度が上がった↑。(半分同情)
頭の回転が少し早くなった↑。(主に姑息な手段)
ディティから怒られた↓。(一日中奴隷)
青空から心配された←→。(癒されるな……)
ふぇーから怒られた←→。(次からは厄介事に巻き込む事にします)
家がなくなった↓↓↓↓。(ボロッちいアパートに住むことになったよ?)
「うわぁあああ~~~」
「な、なかないで……」
「青空……それは同情か?」
「うっ……」
「くそぅ……うわぁあああ~~」
「すいません……」
何故だ。
何故、こっちの世界では魔法を使ってはいけないんだ。
そうだ、使ってはいけないなんて法律はないんだ。
「ばれたらばれたで裕福な暮らしが……」
「過酷な労働も……」
「言わないでくれ!」
魔法が使えるだけで、世界各地を飛び回り、魔法を披露することになるんだろうな。
絶対しないけど。
「取り合えず、面倒事に巻き込まれたくなかったら、やめておけ」
「そうか。マフィアな連中に拉致されるかもな」
「銃にだって勝てると思うけど……」
「本当にすいません」
「許しませんが、泣き止んでください」
ん?許しませんよ?
「ふぃいい~」
「あ、泣いた」
「当たり前だろ……」
「そうだね……」
「全くです」
ここ、執務室的な場所には、いつものメンバー俺、影流、青空、ファン、ふぇーがいる(ふぇーは冬眠?中)。
エルフの里は、何か『鏡』を通して魔法が行っちゃったみたいで、壊滅的状態だけど死者0、怪我人ほぼ全員だそうだ。魔力の気配を感じ取って防御していたらしい。
一方人間は、あの半数は死亡。残った二分の一が怪我、残りは不明だ。
「で、向こうに戦う意欲は?」
「無いだろうよ。っていうか、こいつに嘘がばれたぞ?」
そう、英雄のサポート説がばれてしまったのだ。
しかたがない、向こうの世界に監禁でもしておくか。
「発想が……アレですね」
「ん?何だ?皆どうしたんだ?」
「口に出してたよ?」
「本当か?あ、大丈夫だ。監禁はしない。……たぶん」
「ひっぐ……ぐすん……」
さて、俺の家を壊滅的打撃を襲ったあの爆発でテロだとか騒いでいる報道陣をボロアパート一つでは防ぎきれないため、兄さんもこちらの世界に来させようという俺の要望はあえなく却下され(自分の脳内で)、どうやってのびのびと生きようかと考えていた。
「おぉそうだ。小麦粉」
「は?小麦粉?」
「風車だ。行くぞ」
「いくよ!」
「ふぇーちゃん?」
「あ、あのぉ……」
「そうだ、お前も付いて来い。たしか、女だけしかいなかったんだよな?」
「ん?あぁ、あの村か。そうだったかな」
「よし、お前も来い」
さて、ケーキ作りと称してこの城から脱出大作戦を開始したいと思う。
と、その前に。
「師匠は、お前の姉さんなのか?」
「師匠?」
「ディディ・ハーツ・リグネのことだ」
「……私の双子の姉です……。私が幼い頃……姉さんはやんちゃばかりしていて……その尻拭いを私が……。気づけば姉さんと同等の魔力を……」
何か、悲しい過去がありそうだ。
だが、俺は悲しいより先に共感という未知の感情が溢れているので、大丈夫だ。
そういえば、いつも兄さんと比べられていたのを思い出す。
「兄さんも別の異世界に飛ばされていると言う可能性も!?」
「すっごい、発想力だな……」
「海弟、私もついていこうか?心配になってきたよ……」
「まぁ、任せろ。俺が小麦の粉と書いて小麦粉を奪還してくる」
「……どうせなら、向こうで振舞ってやれ」
「お、いい案だな。採用だ」
取り合えず、出発だ。
道のりは短いようで長いぜ~。
「前向きに生きてるな……」
「私の家に来れば……ふふふ……」
なんだが、青空から危険なにおいがする……。
☆
移動は、全部省くのか……。
何だ、師匠妹の寝顔シーンとかあったのに。
「さて、ついたな」
「なんだか、物語をぶち壊すような思考があったような……。あぁ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「いや、何故謝られるんだ……」
「おんなのひとばっかだ~」
ここは、まさにパラダイスだろう。
ここにいる男はそう、俺一人だ!
「って、そこに同姓者発見!」
「なっ!」
「なに!?」
その姿は……まさに牢獄がマイハウスですと言っているような姿だ。
何処から脱走したんだろう。
「ここで、処刑だ」
「ちょっと、待っとくれ。この村の……奴隷さ」
「今、考えてから言っただろ!」
「そうだ、俺達は―――」
「ど・れ・い……だろ?」
「「はい」」
力関係は 男達<女達 らしい。
超えられない壁は無いが、一生逆転しない関係だ。
「何しに来たんだい?」
「小麦粉奪還作戦を遂行しに来ました」
「すごく……アレなんですが……すいませんすいませんすいません」
「何故謝る……」
「知ってのとおり、ここは男子禁制な―――」
「影流からの許可証」
「いいだろう。好きなだけ小麦粉を持っていきな」
「ありがたい」
影流の顔がここで役に立つとは。
国内でなんかあったら影流を利用……もとい、協力してもらおう。
「あそこか?」
一つの風車を指差す。
「いんや、倉庫に溜めてあるんだ。作ってるのは風車だけどね」
「そうなんですか」
「あぁ、この村では小麦粉が唯一の食料だからね。家畜も殺さないしね」
「いいですね~」
狩りをしているアマゾネスとか想像しちゃったよ。
「私達は、心優しいのさ」
「そうですか。その割にはあの男共の扱い方が……優しいですね」
「そうだろう」
見ちゃいけない一面を見た気がした。
「おぉ~、でかいですね」
「あぁ、好きなだけ持っていきな」
「んじゃ、全部いただきます」
「もてるのかい?」
後ろでクスクス笑う長老的な女性。
だが、考えが甘い。
「『鏡』」
ポケットの中の武器が入っていないほう(利き手じゃない左手)の小さな鏡を一つ取り出し、どんどん小麦粉をつめていく。
パンをたくさん焼けそうだ。
「お、おい、ちょっと待った!魔法だなんて……」
「あ、やっぱり取りすぎましたか?」
「いや、いいから。もう取らないでくれ」
「わかりました。御礼にケーキでもどうですか?」
……俺は作れないので、向こうで買ったショートケーキを『鏡』で量産した物だ。
料理など……。
「さて、村中の人に配って食べてもらってください。よし、帰るぞ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「だいじょうぶ?」
「帰るぞ~」
取り合えず、ケーキを作る為、俺は『鏡』で城へ帰った。
馬車はいつ回収しようか……影流に任せよう。
いや~、なんたる偶然。それなら、あの魔力の量も納得ですね。(白々しい)
そろそろ、RENAIを多めに。(だって春だから♪)
まぁ、何処に傾くかなんて作者の自分にもわからないんですよね。
だって、海弟だから。