第106話免許皆伝試験の概要
最近、スランプ気味だぜ。
モノカキクエストのほうはネタがすごくあるのに……。
何故だろう……。
あぁ、そうか。
インパクトだ。
取り合えず、エルフを静めるために努力してもらおうか。
「ヤダ」
……何処からか声が……。
「はい?」
「聞いておらんのか?試験だ。それでは概要を説明する」
「何?え?何?」
意味不明だ。
いきなり、免許皆伝の為、協力するって……。
こっちが、協力に来たんだろうが!!
「まず、剣、魔法、魔道、全てを使ってエルフ達の猛攻を防ぐ、そして、長老のシーシャを倒した時、免許皆伝というわけだ」
「は~い、せんせ~い」
「何だ?」
「狙われてるのはここでしょ?何で慌ててないの?」
「……お前が、撃退できなければ、この大陸はおしまいだぞ?」
……な、何でこんなに冷静なんだ……。
そうか、俺のことを信頼してくれているのか。
うんうん、だとしたら、城門のところで捕まらないよね。
「それについては、申し訳なく思っている」
「いいんだけどさ、この肉とかどうすればいい?」
「ん?山で狩りでもしてきたのか?」
「まぁ、標的はエルフの村だったけど」
「なっ、何でそんなところに行ったんだ!」
「師匠が、剣の修行だ!死有頼んだ。飛ばす場所は何処か指定はできないが山だ。頑張れ!だと」
「それで、エルフの里の近くに……なんて悪運だ……。向こうの士気と戦力は割かれたな……。まぁ、こいつなら……」
俺ならなんなんだ……。
「……外道ですね」
「五月蠅い!!」
「まぁ、こっちはこっちで、頑張るからお前はお前で頑張ってエルフ殲滅をしてくれだそうだ」
「……いや、無理だから」
さっき、魔力の量じゃ負けるって聞いたばっかりなんですけど?
「これは路銀だ。金100枚に、銀600枚、銅10000枚だ」
……取り合えず、もらっておこう。
鏡の中へ。
「肉も持っていけ。ここは商業が盛んだからいらん」
俺の胃袋もいらんといっていますよ?
「お前の周りには、魔法使いが集まっているから、わからないと思うが、この世界では魔法使いは貴重だ。向こうは全員魔法使いと最強の戦士を集めたような軍団だ」
「なら、何で攻めてこなかったんだ?」
「……」
何かシリアス?
「勇者が居たからだろう。他界した今、攻めてくるのも可笑しくはない」
「……勇者ね」
まぁ、あの師匠が許さないだろうから、あれはなしか……。
だとしたら、向こうから化学兵器を持ってきて……なしか。
「よし、卑劣な手を考えよう」
「まともに、強くなって撃退するとは思わんのか!!」
……あ、その手も加えておこう。
気づかなかったわけじゃないからね!
俺は、効率よく撃退……おぉ、いい案を思いついた。
「エルフに加勢する!」
「……アホですか」
「アホだな」
「な、なんだと!!」
何処が、アホなんだ。
「試験の目的はエルフを倒すことだ。加勢してどうする」
「あぁ、勝つことかと思った」
忘れてたよ。
っていうか、倒せるの?
あの村長強いよ?
後ろから不意打ちだよ?
「ま、頑張ってくれ」
「え?ちょ、マエティーさん?」
「旅に出発です」
……俺は、勇者じゃないよ~。
まぁ、チートあるんだったら勇者やってもいいけど……(この世界に魔王居ないし)。
「あ、あるじゃないか!ここにチートともいえる剣が」
そう、白の剣さ!!
「そ、それは!精霊の間で話題になってるんですよ。あの白のドラゴンと黒のドラゴンが消えたって。剣の行方は!!って感じで。白の剣は海弟だから、黒の剣は誰が持ってるんでしょうね」
「それは、俺です」
正直が一番さ。
取り合えず、黒の剣も見せておこう。
「……!!」
な、何それ!!
「白の剣と黒の剣は、両方一緒に持つことができないはずです!」
おう、俺も人間の道を外れていたと言うことか!
「さようならしておこう。ここらへんに黒の剣さしておけば誰かが……あぁ、どうせ無理だな」
魔王との約束的なものもあるし……。
考えてみると、俺はチート能力を持っているのかも知れないな。
……魔力は一般的な魔法使いの1.3倍しかないけど……。
「魔力量を上げるいい方法はありませんかね?」
「無いですね」
「そんな……見捨てないで!」
はぁ、エルフを倒せねぇ……。
争いを止めるなら簡単なのに……。
勿論、両方の恨みが消えるわけじゃないけど……。
ん?それ?
簡単だよ。
勇者ご一行、魔界の王、魔道を使う姉御、師匠、頭がいい学友、俺。
この勢力使えば簡単に戦いを沈められるよ?
魔王とか入れたらもっと簡単になるよ?
っていうか、この両方の剣を見せたら戦うのやめにしてくれないかな?
そういう展開にしてくれないかな。
「……すっごく、考えているところすいませんが……」
「何?」
「道に迷ってますよね」
商業都市、それは俺を迷わせるには十分な広さを持ち、どんなに方向感覚のいい者でも、裏路地へ誘い込む恐怖の都市だ。
「『鏡』」
「あ、その手が……」
勿論、迷ったら知っている道に戻るけどね。
そろそろ、海弟に師匠離れを!
海「何処を頼っていると?」
強い人に、頼る癖を矯正しようと。
海「……」
否定、できないんだな。
海「そういうお前は、摸写の摸を模と間違えていたと指摘があっただろう」
いつから、お前は細かい男になった!!
海「ふざけるな。俺はお前の為を思って―――」
内心は?
海「俺に対する皆の態度を良くしてくれ」
一生無理だ。
海「……」
無言で頬を抓らないで……。